番外編SS 荷物持ち 異世界召喚される
本当に番外編です。他作品のキャラクターとのコラボです。軽い気持ちでお願いします。
「ミ、ミノタウロス!」
僕の口から咄嗟に声がもれる。
目の前に女の子二人とその後ろに屈強なミノタウロスがいる。ミノタウロスはおかしな事に服を着ている。
女の子達が危ないと思い、僕は収納から愛用のミノタウロスのハンマーを出しながら駆け出し、上段からミノタウロスに一撃を放つ。
ガシッ!
ミノタウロスに防がれた!
ミノタウロスは片手で僕のハンマーを受け止める。その両足の下の地面が蜘蛛の巣みたいにひび割れて爆ぜる。
僕はバックステップで下がり、次の一撃の準備をする。
「分子分解!」
声に振り返ると、小さい方の女の子の手から出てる光りが僕を包み込む。
魔法か?見たことが無い魔法だ。
油断してた。まさか女の子達が魔物の味方だったとは……
僕の身に付けてたものが、ハンマーを残して全て白い粉になって地面に落ちた!!
何っ!何が起きたんだ?
「物騒な方ですね、いきなり襲いかかってくるとは」
ミ、ミノタウロスが喋った!
「ザップ、多分、敵じゃないみたいね」
駆け寄って来たマイが自分のマントを僕の腰に巻いてくれる。
「僕達は敵じゃない。まずは、話を聞いてくれないか?」
僕の前にもう一人の少女が立ち塞がる。僕っ娘?なんて珍しい生き物なんだ。
少女はまるでこの世の者とは思えないような整った顔立ちに、小柄で痩せてるのに不釣り合いな巨大な胸部装甲を装備している。ついチラ見してしまう。男だからしょうが無いよな……
ここで、じっくり考えてみる。
ミノタウロスが女の子を襲おうとしてたと思ったのだが、そうではなく三人は仲間なのだろう。
勘違いで攻撃してしまったけど、あちらには敵対の意思は見えない。
これは勘違いした僕が一方的に悪いな。
「勘違いした。すまない」
僕は深く頭を下げる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
僕とマイとアンは、しばらく前に起こった、魔物や巨人の大発生の原因を探るべく、異界から巨人を呼び寄せていた門のあたりを調べていた。
その時、急に大地に光る魔法陣が現れて、景色が変わり気が付いたらここにいた。ここは石造りの大広間で床を見ると魔法陣が描いてある。壁に謎の光源がついていて、どうやら多分ここは迷宮の中ではないだろうか?
若干警戒しながら僕達は互いに自己紹介しあった。
超巨乳美少女は、マリーと名乗った。聖女と呼ばれていて主に回復魔法を使えるそうだ。
僕に魔法を放った少女はベルと言う名前でハイエルフというエルフの上位種だそうだ。初めて見た。小柄な体型で目につくのは金色の螺旋状にねじれたツインテールの髪。どうやってセットしてるのだろうか?
それとまるまるぶくぶく太っている。なんか幼児みたいだ。それにエルフって太れるのか?
もう一人?のミノタウロスはウシオと名乗った。二人の護衛のようなものだそうで、見たところマリーに絶対服従みたいだ。
ここは『アルゴノートの迷宮』と言う所で、彼女らはその探索中にここに閉じ込められて、『英雄召喚魔法陣』というものを見つけたので、ベルが起動させてみたら僕達が現れたそうだ。
なんてはた迷惑な話だろう。けど、僕っていつの間にか英雄になったのか?