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 完全なる邪悪 (前)


「『オクトパスマン』、人種の体にタコのような頭。その頭から伸びた触手で人の頭を穿ち脳を食べる」


 見た目幼女の子供族ホップのアラサー導師ジブルが、僕たちにゆっくりと本を朗読してくれる。『魔物大辞典』って書いてある。見たことが無い魔物について調べて貰った。

 今、僕たちはリビングにみんな集まっている。次は受けた依頼のパーティー編成を考える予定だ。



 今回僕たちに直接来た依頼は、馴染みが無いタコの頭の怪物、『オクトパスマン』の調査依頼。依頼先は魔道都市アウフ。


「まあ、過去の文献にはそう書いてあるけど、もしかしたら似ている違う種族かもしれないから、敵意がない生き物なら交渉、そうじゃなくても出来れば生きたまま捕獲して欲しいのよ」


 ジブルはパタンと本を閉じる。


「で、誰が行くんだ?」


「ノノはタコ嫌いだからパス」


 ハイエルフのノノがリビングから立ち去る。


「あたしも、ちょっとね」


 マイも自室に帰る。やっぱ気持ち悪そうな生き物だもんな。


「寒くなったからヤダ」


 ドラゴン娘も炬燵へと帰っていく。お前ちっとは働けよ。


「僕も寒いとお役に立てませんね」


 黒竜王の化身オブも逃げる。寒くなくても役にたたないよな。


「俺もそんな気持ち悪い生き物はパスだな」


 タコ頭の人間とはお知り合いにはなりたくない。


「ええーっ。私だけなんて無理ですよ。ほら、もしかしたら凶悪な魔物かもしれないし、私のような可憐な女の子1人だったら危ないじゃないですか。それに、ザップならそんな生き物一撃でしょ。強くて格好いいザップ様。一緒にいきましょー」


「しょうがねーな。と言う事は、俺とお前だけか……」


「ほら、2人っきり。デートよデート。一緒に森の中でデート楽しみましょ。深い森の中で男と女で2人っきり。ほらほら、なんかドキドキすることが起こっちゃうかもしれないですよー」


「やっぱ。止めていいですか? ジブルさん1人で頑張って下さい」


「ええーっ、お願いします」


 上目遣いであざと可愛さをアピールしてやがる。しょうがねーな……



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「もうそろそろ着くはずよ」



 僕たちは魔道都市から貸し出された魔法の絨毯で森の奥まで進み、そのタコ頭と遭遇したという枯れた遺跡を目指している。

 たまたま魔道都市の考古学者たちが遺跡の調査していた時に遭遇したそうだ。その相手の気持ち悪さに即撤退したから、詳細は分からないそうだ。


 絨毯を降りて森の中を進む。昔ジブルは来た事があってだいたいの位置は分かるそうだ。けど上空からは木に隠れて見えないから歩いている次第だ。

 それにしてもウザい。振り払っても振り払ってもジブルが僕の手を握ってくる。もう諦めてそのまましてる。


「あったわ。ここよ」


 僕たちの目の前には木々に囲まれた風化した石廟のような石に囲まれた地下へと続く階段がある。中は真っ暗で見えない。ジブルが持ってきた地図を見る。造りはシンプルでカタカナの『キ』の字のような形で、入り口が1番下で、それぞれの突き当たりに小部屋があり、1番上の小部屋でタコ頭と遭遇したそうだ。

 


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