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 サイコキネシス


「らっせーらっ!」


 巫女少女ウズメが奇声を上げながら左手の人差し指を水平にスライドする。僕の手にしているスプーンが首のところで横にクイッと曲がる。ついでに僕の頭も強い力で横に曲がる。


「うわ、すごーい!」


「曲がりましたね」


「サイコネキシスね」


 マイとアンとジブルが感心している。僕の頭はどうでもいいのか? 首ごと持ってかれるかと思ったぞ。


 ゴキリッ!


 力づくで首をもとに戻す。なかなか激しい攻撃だった、


「ところで、その気合はいるのか?」


 さっき僕と戦った時は気合は無かったはず。


「気合入れた方が力が強くなるんです」


 うん、確かに強かった。首いたかったしな。


「その左手を動かすのは必要なのか?」


「別になくてもいいけど、こうした方が制御しやすいんです」


 制御? 全く制御出来てなかっただろ。スプーンだけじゃなく僕の首も曲げただろ。もしかしてわざとか?


「そういえば、スプーン曲げって昔めっちゃ流行ったらしいわね」


 マイが曲がったスプーンをまじまじと見ている。


「そうだな。そのトリックが観客にばれないようにスプーンを固いものに押しつけて曲げてるって聞いた時、なんか少し悲しかったもんだ」


 子供の頃、祭りに来た旅芸人が手品でスプーン曲げをやってるのを見て、超能力を信じてスプーンをコスコスしてたのが懐かしい。


「けど、触ってもいいなら、今は簡単に出来るわね」


 マイはスプーンを出すとその頭を軽くつまみながらクルクルと回す。スプーンの柄がねじれまくっている。うん、明らかにそれは超能力だよ。僕でもそれは出来ない。指の力強すぎだろ。


「ウズメちゃんが使ってる神秘魔術って要は超能力のようなものね。手を触れずにものを動かす。サイコネキシスとかテレキネシスって言われてものよね」


 魔法オタクのジブルが説明し始める。長かったら途中で中断してやろう。


「魔力を直接力に変えてるんだと思うけど、それには素質がいるはずだし、多分、1つの能力を手に入れたら、他の力には変換出来なくなると思う。多分ウズメちゃんは他の魔法、一切つかえないでしょ?」


「そうだけど、そういう言い方されたら、なんか私があんまり役に立たないみたいじゃないですか? こんな事も出来るのよ。ソイヤッサー!」


 ウズメが左手の人差し指を上に上げる。


「きゃあ!」 


 マイのスカートがまくれ上がる。即座にマイが手で押さえる。ぴ、ピンクだった……


 神秘魔術すばらしい!


「マイさん、すみません、隣のアンさんを狙ったんですが」


「もうっ。次やったら怒るわよ」


 怒るわよって言ってるけど、明らかに今も怒ってるよね。


「ところで俺もその、サイコネキシスが使えないか試してみたいな。なんかコツかなんか無いのかよ?」


「そうですね、私の横に立って下さい」


 言われた通りにウズメと並ぶ。


「まずは動かしたいというものに集中します」


「はい、集中します」


 ついマイのスカートを見てしまう。


「ザップっ!」


 マイに視線がばれた。急いでテーブルのカップに目をうつす。


「そして、お腹のおへその下くらいに力を入れて動けって念じます」


「お腹のおへその下くらいに力を入れて、動け。動け。動け」


 力が足りないのか? 更にお腹に力を入れる。


 ブッ!


 あ、ガスが出ちまった……


「うわ、ザップさいてー……」


「ご主人様、格好悪すぎです」


「うわっ、臭っ」


「すまん、わざとじゃないんだ」


「あっ、皆さん、私はザップさんのお尻に神秘魔術使ったりしてないですよ」


 ウズメが両手を体の前で振る。そういう使い方も出来るのか。まあ、ここは僕の一言でケリをつけるか。


「サイコキネシスじゃなくて、クサイコキネシスだな」


「「「面白くない(です)」」」


 みんなの声がハモる。なかなか良かったと思うがな?


 


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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