エンシェントドラゴン 6
「ねー、なんで私は水なの、酒出しなさいよ」
シープが絡んでくる。面倒くせーな。
「おらよ」
モヒカン特製どぶろくを出してやる。モヒカンたちが穀物を噛んで作った、モヒカンエキス入りの気持ち悪い酒だ。
「しけてんわねー」
文句言いながらもシープはグビッと煽る。
「なかなか美味しいじゃない。何が入ってるの?」
「いいもんだよ」
本当の事を言ったら、シープは激怒して眠らされかねないな。
「けど、なんつーか。不思議な感じだな」
タイガーが呟く。
「なにがよ?」
シープは口に食べ物入れたまま話す。こいつ動物みたいな奴だな。
「まさか、ドラゴン見ながら酒盛りする日がくんなんてな」
「それな。まあ、どうなるか分かんないけど、今は安全って事は確かだな」
目の前で寝ているドラゴンを見る。白くて綺麗だ。まあ、さっきまでの事は忘れて、今だけはゆっくり食事を楽しもう。僕らは、たわいない話とかしながら、ゆっくり食事した。
「で、これからどうすんだ?」
頬杖をついてタイガーが口を開く。床はイミテーター汁でグチョグチョなので、僕らは椅子に座って机に突っ伏している。お腹いっぱいで眠くなってくる。ちなみにライは床に寝たまま起きてこない。さすがに放置は可哀想なのでそばまで持って来た。相変わらずおでこにミーのポータルがついている。シープはうつらうつらしてて、ドラゴンも目下爆睡中だ。
「とりあえず寝るか?」
僕は手作りベッドを3つ収納から出す。
「なんかあったら、起こしてくれ」
僕はそう言ってベッドに横になる。今の言葉は、タイガーとシープだけじゃなく、収納の中のミー達にも聞こえたはずだ。ライを立ち上がらせて、ドラゴンの方にミーのポータルを向ける。
「お前、こんな状況で良く眠れるな」
シープが何か言ってるけど、彼女はさっきから間違い無く眠りに落ちてた。
「タイガーも眠りタイガー」
タイガーもベッドに転がる。僕の駄洒落を気に入ったみたいだな。
「あんたたち、危機感なさすぎよ。けど、私も寝よ……」
シープが何か言ってるけど、最後まで聞き取れなかった。
◇◇◇◇◇
「おい、お前たちおきろ!」
誰かが体を乱暴に揺する。
「待てよ。まだ眠いって」
僕は再びまどろむ。
「起きろっ! 小娘っ!」
ゴッ!
「いってー! 何しやがる」
頭に激痛で飛び起きる。星がチカチカ飛んでるぞ。目の前には真っ白な髪の毛の少女。あ、ディアシーだ。
「揃いも揃って心臓に剛毛でも生えてるのか? 迷宮の深く、しかも迷宮主のワシの前で酒飲んで寝るとは」
ディアシーは、腰に手をあててプリプリしてる。何をそんなに怒ってるんだ?
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