限定迷宮 32
ガガガガガガガガガガガッ!
マイが軽々と振るう巨大なハンマーがゴーレムを殴る殴る殴る殴る。あまりのそのスピードに打撃音がほぼ繋がって聞こえる。そして、マイはゴーレムから距離をとる。
「これでとどめよ!」
マイはハンマーを振り上げ、駆け出し跳び上がり、全身の筋肉を使ってハンマーを振り下ろす。マイの体重ものった一撃はゴーレムの胸の中心にヒットする。
ドゴッ!
鈍い音が響き、ゴーレムは打撃が当たったり所からヒビが入り崩れ去る。
『マイはレベルアップしました。剛力スキルのレベルが上がりました』
機械的な言葉が頭に響く。今さらながらこれって誰の声なんだろうか?
「よっしゃーーーーっ!」
マイはハンマーを天に突き上げる。これでみんなゴーレムを単独撃破できた。
僕、アンは腕力にものを言わせて、結構簡単に単独でゴーレムを倒せたんだけど、非力なマイとピオンは時間がかかった。ピオンは水操作を使って転倒したとこを上からぶっ叩いての踏みつけ2倍威力作戦でなんとか倒したけど、マイは正攻法しか無かったから威力が足りず手こずった。そして考えて、連打でゴーレムにダメージを蓄積させてから思いっきりぶっ叩く作戦でやっと上手く行った。
まあ、収納スキルが本来通り他人にも貸し出せるのなら問題ないんだけど、それは制限されたままだ。
1人がスライムを狩り続けレベルアップしたら交代を繰り返し、数時間おきに出てくるゴーレムと戦う事を繰り返した。収納からテーブルやベッドなども出して、あと部屋の隅には仕切りを出して風呂場やトイレも準備してある。何かあった時のために一通りのものは収納に入ってるし、確認してないけど、1年くらい迷宮に潜っても問題ない量の食料とか物資も入っている。もうこうなると我が家と変わりない。戦ってない三人でカードゲームやボードゲームをしたり、ご飯作ったり、トレーニングしたり、ほぼいつもの生活だ。迷宮の中だけど。
最近働いてばっかだったからいい息抜きだな。
テーブルでコーヒーなど飲みながら次はアンが戦ってるのを眺めている。レベルアップして、収納のタブレットを出せるようになったので、それで中身を確認する。ここでドロップしたもののリストを開く。マイが鑑定して、だいたいの売値も打ち込んであり、合計金額も見られるようになっている。その金額は軽く金貨200枚超えている。まあ、悪く無い稼ぎだな。売るのが面倒くさいから後で魔道都市にもってってジブルに売って貰おう。ここまで稼げてるのは、たまに魔法の武器がドロップするのが大きい。普通のダンジョンでは踏破して1個か2個くらいなのに、ここではごく極意稀にスライムが落とす。なんて最高なんだ。その金額を後ろから見てるマイも嬉しそうだ。
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