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 パンデモニウム

 また、久々のライブ書き足しです。スミマセン。時間なくてですー。今日中には……


 なんと、出勤時間間違ってて1時間以上余裕ができましたっ!


 私の名前はミザリー。自分で言うのもなんだけど、しがない町娘だと思う。学費を稼ぐためにアルバイトしながら学校に通っている。いわゆる勤労学生と言われているものだ。

 服が可愛いのと時給がいいので、私は今、『みみずくの横ばい亭』というレストランで働いている。平日は夜だけ、土日は昼から夜まで働いている。やってる仕事は基本的に接客だ。あと、ここのまかないはとっても美味しい。ホールで一緒に働いている女の子たちはとっても優しく、なんて言うか、女ばかりだと自然発生する派閥が無い。それと、お店にいるマスコットの妖精ちゃんもとても可愛い。強いて難点を上げるとすれば、お店の女の子みんな可愛いすぎて私が全く目立たない事かな。けど、私は目立つのはあんまり好きじゃないから関係無いけど。



「ねぇ、ミザリー。隣にこれ届けてくれない?」


 私より確実に年下だけど、ここでは古株のラパンちゃんが大きめのトレイに4皿のランチプレートが乗ったものを私に渡す。確か隣って魔王ザップが住むパンデモニウムと呼ばれる建物。

 ドラゴン、ヒドラ、スケルトン、ワーキャット、マーメイド、あと、北の魔国アシュガルドの現魔王リナ・アシュガルドなど人の手がかすりもしない人外が集まる魔窟。人はそこに畏怖を込めて万魔殿パンデモニウムと呼んでいる。


 特にそこの主である、猿人間魔王モンキーマン・デビルロードについては、嘘か誠か沢山の噂が飛び交っている。


 曰く、ドラゴンと猫耳娘を囲った史上最悪のケモナー。


 曰く、幼女を幾人も囲った、アンタッチャブルなロリコン。


 曰く、どんな所でも服を脱ぎ捨てる、何も恐れない筋金入りの露出狂。


 噂では、魔王と言うよりも度し難い変態にしか思えない。その居城に足を踏み入れる事になろうとは……


 恐れ半分、好奇心半分、私はその魔窟にランチプレートをデリバリーする事にした。


 いつも見ているけど、その建物は普通のログハウスだ。踏みならされた庭があって回りに立ち並ぶ家々が無ければ森の中の別荘みたいだ。

 私はトレイ片手にその入り口の扉を叩く。


「すみませーん。ランチ持ってきましたーっ」


『ありがとう、初めての子ね。扉開けてはいって左手2番目の扉を開けて』


 え、なにこれ。驚いてトレイを落としそうになる。危ない、危ない。何も無いのに両耳の隣から声が聞こえる。魔法。多分魔法だわ。私はちょっと感動しながら言われた通りにトレイ片手に進む。そして、ドキドキしながら扉を開ける。


 ん、何ここ?


 真ん中にテーブルがあってその下にある布団に4人の人物が足を突っ込んでいる。正面には角が生えた美少女がニコニコしながらこっちを見ていて、左手には綺麗な猫耳のお姉さんがいる。右手には10才前後の幼女がいて、手前には唯一の多分男性が座っている。多分、この中で一番偉いのは奥でニコニコしてる女の子だろう。けど、ザップって男だからもしかしたら綺麗な顔の男の子なのかも?


「ザップ、受け取って」


 涼しげな声で猫耳さんが言う。


「ああ」


 手前の男性が振り返る。え、この人がザップ? 無気力そうなそこら辺にどこでもいそうなオッサンだ。臭そう。

 私は前に進むが、今までの緊張とあんまりの想像と現実のギャップについつい足がついてこない。


「うわっと!」


 あっ、やっちゃった。派手に前にコケる。私はなんとかランチプレートを守ろうとするが、4皿ともトレイからこぼれ落ちていく。


「えっ……」


 私はなんか固いものに頭が当たる。転んで無い。顔を上げるとさっきのオッサン。いや違う。さっきと違ってギラギラとした目に精悍な顔。表情だけで人ってこんなにイメージ変わるんだ……


「怪我は無いか?」


「う、うん……」


 私はザップに前から腰に手を回されて抱き抱えられている。私はそんなに軽く無いのに。私の頭に当たったのはザップの胸板。人間の感触に思えなかった。


「ザップ、いつまで抱きしめてるのよ」


 猫耳さんが非難がましく言う。


「あ、悪い悪い。けど、しょうが無いだろ。誰も動かないから」


 ザップはそう言うと私から手を放す。


「んー、こういう時は近い人がするべきでしょ」


「ほらほら、それなら不可抗力だろ」


 え、テーブルを見ると、ランチプレートが4つとも無傷で並んでいる。


「おっちょこちょいだな。頑張れよ。左手は、まあ、チップだ」


「えっ!」


 気がつくと私の手には右手に銀貨2枚。左手に銀貨1枚が握られていた。もう、訳が分からない。これが魔王?


「じゃ、飯食うぞ。あ、姉ちゃんもありがとな。またよろしく」


「は、はい。ありがとうございます」


 私はそう言うと扉から出て店に戻る。


「「いただきます」」


 その声を背に、私はまた配達しようと思った。もっとここの人達の事を知りたいな。



 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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