芸忍者 2
関西弁もどきの、誤字脱字修正、特にネイティブの方お待ちしてます。うちはえせさかい(^-^;)
「『ザ・ブーム』のカインさんいてますか?」
ピオンが受付嬢さんに尋ねる。『ザ・ブーム』。なんか芸人と言うより歌ってそうなコンビ名だな。
「『ザ・ブーム』さんは、今、連合をどさ回りしてて居ないです」
「そっか、アイツらがどさ回り。偉くなったもんやね。じゃ、『ジギス・タリス』は?」
ジギス・タリス? ジギタリスからとってるか? なんかお腹壊しそうな名前だな。あ、面白くて腹筋よじれて痛くなる的な願掛けなのか。けど、毒草の名前だから、めっちゃ毒吐くんだろな。
「『ジギス・タリス』さんもどさ回りです」
「えー、『ジギス・タリス』もどさ回り? アイツらもえろなったんやな。今度飯おごってもらお」
ジギタリスに飯奢ってもらう? なんか毒盛られそうだな。あ、ピオンは毒に対して無敵だったな。
「じゃ、『ナナフシ大魔神』は?」
「『ナナフシ大魔神』さんは、今日は夕方ライブですけど、さっき通りましたよ。多分打ち合わせじゃないですかね。確認しますので、少々お待ちください」
受付嬢さんは、スマホみたいなもので話し始める。もしかして、商業都市ではスマホが普及してるのか? これって確か異世界のオーバーテクノロジーのはずなのに。
「プリンさん、ナナフシさんは今会議中で、30分後くらいには体が空くそうです。マネージャーに言づてしましょうか?」
「うん、うちが話したがってるって言っといてや。うちらはカフェにおるから」
そう言うとピオンは、奥に向かって歩き始める。勝手知ったる感じだな。コイツどれだけ『ザ・忍者』やってたんだろう。
僕らは事務所1階のカフェでコーヒーを飲んでいる。ここは一般解放されてるらしく、結構人が居る。メニューには『まず汁』とか『辛汁』とか果てや『泥水』とかネタメニューもあるが、決して手は出さないぞ。
「で、プリン。ナナフシってどんな人なの?」
さらりとマイが問いかける。ピオンに一瞬青筋が浮かぶ。けど、黒歴史も歴史だよ。
「そやね。ピン芸人や。顔芸特化の出オチオンリーの奴や」
「で、プリン。どんな関係なんだ?」
ピオンに青筋がピクピクたつ。
「里での年下で、事務所の後輩よ」
「プリンはプリンが好きなのか?」
アンが嬉しそうに問いかける。ピオンはガタンと立ち上がる。
「プリンプリン言うなや。好きでそないな名前つけてたんちゃうわ。それに顔隠してたって言うたやろ。そない連呼したら、顔バレしてもうやないか!」
「プリン……」
「プリン……」
あたりのざわめきに「プリン」って言葉が混じる。
「盛大に顔バレさせたのは、お前だとおもうぞ」
僕は冷静にとどめを刺す。
「おどれら、ぶっ殺す!」
顔を真っ赤にしてピオンが暴走し始めた。




