表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1860/2120

 赤銅竜


「グゥオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ」


 轟音と共に炎を口から吐くドラゴン。僕は前に出て右手を伸ばしそれを余す事無く収納に入れる。んー、あんま熱くないな。しかも肺活量少なすぎだろ。もう終わりかよ。アンのブレスより一回り劣るな。これじゃゴブリンは一撃でやれてもオークは難しそうだな。トロールは無理だ。

 問答無用で襲いかかってきたからには敵。僕はハンマーを両手で握り右後方に引き絞りながら一直線に駆ける。そしてあいさつ代わりにドラゴンの前足を薙ぐ。


 ガキン!


 硬質な音に弾かれる。おかしい。まるで固くて分厚い壁を殴ったかのように、全く打撃が通った感が無い。黄金竜でさえ少しは感触があったのに。

 と、思った時には僕はぶっ飛ばされていた。何だ? 体中が痛い。何が全身に刺さっている。赤銅色の破片みたいなのが体に刺さっている。収納からエリクサーを出してかぶるが、刺さってるとこは治癒しない。


 ドドドドドドッ!


 ドラゴンが巨体を震わせながら迫り来る。


「ザーップ!」


 駆けて来たマイの差し出した手を掴む。ギリギリのところでドラゴンをかわし、僕とマイは地面を転がる。立ち上がったマイに手を引かれて立ち上がる。マイは僕に刺さった破片をガツガツ抜いてくれる。僕も破片を抜く。痛ぇ。腹を貫通して頭が飛び出してる破片を抜く。当然エリクサーは浴びている。


「何が起こった」


 駆け抜けた竜から目を離さず聞く。


「ザップが叩いた瞬間、刺が一つ弾けたように見えたわ」


「なんだそりゃ? もしかしてスキルかなんかなのか?」


「ご主人様ーーーーっ!」


 アンがこっちに走って来る。


「思い出しました。カプルソーです。あれはカプルソーです」


「だからなんなんだよ。そのカリプソーって?」


「ザップ、カプルソーよ。カリプソは音楽よ、なんかポコポコしてて楽しそうな」


 さすがマイ。いつでもツッコんでくれる。けどボケた訳じゃない。


「だからカリプソーだろ」


「ちがうってカプルソーよ」


「だから、カリプソーだろ」


「だからカリプソーだって」


「ほら、マイもカリプソーって言った。もう覚えやすいし言いやすいからカリプソーでいいじゃないか」


 なんかこっちを向いたドラゴンは体をブルブルと震わせている。そして、その体がみるみる縮んだと思うと、体を隠した裸の少女。少女を赤い霧みたいなものが包んだと思ったら、赤髪に赤いワンピースの少女が立っていた。


「カリプソーじゃない! カプルソーだ。そんな踊り出したくなりたくなりそうな名前じゃないやい!」


 少女は叫ぶ。よし、計算通りだ。ドラゴン形態では話が出来ないから化けたんだろう。これで交渉できるな。

 


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ