表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1723/2122

 エンシェントドラゴン 2


「ゴォオオオオオオオオオーーーーッ!」


 竜の口から唸りと共に吐き出される炎の塊。それが川の流れように僕に迫り来る。どうすればいいか体が動く。右手を突き出しそれをことごとく収納に入れていく。自分で自分がした事に驚く。こんなものも収納に入るのか! 長く感じる時を経て、竜の息吹は止まる。


「いきなり何すんだよ!」


 僕は収納からハンマーを出して駆け出し、どうにか攻撃が届く所、竜の前足向かって薙ぎ払う。


 ギンッ!


 硬質な音を立ててハンマーが空中で止まる。僕の攻撃は透明な板のようなものに阻まれる。円形の輝く水晶みたいなもの。けど、水晶と違うのはギラギラ光っている。丸盾、ガラスみたいな丸盾だ。押してもびくともしない。ハンマーを引いて再び殴りかかるが、先の盾は消えて、またもや新しい盾に阻まれる。


 ブゥオン!


 僕を薙ぐ竜の腕、大きく飛んで後ろにかわす。収納から投げ槍を出して竜の顔目がける。


 キン!


 乾いた音を立てて、槍は空中に浮かんだ盾に落とされる。これがディアシーが言ってた金剛の盾か? 確か金剛ってめっちゃ固い物の事だよな。ライを使って固さを試してみるか? いや、ライの頭が砕ける未来しか見えない。さすがに可哀想だ。


「嬢ちゃん、加勢しようか?」


 タイガーの声がする。


「タイガー、大丈夫だ。それより、シープの特技は効かないのか?」


「やってるが弾かれてる」


 シープと竜の間にガラスのような盾が出たり消えたりしている。まじか、シープの謎の睡眠攻撃も効かないのか。


 いい。とてもいい。


 と言う事はディアシーをどうにかして仲間に引き込めばシープを無力化する事が出来るな。あの生意気なクソガキに、生お尻ペンペンかましてやる!


 ギーン!


 ギーン!


 ギーン!


 僕の渾身の一撃はことごとく竜に届く前に透明な盾に阻まれる。しかも武器が負けて変形してきた。振るわれた竜の腕、尻尾、顎をかわす。そうだカウンター。僕に向かって噛み付いて来ようとする竜の鼻っ柱に拳を合わせる。


 ゴンッ!


「いってーーーーっ!」


 思いっきり殴ったが、竜の鼻先に現れた透明な盾を思いっきり殴ってしまった。左手はなんとか砕けてはいないようだけど、めっちゃ血が出ている。金剛の盾、固すぎだろ。素手での攻撃は無しだな。


 ハンマーで殴る、盾で防がれるを延々と繰り返していく。そして、たまに放たれるブレスを収納にしまっていく。らちがあかない。もしかして盾を出す回数に制限があるのかもと期待したけど、それはなさそうだ。僕は少しづつ疲れて来てるけど、竜は変わらない。そう言えばディアシー、お腹減ったとか言ってた割には良く動けるな。 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ