表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1820/2115

 マッシュの手 4

 申し訳ございません。まだまだ続きます。


「そうそう、それよか、それなんなの?」


 ジブルがまじまじと『マッシュの手』を見る。


「それはこっちのセリフだ。これ、なんなんだ?」


 また、ジブルが幼女らしからぬしかめっ面をする。シワになるから止めなさいよ。


「ちょっとちょっと、ザップ、あんた私を辞書か何かと勘違いしてない? そんな氷づけの手首みたいなものが何かって聞かれても知ってるわけ無いじゃない」


「なら、調べてくれよ。これ、マイ言うには魔道具らしいんだ。魔道具と言えばジブル。ジブルと言えば魔道具だろ」


「しょうが無いわねー。けど、私は魔道具じゃないわよ」


 とか言いながらもジブルはタブレットを出して検索し始める。僕らは使えないけど、ジブルのタブレットは進化してて、魔道都市アウフの図書館の本の内容が全てタブレットに入ってるそうだ。それから検索して色々調べてくれる。ジブルは否定したけど、僕らにとってジブルは情報収集の魔道具みたいなものだ。


「あっ、あったわ。『マッシュの手』?」


 おっ、さすが。ヒットしたみたいだ。これで、この謎物体が何なのか分かる。マイが言った新種の魔物だったら笑うな。


「『マッシュの手』。墜ちた城のサムズ王朝時代の稀代の魔道具職人、ゲルギア・ガルの作った魔道具。当時、巷を騒がせた義賊マッシュの右手から型取りした手のレプリカを高硬度の魔道水晶でコーティングしたもの。効果はこれを見ている者は盗みを働けなくなる。ガルは商人からの依頼でこれを作ったが、これを展示した店はことごとく潰れたという。実は今の魔道では解析出来ない呪いがかかってるのかもしれない」


「よっしゃーっ!」


 アンがガッツポーズする。


「ほらほら、私が言った通りでしょ。少し細かいとこは違いましたけど」


 んー、なんか納得行かないな。アンなのに。


「もしかして、アンちゃん、知ってたんじゃないの?」


「へっ?」


 今の虚を突かれたような顔。うん、知ってたんだな。


「お前、墜ちた城に行った事あるのか?」


「んー、そうですね。おぼろげに昔、空飛ぶ城下町に行った事あったような?」


「えっ、まじ、あんた現役だった時の墜ちた城の話聞かせてよ!」


 ジブルが食いついてくる。


「それ、後でいいじゃない。で、この気持ちよ悪いのどうするの?」


 マイが『マッシュの手』を指差す。


「ここに置いときゃいいんじゃない? そしたら、誰にも盗まれないわよ。マイの大切なもの」


 ジブルが言うマイの大切なものってなんだろう? お金?


「いや、大丈夫だと思う。これ、ジブル持ってってよ。レプリカでも気持ち悪いわ。さっきの話って酷いわね。こんなのお店に飾ってたらお店潰れるって当たり前じゃない。気持ち悪くてあたしでもそんな店二度と行かないわ」


 ジブルがマイに答える。


「そうね。魔道士って、専門バカ多いから、そんな事気付かないのよねー」


 そして、『マッシュの手』は魔道都市に引き取られて行った。意外に高い金額で買って貰えたので、その一部は肉屋のおばさんに還元してあげた。なんで、そんな物体が肉屋に渡って来たのか謎だけど、調べるまでもないかな。


  『マッシュの手』Fin




 私が見た夢から考えた話です。夢の中で、ザップさんとマイさんたちが、謎手首をみてわいのわいのしてました。


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ