始まりの場所 4
「何すんのよー!」
隣の部屋からミーの怒声。なんか久しぶりだな。そして、ほっぺたに赤い手形を付けたパムがミーと一緒に部屋に入ってくる。
「ミー、おかえり」
「よかった」
僕とライは椅子から立ち上がる。
「ほんと、一生収納の中から出られないかもって思ったわ。ありがとう」
せっかくのチャンス。ミーに抱き着いてやろうとするけどかわされた。
「で、パム、お前何したんだ?」
「そりゃ、個室で男と女が2人っきり。野暮な事きくなよ」
パムが低めの声を出す。ハードボイルドなイメージなのか?
「何もされて無いわよ。コイツいきなりお尻触ってきたのよ」
なんだと! 腐れパムがっ! 僕のお尻を!
「しょうが無いじゃないの。そんな綺麗なお尻が目の前あったら触っちまうよ」
僕はパムの頭を掴む。
「よかったな。お尻で、おっぱいだったら、ここでぶっ飛ばしてるとこだぞ」
「ごめんごめん。カナンさんの愛人って知ってたらそんな事しないよ」
「愛人ちゃうわ!」
ミーがつっこむ。うん、僕の中では愛人って言うより嫁だ。早く男で生活したい。
「じゃ、次の人いってくるよ」
そして、パムそそくさと逃げてった。そして、隣の部屋に置いてあるミーのポータルから仲間を出して癒していく。
「おいっ。何しやがる」
べっちーん。
アムドさんはお尻を触られたそうだ。
「きゃっ! 信じられない!」
ぼこっ!
レイは後ろから抱き着かれて揉まれたそうだ。
「何すんのよーーっ!」
ゴスッ!
マリンは正面から抱き着かれたそうだ。
「おでには、歓迎は無いのか?」
「何もしねーよ」
先生とパムが部屋に入ってくる。これで全員復活だ。けど、パムは顔がパンパンに腫れている。コイツの力だったら女の子のビンタくらいかわせるはずなのに。
「ていうか、お前、よく初対面の人にセクハラできるな」
僕は初めて会った人と話せるようになるには時間かかるのに。
「カナンさん、オイラだって好きでやってる訳じゃないよ。なんかみんなしんみりしてるから少しでも元気になって貰おうと思ってだよ」
絶対嘘だ。欲望の赴くままに動いただけだろう。まあ、だけど、僕らはパムに礼を言ってテーブルを囲む。僕の主目的が達成されちゃったからな。
「パムのお陰で、なんとかなったけど、僕はここの最下層まで行ってみようと思う。ザップみたいにエリクサー使えるようになりたいし、ディーがアダマックスって奴と会いたいみたいだからな。みんなはこれからどうするか、しっかり考えて答えを出して欲しい」
僕の言葉に、みんな考え込む。




