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番外編SS 荷物持ち家を持つ

 

 朝起きて、日課の素振りをしながら考える。今日の素振りメンバーは、僕、マイ、神官戦士のミカ、自称北の魔王のリナだ。よく考えると素振りメンバーの中で胸の大きい方からの3人だ。今日はギャラリーが特に多い気がする。


 素振りをしながら考える。


 僕は何をしたいのだろう。


 そうだな、まだ見ぬ土地へ行きたい。


 いろんな初めて見るものを見てみたい。


 まだ、食べた事のない美味しい物を口にしたい。


 まだ、見たことのない魔物と戦いたい。


 いろんな人と出会いたい。


 そうだ、そろそろ暖かくなってきたから、旅に出よう。


 この町はいい所だ。寒くてアンが動きたくないって言い始めたから逗留したが、もともとは少し立ち寄るだけのはずだった。そろそろ出発しよう。まずは、旅立ちの準備だ。満足するまで汗をかいて、僕は素振りを終わらせた。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「そうね、そろそろ旅立ちの季節ね。それで、ザップ、ザップに試して欲しい事があるんだけど、時間作ってくれる?」


「ああ、いつでもいいぞ」


 ここは宿屋の食堂、ジュースを飲みながら、僕、マイ、アンで今後についてミーティングをしている。


 協議の結果、おいおい出発することにして、そのための準備について話している所だ。


「じゃ、ザップついて来て」


 僕とアンはマイについて行く。


 町の中心部を通り過ぎて郊外に歩いて行く。もう、もはやこの町では、僕達はかなりの有名人なので、すれ違う人にジロジロ眺められたりする。子供は手を振ってくれたりもする。

 この町では名が売れ過ぎた。どっか大きな街で群集に埋もれながら、駆け出しの冒険者や荷物持ちのふりして人目を気にせず生きて行くのもやってみたい。まあ、これも色々経験を積んだ余裕から来るのだとおもうけど。


 郊外の建物がまばらな所の一角に僕は連れて行かれた。そこには小洒落たログハウスがある。


「ザップ、ザップの収納って家もはいるの?」


 マイがログハウスを指差す。


「え、家?」


 僕は一瞬呆けてしまう。考えた事もなかった。


「イェー!」


 なんかアンが言ったが聞かなかったことにする。ここで絡んだら同レベルになってしまう。


「ああ、やってみるよ」


 僕は近づき試してみる。果たしてすっかりログハウスは僕の収納に収まり、目の前は更地になる。


「やっぱり、ザップすっごーい!コツコツ貯めたお金で買ったのよ、じゃああとは家財一式を買いに行くわよ」


 それから僕達は町の中心部でベッドや布団や食器棚や食器など家財を購入し、ログハウスに設置していった。


 まさか、家をマイが買っているとは……


 それが収納に入るとは……


 なんか僕ってカタツムリみたいだな……


 そういえば、カタツムリってマイマイって言うよな……

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