原始の迷宮太古の迷宮 4
「やっぱフロアボスも居ないなー」
地下九層の物々しい扉は開いていて、奥の大部屋には何も居ない。僕らはそこを通り抜け下層へと向かう。
「ここからはゴブリンが出るよ。まあ、けど、雑魚には用は無いから最短距離で行くよ」
僕らはパムについていく。正直ただ歩いているだけだ。けどパムが居て良かった。僕たちだけだったらこうも早く進めなかっただろう。パムは迷う事無く進んでいく。何組もの冒険者パーティーとはすれ違ったけど、全く魔物には遭遇しない。
「地下十九層までは、完全に攻略されてるからね。ゴブリンのリポップ時間まで公表されてる。だから、まず魔物に会う事は無いよ」
そう言えば、部屋の隅でボーッと座ってるパーティーもいた。もしかして、ゴブリンの発生を待ってたのか?
そんなこんなで何事も無く。地下十九層。ここまでには、ゴブリン、ジャイアントウルフ、ホブゴブリンなどが出没するらしいけど、全く遭遇してない。ただの散歩かよ。
ここも大きな扉は開けっ放しで大部屋の中には一組の冒険者パーティーが座っている。なんか床に赤いバツ印が書いてある。
「どんくらい待ちなの?」
パムが声をかける。どうも顔見知りみたいだ。
「あと2時間です。大丈夫ですよ。俺らゴブローくらいいけますから」
戦士、神官、魔法使い、盗賊っぽいパーティーだ。使い込まれた武器と鎧。もしかしたら結構名が売れたパーティーなんじゃないだろうか?
「じゃ、頑張りなよ」
「「はいっ。ありがとうございます」」
僕らはまた下層へと向かう。
「ゴブローって何なの?」
僕と同じ疑問をライが口にする。
「ゴブロー? そのままじゃん。ゴブリンロードの事だよ」
ゴブリンロードって結構強いんじゃないか? なんかゴブローって呼んだら弱そうだな。確か帝都ではゴブリンロードの討伐は高位冒険者や騎士団がやってたような。
「あの人たち、大丈夫なの? ゴブリンロードって強いでしょ?」
ライが問いかける。心配してるというか、戦いたいのじゃないだろうか? 斧、手にしてるし。
「大丈夫だよ。ゴブリン、一度に結構湧くけど、ロードが湧く場所決まってるから、あ、あの赤いバッテンね。湧いた瞬間にロードをタコ殴りにしたらあとはゴブリンだけだから。楽勝だよ。なんだかんだで、ゴブローを難なく狩れるパーティー結構いるからね」
なんかえげつないな。討伐と言うかもはや作業だな。ゴブローがなんか可哀想だ。
「これから先は中級者エリアだから、気をつけてね。オークが出てくるよ」
オーク? オークって確か豚人間だよな。これでやっと迷宮っぽい事を出来るのだろうか?
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