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 迷宮救出 2


「「霊薬エリクサー!!」」


 僕たちはめっちゃめちゃ驚く。霊薬エリクサー、それは伝説の薬で、それを飲んだりかけたりすると、全身の傷はたちどころに癒え、欠損した体の部位すら元に戻すと言う。確かに、その霊薬があれば、ここの彼女の右手も癒すことができるだろう。けど、それって僕の魔法の収納にしこったま入ってるんだよね。無尽蔵に……

 けど、それを使うと悪目立ちしすぎるから、あんまり馴染みが無い者に使うのは躊躇われる。


「へぇー、それでどこにその霊薬を取りに行ってるの?」


 僕は白々しく尋ねる。


「『原始の迷宮』よ、本当かどうか分からないけど、モンキーマンザップというSS

クラスの冒険者が下層で手に入れたって言われているわ。まあ、小説の中でだけどね」


 まじかー。彼女のお仲間は、僕を主人公にした小説を信じて『原始の迷宮』に行ったのか。まあ、確かに最下層付近にはエリクサーを湛えた泉があるが、そこまで行き着けたのは公式には冒険者パーティー『地獄の愚者』だけだ。

 ちなみにさっき聞いた話だと、彼女のパーティーはCクラスの鋼鉄級。パーティー名は『ミートマン』それは略称で本名は『肉と金と服と男(仮)』だと言う。彼女たちは女性が4人のパーティーで、どうしてもパーティー名が決まらず、自分達が大好きなものを名前にしたと言う。そんなの知るか。僕の男だけのユニット『野蛮隊』よりはなんぼかマシなネーミングだけど、羞恥心皆無だな。まあ、冒険者ってそんなものか。けど、好きなものが『男』って言い切れる女性をぜひ見てみたいものだ。それでも王都では名が売れたそこそこ強いパーティーらしい。まあ、名前は『肉と金と服と男(仮)』だけど……


「ちなみにお前が好きなのは何だ?」


「私は肉です」


 そうか、彼女はパーティーのぎりぎり良識派枠か。だが彼女の名前は今日から未来永劫僕の中では『肉』だ。あと残るは、『金』と『服』と『男』。なんか救出クエストは面倒くさいけど、『男』を見て見たくなってきた。


「それで、あなたは戦士でしょ。あとのメンバーは?」


 マイが僕が気になってた事を尋ねる。


「あ、はい。名前言っても分かり難いですよね。『金』がスカウトで、『服』が魔法使いで、『男』が神官です」


 やば、神官で男好き! 僕の頭の中にはムチムチで露出多めの法衣を纏った女性が浮かぶ。

 ああ、仲間をかばって怪我した女戦士。そして、それを癒すために危険を顧みず迷宮に挑む美少女冒険者。なんて美しい話だ。これは助けてやらねば。


「じゃ、行くぞ。肉、お前もついてこい」


 取りあえず肉の頭にエリクサーをぶっかけてやる。後で口止めすれば問題あるまい。

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