十二月
またまた、リゼロがアツいです。泣きそうになります。レッツゴーです!
「もう、十二月ねー」
マイが炬燵の中で口を開く。今、ここのアンの炬燵部屋には、僕、マイ、見た目幼女の導師ジブルとドラゴン娘のアンがいる。いつも通りアンは寝っ転がって寝息を立てている。少し羨ましい。僕は人前で寝るとイビキか歯ぎしりが酷いらしく、基本的にはすぐに叩き起こされる。
「けど、なんか月日が経つのは早いっていうけど、今年もやっと十二月って感じね。やっと寒くなったって感じ。特に今年めっちゃ暑かったから」
「そうだな。そう言えば、マイは暑いのより寒い方がマシって言ってたもんな。まあ、俺は逆だな。暑くて死ぬ奴はあんまいないけど、寒さで死んだって言うのはよく聞く話だからな」
「もう、ザップは極端なのよ。暑いの寒いのどっちが好きって、生きる死ぬじゃなくて、どっちが心地よいかで考えた方がいいと思うわ」
「そうだな、それなら暑いより寒い方がいいな。暑いと汗ダラダラかいて気持ち悪いが、寒くても着ればなんとかなる事が多いからな」
んんー、軽くマイに洗脳されてしまったような? まあ、けど、たわいない選択だからどうでもいいが。
「そうだな、それにしても1年ながかったな。いろんな事あったし、なんか何かと戦ってる事が多かったな」
「そうね、私も長かったわ」
幼女導師が本から顔を上げて参加する。こいつ、基本的にエロかメシ以外の話にはあんま参加してこないのに。魔道都市の評議員とか言ってるけど、欲望に忠実に生き過ぎだろ。
「私は魔道都市にいた時には日が経つのは早いって感じてたけど、今は違うわね」
「そうね、あたしもザップと会ってからね」
「俺も追放されてからだな。それまでは、毎日あっというまだったな」
「まあ、ちょっと例えに近いけど見てて」
ジブルは紙を出すとそれに同じ長さの平行線を書いた。そしてその紙を真ん中から切ると、片方の線に垂直に横棒を沢山書いた。
「見て、この長い2本の線はほぼ同じ長さだったでしょ。だけど、新しい線を入れて少し離して見ると新しい線を書いた方が長く見えるでしょ。長い線が時間、横棒が出来事よ。同じ時間でも何にも無いよりも、色んな事が起こった方が長く感じるのよ。これは目の錯覚だけど、心も同じようなものよ」
「そうか、そう言えば、1年色んな事が有り過ぎたからな。けど、なんか得した気分だな」
「そうね、ザップと出会ってから、なんか手綱が切れた馬車に乗ってるみたいだったからね……」
マイの例えはドキドキハラハラの連続だったって事か?
「ま、けど、いいんじゃない。一生懸命、色んな事してたら時間が長く感じるっていい事だと思うわ。また来年の十二月にはおんなじ事言いたいものだわ」
見た目幼女の癖にババ臭い事を。けど、まあ、その通りだな。
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