表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1899/2116

 因縁の戦い 6


「じゃ、位置について」


 マイが土俵に入り、アンジュとデルを促す。どうでもいいけど、東方和国の本物の土俵は女人禁制って聞いた事がある。なんでなんだろな。

 アンジュとデルが土俵で正対して足を開く。4人の少女で物理特化はこの2人だ。多分この勝負が事実上の優勝決定戦なんじゃ? 2人は高らかに足を上げて四股を踏む。んー、僕は何を見せられてるんだろうか? 水着でする格好じゃねーな。海だしビーチなんだからもっと可愛らしい事して欲しいものである。確かに、騎士団や冒険者の間では何かと相撲する事が多い。けど、それって男集団の話だよな。

 マイが手を上げる。アンジュとデルは猛烈にガンくれあって、地面に片手をつく。ここからはデルはお尻、アンジュは胸の谷間がばっちりだ。サングラス、ありがとう。


「はっけよい。残った!」


 両人共に同時に地面にもう一つの手をつく。


 ばちーーーーーーん!


 即座に大きな音。なんじゃこりゃ、ドラゴンの咆哮より大きいぞ。拍手、アンジュがデルの眼前で手を叩いてあり得ない音を出しやがった。


「『アルティメット猫だまし』よ!」

 

 アンジュはそう言いながら、突進してきたデルを横にとびながらかわす。デルはアンジュの方を向くが焦点が合ってない。


「くっ、目が霞む……」


 デルはそう言いながらもアンジュに向かって張り手を放つ。そうか、アンジュの激しい『猫だまし』はその振動で相手の視覚をしばらく奪うのか。えげつねー。けど、新技ゲットだ。

 デルが張り手を放つ放つ放つ。それをアンジュが紙一重で避ける避ける避ける。まじでデル、目が見えて無いのか?


 パチーン! パチーン!


 また猫だましか?


 いや、違う。アンジュが張り手に張り手を合わせて指と指を絡ませている。確か、プロレスの手四つってやつだ。2人は両手を肩より上げて、まるで熊が構えてるかのような体制でガッチリ組み合っている。


「卑怯とは言わないっすよね。確かに私よりデルの方が素手では強い。けど、力はどうっすかねー」


 アンジュが少しづつデルを押していく。デルの上体が少しづつ反ってくる。


「くっ、馬鹿力。だが、下ががら空きだ!」


 デルの片足が上がったと思ったら、ガクンと体が下がり、すぐにまた地面に足をつく。上からアンジュが圧をかけたようだ。アンジュは逞しいミノタウロスが両手で持つような巨大な斧を扇子を踊らせるように軽々と振り回す怪力、幾らデルでも片足では無理だろう。


「くっ、蹴れない」


「蹴ればいいっすよ。けど、蹴ったらバランス崩すっすよー」


 デルの両足が砂浜にめり込んでる。まじか、そんなにアンジュの力は強いのか。確かにデルは強い。僕もデルと戦うなら、力押しかスキル押ししか思いつかない。


「じゃ、全力でいくっすよ」


「私は負けないっ!」


 2人の力は拮抗している。2人ともまるでオイルでも塗ったかのように汗だくだ。コイツら炎天下、焼けた砂浜でなんで力強い比べなんかしてるんだろう?

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ