海での最優パーティー 1
デュパンたちとの馴れ初めを見に行ってきました。もう、初登場から3年経つんですねー。
「ザップさん、お久しぶりです」
爽やかな声に振り向くと、精悍な顔に黒髪のイケメンが立っていた。
「ああ、久しぶり」
どうもうたた寝してたみたいだ。ビーチでビーチチェアに横たわりながら、サングラス越しに女の子鑑賞をしてたんだけど、少しお酒飲んでたからな。いつの間にか落ちてたみたいだ。近づいて来たのに気付かなかった。
彼の名前はデュパン。王都最強の冒険者パーティー『地獄の愚者』のリーダーだ。専業戦士で、癖があり過ぎるパーティーメンバーのお陰で影が薄い事を気にしている。だが、人狼化のスキルを手に入れて面目躍如した。狼化した彼の毛皮はものの見事に般若のようなシベリアンハスキー柄で、ワーハスキーという新しい種族で認定されている。女子学生の間で人気者らしい。
彼の後ろからは金のブーメランパンツの漆黒の巨人とトランクスのサングラスの子供とピンクブロンドのピンクビキニの女性が歩いて来ている。
漆黒の巨人の名前はレリーフ。自称ダークエルフの死霊魔術師だ。2メートルを超す巨躯に過積載な筋肉。良くてオーガー、たまにはダークジャイアントと間違われる。昔はガリガリだったのに、エルフのデルに鍛えられて筋肉信奉者になっちまった。寝ても覚めても筋肉の事しか考えてない筋肉バカだ。
サングラスの子供は子供ではなく、ホップ族という大人になっても見た目が子供のままの種族だ。名前はパム。吟遊詩人と名乗ってるが実際は盗賊。罠探知や鍵開け、覗きや痴漢などを生業としている迷惑生物だ。げっ、コイツもサングラスしてやがる。目的が一緒だな。同属だと思われたくない。サングラス、止めようかな……
ピンクブロンドの女性はジニー。この前までプラチナブロンドだったのに髪色が変わってるな。職業は聖騎士らしい。僕はコイツが本当に苦手だ。僕がTSスキルで化けた姿、ザパンが大好きらしく、事ある毎に変身しろとせがまれる。だが、TSスキルは諸刃の剣。僕自身にメンタル的にダメージが入る事が多いから、基本的に封印だ。
「ザップさん、久しぶり」
「お久しぶりです」
「ザップさん、ザパンさんはー?」
三人も僕に挨拶する。さすがに寝転んだままだと横着なので身を起こす。
「ああ、久しぶりだな。ザパンは来ねーよ」
「ええーっ、見てくださいよ。ザパンさんのために水着買って来たんですよー」
ジニーの手にパムが何か乗せる。この中でパムだけが僕の収納スキルの管理者になってる。昔、彼のいじらしさに絆されたんだけど、後悔しかない。ジニーは手にした布きれを僕に差し出す。手を出すと、受け取る僕の手を包み混むようにして布きれを渡される。普通、可愛い女の子にこういう事されると嬉しいんだけど、ジニーからではゾワッとしかしない。
「なんだこりゃ?」
広げてみると3センチくらいの正三角形に紐がついたものだ。
「マイクロビキニって言って、今、王都のお洒落な女性の間で大流行してるらしいですよ」
まじか、これがビキニなのか?
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