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番外編SS 荷物持ち鶏のディアブロ風を食べる


「今晩は、から揚げ以外の鶏肉を食べたいな」


 ふと炬燵こたつで僕は漏らす。初歩魔道書を読みながらふと思いたったので口にしてみた。決してマイがいたからおねだりしたわけではない。いつも結果的にはそうなってしまうけど。

 ちなみにここは宿屋のアンの部屋で、真ん中に炬燵があり、いつもはギュウギュウだけど、暖かくなってきたからか、今は僕とマイとアンしか居ない、


「いいわよ、串焼きと鶏のディアブロ風どっちがいい?」


 マイが見ていた本から目を離し、僕に問いかける。串焼きは解る。ディアブロ風ってなんだ?ディアブロって確か悪魔の事だよな。


「じゃ、ディアブロ風で頼む」


 ディアブロ風って何か解らないが、とりあえずお願いしてみた。見てれば解るだろう。悪魔風と言うからには、それは凄まじい料理なのだろう。すこしワクワクする。


 マイはすぐに立ち上がり、食堂に向かう。僕とアンもついて行く。


 マイは、手慣れた様子で、食堂の料理長に話しをつけて、コンロを借りる。小さな竈の上に調理器具を置くタイプのものだ。マイは竈の上にフライパンを置いて熱する。


「せっかくだから、作り方を解説しながらつくるわ」


 マイは料理が上手い。それもその筈、僕は知っている。マイが町の料理屋に足繁く通ったりしてその技術を磨いている事を。今度王都に行ったら料理の本でも買ってあげよう。


「まずは、しっかり熱したフライパンに油を多めに入れます。あと、鷹の爪を一ついれます」


 壺に入った油をレードルで入れる。そのあと、赤唐辛子を入れる。ここの厨房にあるものを熟知してるな。


「そして、白煙が出る位あったまったら、開いた鶏肉を皮目を下にして入れます。そして、鶏肉の下にも油が入るように一回ゆすります。次は重しでぎゅーっと鶏肉を押さえます。後はしっかり焼き目がついたら裏返してしっかり中まで火が入るまで焼いたら完成です。これからは弱火でじっくり焼くので、つまんないからテーブルで待ってて」


「それで、何処がディアブロ風なんだ?ディアブロって悪魔の事だろ?」


 見ててもわからなかったので、聞いてみる。


「この、鶏肉をぎゅーっとするのが悪魔が攻めてるみたいだからって言われているらしいわ」 


 マイは小首を傾げて微笑む。釈然としないのだろう。僕もなんか釈然としない。マイが押し付けるのなら、悪魔風というより天使風なんじゃ無いかと思ったが口にしなかった。


「じゃ、マイ姉様が押し付けたら、悪魔風というより天使風ですね」


 アンが僕が思った事を口にする。心を読まれたのか?そんなはずは無い。僕は顔が赤くなるのを感じる。とりあえず、見られな無いように客席の方に逃げる。


 運ばれてきた鶏肉は皮がパリッとしててジューシーでとても美味しかった。やっぱ天使風だと思った。


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