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第十三話 荷物持ちレベリングする


「え、無理無理、できないわ!」


 マイはぶんぶん首を横に振る。


 順調に迷宮を進み、地下40層に入って何番目かの部屋で、リザードマン3匹と遭遇した。2匹は軽く撲殺したが、1匹は手加減して気絶させた。

 マイの前には気絶したリザードマンが転がっている。


 収納からミノタウロスの斧を出して、マイに首を刎ねるよう指示を出した。


 昔、耳にした事がある。戦闘に参加しなくてもモンスターにとどめを刺すだけで少しは経験値が入りレベルが上がると。

 先に進むためにも、マイには少しは戦えるようになって貰わないと困る。


「無理ならここでお別れだ。お前が強くならないと、いつかは野垂れ死ぬことになる」


 僕は斧を地面に突き立てて、マイに背中を向け歩き始める。


「お願い。置いて行かないで。何でもするわ。だから勘弁して!」


 振り返るとマイは泣き崩れていた。


「首を刎ねろ」


 僕はマイに背を向ける。


 そして歩を進める。






「ウワァアーーーーーーッ!」



 マイの悲痛の叫び声が聞こえる。


 ゴスッ!!


 重い音がして振り返ると、リザードマンの首が斧で断ち切られていた。この斧は重いから持ち上げて降ろすだけで、リザードマン程度の首は軽く刎ねる事が出来る。

 リザードマンは倒してもあまりいいことが無い。持ってるものは脆い武器と腰蓑ばかりだし、ドロップするのはたまにしょぼい薬だけだ。けど、マイの経験値稼ぎには役立ちそうだ。


「よくやった」


「うう! ひっく!」


 泣きじゃくるマイの頭を撫でてやる。触れる猫耳が心地よい。斧の血を拭って収納にしまう。


 僕は歩き始める。


 マイは無言でついてくる。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「休憩だ」


 さっきの要領で、地下43層までのリザードマンを難なく狩り尽くした。


 マイは、始めは斧を持ち上げるだけでやっとだったが、今は素振りが出来るくらいになっている。


 けど、終始無言だ。





「……生きてくためには、しょうがない」


「うん……」


 マイは頷いた。


「食え」


 僕は収納からマイから借りている食器の上にヘルハウンドの不味いステーキを出してマイに渡す。マイのリュックも出して、自分の分の肉も出す。


「コップを出せ」


 コップにエリクサーを満たす。


 マイはナイフで肉を切って少しづつ口にして、エリクサーを飲む。


「この肉、固くて不味いわね。けどとっても美味しい……」


「……お前のスープの方が遙かに美味かった。また作ってくれ」


 マイの顔に少し笑顔が戻った。


 僕たちは食事してしばらく休憩して、次の階層に向かった。




 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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