商業都市メダリオン
僕らはピオンに絨毯を運転してもらって岩山に着地する。メダリオンに魔法の絨毯なんかで行ったら金持ちだと思われてめっちゃたかられるらしい。もしかして、商業都市も盗賊都市みたいに治安悪いのか? ピオンは目立ちたくないと言う事で、いつもの黒装束から、ミニスカとシャツに換装している。僕らも倣って普通の服装だ。最近はみんな収納スキルを使っての服の交換に慣れてるので、着替えると言うより換装って言葉の方がしっくりくる。便利だけど、なんか風情が無い。どうでもいいけど、黒装束は怪し過ぎるけど、女性的な魅力に溢れたピオンの格好はある意味目立つんでは無いかと思うが触れないどく。それで着替えられれたりしたら、せっかくの目の保養が無くなるかもしれない。
しばらく歩いて、石畳の街道に入り進んで行くと、先に建物が見え始める。城壁だ。これまでの諸国連合の街同様に城塞都市なんだな。まあ、今は平和だけど、昔は都市国家で戦いまくってたと言うからその頃からの名残だろう。
「ザップには注意して欲しい事がある」
ピオンが振り返って僕を見る。
「なんだ?」
「メダリオンの人たちは私たちと少し言葉が違う。関西弁や商業弁って呼ばれているんだけど、聞き慣れない人には好戦的や馴れ馴れしく聞こえる事がある。決して喧嘩売ってる訳じゃなく方言だから会話程度で怒ったりしないで欲しい」
コイツは僕の事をなんだと思ってるんだ。そんな事言われなくても、話してる程度でキレたりはしない。けど、なんか個人的には商業都市出身じゃないのに関西弁で喋ってる人はイキってるみたいで好きじゃない。王都にも商業都市出身のコメディアンは結構いるから、僕も関西弁は結構聞いた事はある。
「そうねぇ。ザップならあり得るわ」
うちで一番沸点が低いマイが何か言ってる。
「おいおい、俺を狂犬みたく言うなよ。いつも穏やかだろ」
「うん、穏やかよね。で、ピオン、商業弁で話せるの?」
「うちはあんま得意分野やない」
得意じゃないって言ってる割に、ピオンのイントネーションが変わってる。逆に女の子の関西弁ってええわぁ。
「じゃ、ザップになれてもらうために、しばらく関西弁でいくっちゃ」
「マイ、マイ、それは違うで、『ちゃ』って下に付けるのは、南国弁や」
「なにゆーてんねん。うちはボケだだけさかい」
めっちゃマイはえせ関西人だ。きょうび~さかいって言うのあんまり聞かないな。けど、南国弁の~ちゃって言うマイも可愛いなぁ。
「ほな、はよいこかー」
ゲッ、アンも関西人になってる。僕も関西人にならにゃあかんのか?
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