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 王国へ


「そうだな。しばらく大人しくしとくか。なんか激しい戦いありそうだもんな」


 タイガーが近づいて来て手を伸ばす。爪の事が頭をよぎりビクッとしてしまう。けど、その手は僕の頭をワシャワシャしただけだった。


「じゃーな。嬢ちゃん。おーい、待ってくれよ」


 タイガーは、小走りでシープを追っかけていく。ライがぽんぽんと僕の肩を叩く。まあ、もう二度と彼らとは会う事は無いと思う。んー、そう言えば、あいつらには、僕が男だって言えずじまいだったな。けど、薄々気付いてたんじゃないだろうか? コナンの姿で1回は戦ってたからな。まあ、今となっては分からないけど。


 僕たちは、シープとタイガーの背中が見えなくなるまで何も口にしなかった。


「あいつら行っちまいましたか?」


 木陰からモヒカンたちがゾロゾロ出てくる。口を開いたのは確かリーダー。まあ、気配がしてたから、多分モヒカンたちだろうとは思ってた。タイガーたちが居なくなって安全だと思ったから出てき来たんだろう。僕らは座って、今までの事をすり合わせした。

 モヒカンたちは忍者軍団がやって来て交戦しようと思ったとたん眠らされて、気付いたら忍者は居なかったから森の中に逃げ込んだそうだ。犠牲が無くて何よりだ。

 僕らは仲間が瀕死で収納に入ってる事のあらましを説明して、ディーの事を紹介した。


「俺らはまだまだ弱いから、この迷宮で修行しようと思います」


 リーダーはそう言うと頭を下げる。それに残りの奴らも合わせる。


「なんか、迷宮の管理者が性格悪いスケルトンに変わってるらしいから、めっちゃ慎重に行動しろよ」


 一応注意して、あとはディーからモヒカンたちに階層の魔物の特徴とか教えてもらった。まあ、さすがにモヒカンたちは最下層まではたどり着かないとは思うけど。

 そして、僕らはモヒカンに別れを告げ、帝国の南東の王国へと向かう事にした。

 そう言えば、先生の声が全くしない。収納のタブレットを見ると『先生 睡眠』と書いてある。もしかして、眠ってる人を収納に入れたら起きないのか? まあ、先生も疲れてるだろうし、旅する上では先生は暴れまくるから戦いになるまで寝てて貰おう。

 王国に向かうにしても、僕は地理は分かんないし、ディーも当然。ライもそこまで詳しくない。まずは森を抜けて街道に出る事にした。


「お前、石像から戻れよ。重い」


「カナンは中身男だから気になんないと思うけど。ウィッグとつけま無いなら絶対に嫌!」


 僕はすぐにバテたライを背負っている。重い。石像を背負って歩くってなんの苦行だよ。


「ディー変わってくれよ」


「すまんが、わし、そんなもの持って歩けんぞ。ドラゴンに戻っていいなら簡単だけど」


 魅力的な提案だけど、それは無しだな。ドラゴンが歩いてるのを誰かに見られたら、間違いなく帝国騎士団が派遣される事だろう。絶対面倒くさい事になる。


「駄目だ。目立ちたくないからな。しょうがないこのまま行くぞ」


 僕たちは走る。王国を目指して。みんなを助けて、自分自身が何者なのかを調べるために。


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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