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 姫と筋肉 ハロウィン


「じゃ行って来まーす」


「ラパンちゃん行ってらっしゃい。気をつけるのよ」


 吸血鬼スタイルの僕を魔女姿の店のオーナーマリアさんが見送ってくれる。


 ハロウィンの仮装で賑わう店を後にして、僕は突っ走る。なんと、王都の冒険者ギルドの酒場でも仮装パーティーをしてるらしい。それはぜひ行って見てみたい。けど、今年の仮装クイーンは僕なので、お店を空けるわけにはいかない。休憩を貰って身代わりに妖精ミネアに僕に化けてもらってる。当然、過度な露出しないようにミネアには言い聞かせてある。僕のお店での休憩は1時間、その少しの時間で街から王都まで往復する。リナちゃんのワープポータルを使ったら王都まで最速20分で行ける。汗でメイクが溶けるのを気にせず、ひた走る。


「ラパンでーす!」


「おう、ラパンちゃん」


 城門の衛兵さんはもう顔パスだ。大通りを抜けてギルドに到着。ジャックランタンのレリーフを飾った扉をくぐる。

 王都の冒険者ってみんなノリがいいんだな。誰1人仮装してない人は居ない。右奥の1番奥の最強パーティーの席を見る。地獄? それとも魔界?

 うじゃうじゃとスケルトンに囲まれて、王都最強パーティー『地獄の愚者フール・オン・ザ・ヘル』のメンバーがいる。スケルトンの次は黒騎士、そして干物面のリッチの横を通り抜ける。リーダーのデュパンさんは、ドラキュラ伯爵、聖騎士のジニーさんはゾンビナース。可愛い! 下品な子供族のパムは狼男。変態マッスルレリーフはフランケンシュタインの仮装をしている。


「おおっ、ラパンちゃんじゃないか。かわいいね。吸血鬼かな?」


 デュパンさんが最初に僕に気がついた。


「ありがとう。デュパンさんもとっても格好いいよ」


「あらあら、メイクドロドロよ。そんなに急いで来たの?」


 ジニーさんだ。


「はい、時間があまりないんで」


「という事はすぐに帰るのかい? オイラが送り狼になろうか?」


 僕の横に来て何かしようとするパムをひらりとかわす。スカート狙ってたな。


「結構です。間に合ってるよ」


「ラパン、胸に詰め物しすぎじゃないのか?」


 相変わらずデリカシーが無い奴だな。


「レリーフ、お前こそ、フランケンシュタインて言うかフレッシュゴーレムみたいだぞ」


「おい、ラパン、フランケンシュタインもフレッシュゴーレムの一種だぞ。それはいいから時間ないんだろ。するぞ乾杯」


 口が悪いリッチが僕にはオレンジジュース、レリーフ達にはエールをもってくる。気が利く奴だな。  


「「ハッピーハロウィン!」」


 僕は乾杯して、帰路につこうとする。


「おい、ラパン。いや、何でも無い」


「じゃあね。みんなまた!」


 僕はまたひた走る。そして、またミネアが暴走してたからきっついお仕置きしてやった。

 

 ハッピーハロウィン!!



 読んでいただきありがとうございます。


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