マッシュの手 3
時間が無くて短いです。今日、明日には完成させます(T_T)
少し追加しました(^-^;)
「ご主人様、次は殴りますからね」
アンはそう言うと『マッシュの手』をテーブルに戻す。そしてそれをコツコツ叩きながら口を開く。
「お二人とも、良ーく見てください。まずは、これ透明ですよね。と言う事はこれは手を見せるために作られたものだと思われます」
切り落とされた手首を見せる? 趣味が悪いな。さらにアンは続ける。
「手首を切り落とすと言うのは、昔から行われて来た刑罰の1つです。だいたい盗みを働いた者に下されるものです。ですから、多分これはマッシュと言う盗賊の落とされた手で、それをこうやって固めて盗難が多い店とかに飾る事で、盗みを防ぐ効果があるのではないのでしょうか?」
珍しくアンがまともっぽい事言っている。もしかして、たまに顔を出すアンの裏人格が出て来てるんじゃないだろうか? けど、このサイコパス具合が人間じゃなくドラゴンっぽいな。
「そんなもの店に飾らないだろ。盗みは減るかもしれんが、それに合わせてお客さんも減るだろ。試しに、隣のレストランの会計場所にでも置いてもらってみるか?」
僕は素直に思った事を口にする。
「多分、嫌がられるわよ」
マイが答える。
「そもそも隣は盗難があったとか聞いた事ないしね。それにアンちゃん、それ魔道具なのよ。それで効果は何なの?」
「そうですね。人を不愉快にさせる?」
アンもこれみて不愉快なのか。食べようとしてたのに。
「ただいまー」
あっ、ジブルが帰って来た。やっとこれが何か答え合わせができるな。
「うわ、なにそれ」
帰って来たジブルは『マッシュの手』をみるなり顔をしかめる。見た目幼女だけど、幼女ってこんな複雑な表情しないよな。しかめっ面にアラサーがにじみ出ている。まあ、けど、そりゃそうだ。テーブルに生手首が置いてあれば僕も気分を害される。
「なにそれ、あ、もしかして、ザップ、あんま手癖悪いから手首誰かにちょん切られたの? もう、だれこれ構わず口説きまくるから」
「おい、人聞きが悪いな。俺がいつ誰をどこで口説いた?」
「ええーっ、忘れたの魔法使いが欲しいからって無理矢理私をここに住まわせたのに」
うわ、あざと。そんな顔で表でそんな事言ったら、即、事案だ。決して僕は幼女を口説く趣味は無い。
「無理矢理お前が押しかけてるんだろ。ただただマイの飯目当ての癖に」
「しょうが無いじゃない。私、ご飯作るの苦手なんだから。ほら、良く言うでしょ。知性と料理の腕は反比例するって」
ん、なんだそりゃ。確かに魔道士とか学者的な人は料理下手多い。知り合いの死霊魔術師のレリーフとかは、いつも納豆ぶっかけた謎料理ばっか食ってるしな。
「ちょっと、ジブル、それ酷くない? それじゃ、料理得意な人は頭悪いって言ってるようなものじゃない」
あ、マイ様が不機嫌に。
「あ、決してマイの事言ってる訳じゃないのよ。学術に没頭してる人間って専門バカが多くて、食事をただの作業って思っててロクな者食べてない人が多いって事よ。私も昔そうだったし」
まあ、そう言ってるけど、ジブルは僕よりは料理は上手いと思うけど。




