表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1050/2109

 ラパンとザップ(迷宮都市)


「うわ! すっごーい」


 馬車からつい身を乗り出してしまう。見渡す限り城壁が伸びている。幼い頃聖都の城壁を見た事もあるが、その高さが全く違う。これならそうそう魔物にも入られないんじゃないだろうか? マイさんも驚いて身を乗り出してくる。


「あれはサードウォール、一番外の城壁です」


 馬車の中からジブルの声がする。


「迷宮都市オリンピュアの城壁は3つあって内側に行くほど強固になります。はい、何ででしょう?」


 あたしは馬車に座りなおす。


「そうだな、普通は外ほど頑丈な防壁を作るはずだよな」


 うん、ザップの言うとおりだよね。


「ということは、城壁が守っているのは街の中では無くて、街の外?」


 マイさんが首をかしげる。


「そうです。この城壁が守っているのは世界。迷宮から溢れる魔物から世界を守ってるのですよ」


 ジブルがこっちを見る。あたしをビビらせるつもりなの?


「ラファ様、そんなにも迷宮は危険な所です。というわけで、迷宮には入らずに私と街でゆっくりしましょう」


 ミケがあたしをじっと見つめる。


「つまんないからやだ」


 あたしはこれでも今はかなり魔法を使えるから迷宮は問題ないはず。


「ミケ、ふと思ったんだけど、迷宮に入って一番危険なのはお前じゃないのか?」


「ギクッ」


 ミケは『ギクッ』なんて言ってるけど、問題ないわ。あたしはミケが強いのを知っている。


 城壁にたどり着き、門をくぐる。大通りを通り次の城壁に向かってる。道に面してる所は普通の建物が見えるが、その奥にはちらほらテントであったりとか、粗末な建物が見える。やっぱり魔道都市と違って貧富の差が激しいんだ。


「ここはサード地区。空き地も多く、流れ者や駆け出しの冒険者とかあまり裕福でない人々が住んでます」


 ジブルが解説してくれる。


 そして次の壁につき、また門をくぐる。


「ここはセカンド地区です。ここが一番広く、いわゆる一般市民が住んでます」


「それで、ジブル、俺達は今どこに向かってるんだ?」


 ザップが問いかける。


「え、魔道ギルドの本部ですけど、そこが魔道都市アウフの拠点にもなってます」


「おい、ラファがいるだろ、お前達だけでそこには行けよ。俺達はここで降りて宿を見つけてゆっくりするよ」


 そうよ、あたしはギルドに入れないわ。


 ザップがどっからか丸い円盤を出す。


「これを持って行け。宿が決まったら名前を送るから。なんか連絡があるときはこれにメモを重ねてたら受け取るから」


「ザップ様、その前に墓石チューム・ストーンとタワーを見て行きませんか?」


「なんだそれ?」


「冒険者ギルドの巨大な長方形の建物はここでは墓石って呼ばれてて、魔道ギルドの建物はタワーって呼ばれてます。街を代表する建物なので、よろしければぜひ」


「ザップ、見ていこう」


「ザップ、見たい!」


 あたしたちはまず、街の中央に行くことになった。ザップはあたしたちに優しい。


 最後の城壁ファーストウォールをくぐり抜ける。


 墓石と呼ばれる冒険者ギルドの本部はその言葉どおりの建物だった。飾りっ気が全く無く窓だけ開いた薄灰色の建物だ。


 タワー、墓石から少し離れた所にある。円筒形の建物で墓石とは対象的に装飾が多く、薄茶色の壁だ。今まで見た建物の中で一番高く立派だ。

 そして、迷宮の入り口。広場の中央に大きな穴が緩やかに地下に向かっている。そこを武装した沢山の人々が行き交っている。


 凄い、ここが迷宮都市!


 なんか胸の奥が熱くなる。これからあたしを物語の主人公のような素晴らしい冒険が待ってるかもしれないと思うと、ドキドキが止まらないわ。



 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ