芸忍者 4
「ピオン、話が進まないから、押さえて」
「はーい。マイ」
なんだかんだで、ピオンはマイのいうことを聞くようになってる。
「で、あなた、ナナフシさんも。まずは座って」
「はいな」
ナナフシもテーブルに着く。なり、次はテーブルに頭をつく。
「ピオン姉様申し訳ございませんでしたあああああああーーーーっ」
うわ、みるみる水がテーブルに流れる。こんなに涙出せるのは特技って言っていいだろう。凄い。
「だから、もうええわ。うちらが待ってただけや。けど、丸なったゆーたのはゆるさへん」
「申し訳ございませんでした。ピオン姉様はまったく丸くないです。むしろ丸と言うよりひょうたんです。逆さまにした」
ん、絶対このナナフシってやつ悪いって思っては無いだろ。煽ってくるなー。
「逆さまにしたひょうたん? 次うちの体型ディスったら、逆さまにして口から手突っ込んでガクガクいわしたるわ!」
「それ、性癖ですかぁ?」
カクンとナナフシは頭を上げる。
「そないなわけあらへんやろ。誰がそれで喜ぶねん」
「私、プリンお姉様とだったら」
ナナフシは頬に手を当てて顔を赤らめる。確かに顔芸すごいな。
「それは、お前の性癖やろ。うちを変態の世界に引きずり込むな。どこの世界に口に手突っ込まれて喜ぶ奴が居てるんや」
「口は口でも」
「待て、ナナフシ。それ以上ゆーたらあかん」
プリンはマイをチラ見する。
「うちらは健全をうりもんにしてるやろ」
「え、プリン姉様、何言ってるんですか? 口って言っても色々あるじゃないですか私は肩口とか袖口って言おうとしたんですよ。で、姉様、姉様はどんなお口を想像されたんですか。あー、嫌ですねー。ムッツリは。忍者ってムッツリですもんね」
「この話はもう終わりや。ナナフシ、お前今、全世界の忍者敵にまわしたで!」
「え、ピオン姉様ってムッツリじゃないんですか? じゃ、露出狂! 今日もミニスカですし。もしかして、下穿いてないとか……」
「そないな訳ないやろ。穿いてるに決まってるやろ。お前じゃあるまいし。もう、なんでもお前は極端なんや。もう、疲れたわ。いい加減にしなさい。ほなさいならや」
プリンはテーブルに突っ伏す。本当に疲れたんだろな。お疲れ様だ。
「「パチパチパチパチ」」
結構な拍手が起こる。完全アドリブのストリート漫才にしては面白かったもんな。そして、何故か僕らには頼んで無いのにジュースが運ばれてくる。
「お兄さんお姉さん、ここじゃ面白かったら飲み物サービスして貰えるんですよ。自己紹介まだでしたね。私の名前は『ナナフシ大魔神』です」
こんな可愛らしい女の子がなんで大魔神なんだろう?
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