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 遅くなった見送り


 コンコン!


 ん、なんか玄関の方から音がしたような?


 僕は今、家のリビングでゆっくりしている。マイと、ドラゴンの化身アンと、妖精ミネアがいる。よく喋る蝶のような羽根の生えた小さい妖精だけど、今は人間に化けている。


 ゴンゴン!


 明らかに音がした。玄関の扉のを誰か叩いているようだ。来訪者か?


 こんな荒野の真ん中にある家に何故だろうか?


 盗賊?


 それなら、ノックするはずないな。なら旅人か?


 僕は一応警戒しながら玄関に向かう。


「遅くなりました。お別れを告げに参りました!」


 扉を開けると、そこには見知った顔、少女冒険者のアンジュがいた。その後ろにはメンバーの3人も。


「お前達か、とりあえず中に入れよ」


 薄々そんな気がしていた。4人をリビングに案内する。


 元々広くないリビングに女の子4人も来たものだから、ソファに詰める形になる。スペース確保のためにミネアは小さい羽根妖精スタイルになってアンの角にしがみついてる。僕の隣にはコーヒーを出した後にマイが座った。


「あのですね、サプライズで町の外でお別れを告げようと思ったのですが、追いつけなかったっす」


 アンジュはポリポリと頭をかく。


 まあ当然だろう。ドラゴンの足に人間が敵うはずないからな。見送りに来なかったからなんかするつもりだとは思ったけど、ただしくじっただけだったんだな。

 なんか、ほっとした。もしかしたら、マイ達にはお別れを告げてて、僕だけ無視されたのではと少し思っていた。つい最近4人とも土に埋めてやったばかりだったしな。


「それで、これ、私たちからの気持ちです」


 エルフのデルがマイにお洒落な紙袋に入った物を渡す。


「ありがとう。開けてみてもいい?」


「もちろんです」


 マイにアンジュが答える。


「……………」


 マイは袋から出した包みを開けて中に入ってた服を開けて絶句する。


「ん、どうした。ただのワンピースじゃないか?」


「ザップー、これ何かわからないの?」


 マイがジト目で僕を見る。訳がわからない。


「やたらダボッとした服だな。マイの好みに合わないのか?」


「マイ姉様、ザップ兄様ってもしかしてとてつもなくお馬鹿なのですか?」


 魔法使いのルルも僕をジト目で見ている。


「ザップー、この服、お腹の所がやたらぶかぶかだよね、なんでかなー?」


「ん、マイのお腹が大きくなるのか? 食後のアンみたいに? あ、そうなのか? マイ、子供が出来たのか? 僕の子供か?」


 マタニティドレスかっ!


 僕は動揺して、つい訳がわからない事を言ってしまった。


「子供なんて出来る訳ないでしょ! ザップのばかばか!」


 マイは真っ赤になって僕の頭を容赦なく叩く。地味に痛い。


「え、子供出来たんじゃないんすか? できちゃった婚で新婚旅行じゃなかったんすか?」


 アンジュ達4人は驚いた顔で僕達を見る。そして視線がアンの頭の上に集まる。そうか、また妖精なのか……


「え、あたしは、ザップとマイが家作ってたから、そうじゃないかなーって言っただけよー!」


 ミネアを捕まえようとしたが、距離があったので逃げられてしまった。


 僕とマイは顔を見合わせる。マイは真っ赤だ。僕も顔が熱くなるのを感じる。


 けど、冷静に考えたら傍からみたら新婚旅行にしか見えない事に今気付いた……



 

 

 第二部、誤字脱字やばいです。突っ走ってたですもんね。スミマセン、マメに修正していきます。2022/2/11

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