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 限定迷宮 34


 ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーッ!


 突然迷宮が轟音を立て始める。軋んでいる。迷宮が悲鳴を上げてるようだ。

 床に金色に光る文字が現れる。それは床を這い回るかのように描かれていき、縁は大きな円を描く。光の線が走り繋がる。円の中に六芒星。魔法陣。巨大な魔法陣だ。


「離れて下さい!」


 アンが声を張る。けど、その前に僕らは武器を手に魔法陣の中から逃げ出してる。嫌な予感しかしないもんな。

 魔法陣の中央から何かがせり出してくる。赤銅色の岩? いや、まるで剣のような刺が生えている。みるみるそれは大地からせり上がってくる。ドラゴン。ドラゴンだ。全身をハリネズミのような刺に覆われたドラゴン。初めて見るタイプだ。


「カプルソー」


 アンが呟く。


「なんだそりゃ」


 薄々気付いている。


「カプルソー。クソ雑魚ウンコ古竜のカプルソーです」


「ギャオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーン!」


 竜は天に向かって吼える。それを聞いた僕らは体が動かなくなる。しまった。いつもは大丈夫だけど、レベルが低い今は古竜の威圧に耐えられない。足がガクガク震える。心臓を握られたような寒気とともに恐怖が襲いかかってくる。死ぬ。死にたくない。恐れるな! 死ぬ訳が無い! 死んでたまるか!


「うぉおおおおおおーっ!」


 気合いで恐怖を振り払う。怒りで恐怖を打ち消すしかない。


「みんな、思い出せ。今まで一番激怒した事を!」


 僕は叫ぶ。恐怖に囚われたら終わりだ。動けなくて為す術もなくドラゴンに蹂躙される。


「下品な事いうなーーーー!」


 マイが叫ぶ。そして、構える。恐怖に打ち勝ったな。て言うか、今まで一番腹立ったのは下ネタなのか? 何なんだろう? 僕が言った事じゃないよな?


「好きで巨乳じゃないんだ!」


 ピオンが叫ぶ。胸についていじられた事が逆鱗だったのか? そうだな、あんまり見ないようにしよう。


「私の肉を取るなーーーー!」


 アンが一際大きな声で叫ぶ。もう予定調和だな。


 何叫ぼう? 下手な事叫べるないな。


「俺の仲間を傷つけるなーーーー!」


 僕は叫ぶ。綺麗にまとまったな。


 うっ、おかしい。膝の笑いが止まらない。足りない。怒りが足りない。恐怖を打ち消せない! 腹立たしい事、腹立たしい事!?


「俺は短足じゃねーーーー!」


 そうだ。僕の足が短い訳じゃない。僕は至って普通だ。回りのみんながスタイルが良くて足が長いだけだ!


 よしっ! いい怒りだった。恐怖は心から消え去った。


「ひどいなザップ。仲間より短足か」


 ピオンがぼそりぼそり呟く。


「黙れ巨乳」


「やるのか短足」


「ちょっと、ザップもピオンもそれどころじゃないでしょ。来るわよ」


 マイに言われて我にかえりドラゴンを見る。いかん大きく息を吸い込んでいる!


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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