番外編SS 荷物持ち 異世界召喚される4
室内探索はすぐに終わった。大きな金属製の扉があったからだ。
「さっきはなかったのに、これは進めと言うことだろうな」
マリーは腕を組んでいる。凶悪な胸がひしゃげている。彼女が近づき扉を押すと簡単に扉が開いた。
「危ない!」
マイが飛びだしてマリーの腕を掴み引き寄せる。マリーの前にはウシオが立ち塞がり、何かを捕まえた。
ウシオの手にはリザードマンが頭を握られている。それを握り潰し遠くに投げ捨てる。
前方には数十匹のリザードマンが見える。これくらいならウシオ一人でお釣りが来るだろう。
「ぐっ!ぐぐっ!」
見るとマリーが胸をおさえて立ったままもがいている。もがきながら服を脱いでいく。なんだ?なんか体が大きくなったような?
下着姿になったときはその胸がどんどん縮んでいき、ブラジャーを外したときには、筋肉質の胸が現れた。そこには股間が膨れたぱつぱつの女物のパンツを穿いた精悍な顔の少年がいた。へ、変態かっ?
「いつもながら、苦しいな……見苦しい所を見せてすまん。僕の名はキラだマリーと同一人物で、女性にじかに触れたら男に、男のときに男にじかに触れたら女になる。最初に説明しとくべきだったかな?」
「なんじゃそりゃ?」
僕は目の前で見ても信じられない。本当は夢でも見てるのか?
「ご主人様、もっこりですよ、ハードなもっこりです!」
「アン、失礼だろじろじろ見るな」
「きゃあ!」
マイは顔を手で覆っているが、間違い無く指の隙間からガン見している。
「すまないが、ウシオの方を見ててくれないか」
キラが指差す方を皆向く。彼は僕らの後ろにまわる。衣ずれの音がして、僕らの前にちゃんと服を着て現れた。
「ウシオ、たまには僕に戦わせてくれ」
キラは歩いていく。
ウシオは軽々と、群れ寄るリザードマンを掴んでは投げ掴んでは投げしている。リザードマンがまるで子供みたいだ。
「アクセル!」
キラの声がしたと思ったら、ウシオの前に現れていた。ギリギリ目で追えた。高速で移動したみたいだ。加速の魔法か?見たことの無い魔法だ。
「マジックミサイル!」
キラの手から出た無数の光の矢が全てのリザードマンに突き刺さり、リザードマンは動かなくなった。これも初めて見る魔法だ。こいつは強い、理不尽なほど。もしかして僕らは要らないのではないか?
「僕はこの変身体質に悩まされてるんだ。君達これについて聞いた事はないか?」
キラは振り返るなり僕らに尋ねる。
僕らは首を横に振る。男が女に女が男に変身するというのは、今まで物語の中でしか聞いた事がない。
「そうだよな、そう上手くいくわけないか……パーティー的にヒーラーがいないから、またマリーになるよ。僕は回復魔法が苦手なんだ。悪いがまた僕の方を見ないで欲しい。恥ずかしいからな」
そう言うと、キラはウシオにタッチして僕らの後ろに行った。
「グァッ!グッ!グッ」
キラが変な声をあげる。、少し見てみたい衝動にかられるが、本人が嫌がってるから我慢する。衣ずれの音がして、僕らの前にマリーが現れた。
「すまない、待たせた。先にいこうか」
うん、さっきのキラは強そうだったけど、マリーの方がいいや、可愛いしな。
「ザップ、ジロジロ見ない!」
「いてっ」
マイが僕の脇腹を軽くつねった。
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今回登場のマリー、牛男、ベルが活躍する、『最弱最強聖女』もよろしくお願いします。下から入れます。
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