因縁の戦い 4
タイトルが5になってました(>_<)
「多分、ザップ兄様はこう言われてるのでは? 『俺様と戦いたいなら勝ち抜いて一番強い奴がかかって来い』と……」
また女の子が1人僕を囲む。さっき何とか名前を思い出した、神官戦士のミカだ。彼女だけ僕の事を今でも『ザップ兄様』って呼んでくれてる。昔は4人ともそんな感じのリスペクト込みの呼び方だったのに、いつの間にか『ザップさん』果ては『ザップ』と呼び捨てされたりもする。思い出せば、彼女たちとの馴れ初めは、ゴブリン討伐で荷物持ちして助けてあげたんだったよな。だから、かなり感謝されてたんだけど、色々と僕が醜態を見せたお陰でそうなってきた。まあ、距離が縮まったと思っとこう。決して馬鹿にされてる訳じゃないだろう。
高速思考で色々と思い出す。おっと、ミカの言葉を訂正しないと。
「何言ってやがる。一言もそんな事言ってないだろ。まずはゆっくりしよーぜ」
ルル程じゃないけど、ミカもデケぇな。僕は下から覗き込む形になってるが、下手すると顔が隠れそうだ。そういえば、だいたいみんな海に来たらアン以外全員ビキニなのに、今回ルルとミカはワンピースだ。戦う事前提なのかもな。ミカは黒髪ポニテで紫色のシンプルなワンピースに落ち着いた声。清楚と言う言葉が似つかわしいけど、サングラスで下から見ると、そんな言葉がぶっ飛ぶな。
「はい、ザップ兄さんはゆっくりしたいのですね。ではまずは私達4人で代表を決めますので、ゆっくり見ててください」
んー、彼女も言葉が通じてねー。わざとなのか?
「うー、4人がかりでザップさんをボコって最強の名前をもぎ取りたかったんすけど、ザップさんがそう言うのなら」
アンジュが膝に両手を当ててこっちを覗き込んでくる。4人がかりでボコるってなんか少しカチンと来た。やっぱり少しお灸をすえてやるべきか?
「魔王討伐トーナメント戦インザビーチ。美少女4人の夢のバトル!」
また、なんかいかがわしい本のタイトルみたいな事言って、ルルが跳ねてる。下から見上げるとスライム跳ねてる様にしか見えないぞ。下品だから止めなさいよ。いかん、この攻撃は僕に効く。
「相撲? 相撲なのか?」
デルが目を輝かせてる。恋に浮かれてるような熱を持った目。そんなに相撲なのか好きか?
「そうですね。ザップさんは相撲を見たそうですね」
ミカが何か言ってる。ひとっ言も相撲見たいなんか言ってないぞ。けど、可愛い女の子4人が僕とのバトルを賭けて、焼けた砂浜で水着で相撲でしのぎを削る。なんか悪く無いような気もしてきた。
「ザップー、じゃ、総当たり方式で、あたしが行司するわね」
マイも覗き込んでくる。
「ああ、好きにしてくれ」
て言うか、早くみんな離れてくれないか? ちょっとこんなに囲まれて下から見上げてたらヤバいつーの。
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