下に向かう?
「ねぇ、降りてみない?」
部屋の中央の階段をミーが指差す。まずはフロアの構造を調べるために、宝箱は無視して進んで来た。これまで来た道はマリンが地図を書いている。
「じゃ、多数決だね」
僕は即座に言う。このままだと、ミーのゴリ押しで地下3層に行く事になりそうだ。次のフロアには何が出るか分からない。もう少し強くなってから進んだ方が無難だろう。ミミックより強い敵が出てくるなら、ミーもマリンも足手まといだ。
「降りたい人ー」
ミーの言葉に僕以外が手を上げる。まじか。
「おい、マリン、なんでだよ」
「私の魔法じゃミミックとは相性悪いわ。やっと新しい攻撃魔法使えるようになったから、試したいのよ」
ちなみに、前に聞いたところ、マリンが使える魔法は、必中の魔力の矢を放つ「マジックミサイル」、透明な盾を出す「シールド」、そしていつもの「タッチヒール」の3つだけだ。けど、三つも魔法を使えるのは、しかも回復魔法が使えるのは凄い事らしい。
「で、新しい魔法って、何使えるようになったの」
ミーが尋ねる。
「なんと、ファイヤーボールよ! これでやっと私の攻撃魔法が役にたつわ」
テンション高いな。見た事は無いけど、ファイヤーボールと言う魔法は結構凄いらしい。
「へぇ、凄いじゃない。で、何回使えるの?」
「一回よ!」
マリンはドヤる。確かにファイヤーボールは凄いけど、一回しか使えないならあんまり役に立たないな。
「じゃ、ファイヤーボール禁止ね。使ったらタッチヒールも使えなくなる訳でしょ。そしたら、戻らないといけなくなるわ」
「分かった。分かったわよ。使わない。使わないから」
マリンはニコニコだ。絶対ぶっ放す気だな。
「じゃ、降りるわよ」
僕らはミーについていく。
「ウッドゴーレム?」
ミーが呟く。部屋の中央には変なポーズを取った木の像がある。万歳して片足を曲げて上げている。なんか格好いいポーズだな。
ここは地下3層。階段を降りた次の部屋だ。デッサン人形を人間サイズまで大きくしたような像。間違いなく動き出しそうだ。
「なんか弱そうな奴だな。カナン、行くぞ」
先生は金棒を構える。フラグっぽいセリフだな。
「待って」
それをマリンが止める。ん、どうしたんだ?
「ファイヤーボール!」
マリンは先生の横に出る。その手にした杖の頭の先に発生する火の玉。大人の頭くらいに膨れ上がると、それは木の人形目がけて飛んで行く。木の人形は動き出し上げた片足を付くがもう遅い! 過たずその胸に命中した火の玉は轟音を立て弾け炎を撒き散らす。炎に包まれながら木の人形はヨロヨロと動くが2歩、3歩進むと、倒れ込み動かなくなる。そして炎を上げ続ける。
パキン。パキン。
木が焼け爆ぜる音が響く。
「よし、肉焼くか」
先生の言葉に、僕は収納にしまってある肉串を出す。そして、僕と先生は人形の火で肉串を焼く。なかなかいい薪だな。若干煙の匂いが甘い。




