表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/2091

第十九話 荷物持ちまたレベリングに励む


「銀色はなんだ?」


「シルバーポーションはステータスアップよ。これも高額で取引されてるわ」


「そうか。次も飲め」


「ええーっ!」


 とにかく、マイにはヘルハウンドくらいは倒せるようになって貰わないと、手がかかりすぎる。ここを出た後もそれ程度になってたら、そうそう野垂れ死んだりはしないだろう。


 僕も強くならないと。【ゴールデンウィンド】のメンバーは僕がこうしてるうちにもどんどん強くなっているはずだから。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「これで最後だ」


 ザシュッ! 


 マイがこの階層最後のヘルハウンドの首を刎ね、僕はそれを収納に入れる。

 食べる事しか考えてなかったから、マイに指摘されるまで、死体をそのまま収納にしまい込むという発想が無かった。マイはお金になる魔物の部位に詳しいみたいだから、今後はマイに判断させて収納に入れていこう。

 

 この階層では、出来るだけマイにとどめは刺させてレベルアップをはかった。斧を振り下ろす動作も様になってきた。犬を倒すのはリザードマンよりは抵抗が無いみたいだ。


 階段へ向かい降りる。次は地下46層だ。


「ねぇ、ザップ、どこまでいくの?」


「49層だ」


「えっ! 無理! 無理! どんなにザップが強くても最深層は無理よ!」


「大丈夫だ。そこから来た」


「ええーっ! だって、最深層に足を踏み入れて帰って来たのは伝説のパーティーだけよ!」


「その伝説は間違いなんだろうな」


 ドラゴンは置いとくとして、僕が戦えるくらいな敵しか居ないから、実際は結構な数のパーティーが49層から生還しているのではないだろうか?


 46層は45層とほぼ変わらない。けど、45層は3匹までしか一部屋にヘルハウンドは居ないが、46層は最大6匹まで部屋にいる。連携は拙いが数が増えるだけで、単独(ソロ)な僕には難易度が上がっていた。まあけど、安全地帯の噴水部屋があるのがありがたい。


 だが、今はヘルハウンドは僕の敵ではない。ただの火球をくれる食料(エサ)だ。出来るだけマイにとどめを刺させるようにして、この階層の全てのヘルハウンドを掃討した。結構マイは強くなったのではないだろうか?

 ドロップ品はポーションの赤と青が幾つかと銀が1つだった。最後に噴水部屋へと向かう。


「受け取れ。銀は飲め」


 噴水部屋でマイのリュックを出して、ポーションを渡す。多分青はヒールポーション、赤はマジックポーションだったと思うが、僕にはただの甘い汁だ。


「ありがとう! いただきます!」


 マイは気合いを入れて、シルバーポーションを一気に飲む。


「多分今のは筋力ストレングスポーション。力が強くなった気がするわ。前のは敏捷アジリティポーション、体が軽くなった気がしたし」


 マイは興奮してまくしたてる。喜んで貰って何よりだ。


「ザップ、ありがとう、後のポーションは取っとくわね」


「ああ、次は飯にしよう」


「任せて」


 マイは上機嫌でリュックをあさり始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ