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 国境に向かう


「ザップ、そろそろ王国を出るわ」


 マイが地図を出して辺りの地形と見比べている。


 僕達は今、のっしのっしと歩く巨大なドラゴンの背に座っている。振動とそよ風が心地よい。


「わかった。アン、そろそろ休憩にしようか」


 僕は僕達の乗っているドラゴンの背中をぺしぺし叩く。アンは歩くのを止めて、僕達はその背中から地上に降りる。さすがに王国を出たらドラゴンに乗っての旅はまずい。目立ちすぎて何か問題が起きそうだ。


 ずっと騎乗してたのでお尻が痛く足がなんかフワフワする。マイもお尻をさすっている。アンの背中は硬く、まるで岩の様だから、長く乗るのには適してないな。今度鞍を作ろう。けど、王国を出たらゆっくり歩いて旅する予定だからおいおいでいいか。


「お腹空きました!」


 アンがドラゴンから人型になる。その体には緑のワンピースをまとっている。魔法の服だ。その服は幻覚のようなものだから、収納から丈の長いコートを出して渡す。日も傾き始めて肌寒くなってきたしな。


「そろそろ、ご飯にするか。準備するからまってろ」


 僕は平坦な所に僕達の家を出す。ここに泊まるのは始めてだ。なんかワクワクする。


 扉を開けて中に入る。入るとまずは新しい家特有の木の香りが出迎えてくれた。僕達はリビングに行きソファにすわる。


「ザップ、タブレット出して」


「ああ」


 僕は収納から予備のタブレットを出してマイに渡す。


「から揚げでいい?」


「から揚げがいいです!」


 マイの問いにアンが速攻で答える。


「なんか、最近よく変身するからやたらお腹空いてですね」


 今日は演出でドラゴンになってもらって乗せてもらって来たが、変身したあとのアンは恐ろしく飯を食べる。一般的な成人男子の5人分くらいは少なくとも食べる。正直食費がハンパない。


 しばらくは可能な限り食料を調達しようと思うが、なんかお手軽や廉価なドラゴン用の食料はないものだろうか?


「まずは、手洗いうがいしましょ」


 マイに促されて僕達はキッチンで言われた通りにする。


「はい、どうぞ」


「「いただきます!」」


 今日のご飯は山のように盛られたから揚げとパンとサラダとスープだ。熱々の状態でマイが収納から出して準備した。マイがタブレットを使えるようになったおかげで僕らの食事事情の品質はかなり向上したと思われる。


 マイが僕の収納の中にかなりの量のいろんな料理をしまっていて、僕はその把握はしていない。内容をみると、今日のご飯は何だろうという楽しみが減りそうな気がするからだ。


「「ごちそうさまでした」」


 から揚げはとっても美味しかったけど、少し食べ過ぎてもたれ気味だ。目の前でアンががつがつ食べるのを見てたせいでもあるだろう。


 食後のコーヒーをいただく。


「ドラゴンって干し草とか牧草とかは食べないのか?」


 さっきの疑問を口にする。


「私は牛馬じゃないですよ。これでもドラゴンですから家畜と一緒にしないで下さい。けど、考えた事も無かったので、今度ドラゴンの時に、試してみます」


 さすがだ、食い意地がはっている。今度農家や牧場で草系を大量に購入しよう。


「ザップ、国境に着いたら何処に行くの?」


 マイが尋ねてくる。


「まだ、今のところ迷って決まってない。マイはどっか行きたい所ないか?」


「んん、そうね……」


 それからしばらく目的地について話し合った。


 目的地は決まらず、まずは国境にある町で情報収集することになった。


 第二部スタートです。よろしくお願いします。

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