表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1896/2117

 因縁の戦い 3


「稽古もなんも、毎日素振りしてるだろ」


 一時期旅に出てた時は一緒に朝の素振りはしてなかったけど、ホームタウンに帰ってからは毎日素振りしてるし、この4人もちらほらやって来てた。その時に組み手的なものもやってたからそれで満足してほしい。


「そりゃ、そうっすけど、女の子は普段より海の方が強くなるものなんすよ」


 アンジュが僕の近くでポーズを取る。そして、赤い髪をかきあげる。ん、意外に胸が大っきい。うん、確かに強い。かわいい。ついガン見してしまう。この娘たちって、無駄な脂肪とかついてないから、とても魅力的なんだよな。しかもみんな肌面積が広い。


「そうだな。間違い無く普段より強いな。たからさ、そんな女の子相手にハンマー思いっきりぶち込める程、俺はサイコパスじゃないよ」


 やっぱ稽古など無理。水着でするものじゃないよ。


「『女の子にハンマー思いっきりぶち込める。サイコパス』。新たなザップ語録ゲット!」


 なんかルルがメモりながら近づいて来る。


「おいおい、言葉の変なとこだけ抜くな!」


「それで、ザップさん『ぶち込むハンマー』はどんなハンマーなんですか? 具体的に説明お願いします」


「いつも見てるだろ。棒に玉がついたでっかいやつだ」


 ん、なんか言わされてるような。


「玉に棒がついててデカい」


「わざと組み替えるな!」


 ブルンブルン楽しそうに飛び跳ねてるルルの後ろに、いつの間にかマイが立ってる気配すらしなかった。そして、ガシッと頭を掴む。


「ルル、そこまでにしよっか?」


 マイが笑顔でルルの顔を覗き込む。あ、マイ、髪の間から見えた額に青筋が……


「申し訳ごさいません。マイ姉様。少しはしゃぎ過ぎちゃいました」


「えっちぃのは?」


「無しです!」


 マイにルルが答える。


「下品は?」


「無しです!」


「下ネタは?」


「無しですっ!」


「そうでしょう? あなたの本見てる人ってたくさんいるんでしょ? それには小さい子供もいるかもしれないんだから、健全な言葉使いを心がけましょう。品が無い事じゃなくて、頭を使った事でみんなを笑わせるべきよ」


 頭使った事って、僕の駄洒落か? けどみんな笑ってくれないもんな。難しいもんだな。気が付くと寝っ転がってる僕をマイとアンジュとルルが囲んでいる。水着姿を下から見上げるのはなんて言うか背徳的だ。


「で、戦闘ルールはどうする?」


 デルも近くにやってくる。


「だから、戦わねーって。水着は泳ぐためのもの。戦闘用じゃねーよ。ビーチは遊ぶもの。土俵書いて相撲する所じゃねーよ」


 なんで僕はこんな当たり前の事を力説してるんだろうか?


「何を言ってる。行住坐臥、いかなる時、いかなる所でも戦うのが武闘家たる者の宿命。ザップさん、少しぬるま湯に浸かりすぎたのでは?」


 ダメだコイツは頭の中がバトルだけで占められてやがる。


「なんでビーチでバカンスを楽しんでてそんな考えになりやがる。ぬるま湯に浸かりたいんだよー」


 ああ、ゆっくりしたい……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ