第13話 OLはリビングでくつろぐ
あれから玄関も額縁になっていることを確かめた私は、リビングに戻ってきた。
家から出られないなら、出る方法を考えなくちゃ。
手持ちの食料は、15食分。節約すれば1週間くらいは何とかなるかも。
「……ふぅ」
とりあえずはコーヒーをひとくち。
さて、現状を確認しよう。
リビングの四隅には、結界を張るための魔道具を置いた。魔晶石もバッチリ。
これで当座の安全は何とかなりそうね。
なにしろ魔道具は軍用品だもの。放出品とはいえ、それなりの性能は期待させていただきますよ。なむなむ。
それにしても、まずい事になったわね。
窓が額縁になったのは、たぶん帰ってきた時に見た光の環の仕業だろう。
新種の妖怪かなんかかしらねぇ?
光の輪はふたつ、ぴったりと並んでいたような気がする。
自然現象というよりも人為的な何かと考えた方がいいかも。
やっぱアレは新種の妖怪かなんかだと思っておこう。
とにかく、簡単に家の外に出させてもらえないようね。
妖怪がどんな目論見で、私を家に閉じ込めたのかわからないけど、脱出……
脱出でいいよね、このバヤイ。
うん、そうね。
家の外に出ることが、私の勝利条件と見た。
今まで、私が家から出られないような、単純な仕掛けしかないものね。
窓や扉を額縁にする事が出来るんだから、トラップを仕掛けようと思えば、結構簡単に仕掛けられそうな気もする。。
それも、ジョークレベルから即死するような凶悪なものまで、たっぷりとね。
もしも、床に落とし穴が仕込まれていたら?
それが腰くらいまでの深さだとしても、致命的なダメージを受けかねない。
実際にはこの中途半端な高さが、実は一番危険なんだけど、普通の人は気が付かないのよね。
事務机の上から飛び降りる程度で危険があるのか、ってバカにするけどね。
1メートルは、一命取るって言うくらいだもの。
この高さから落ちただけでも、場合によっては人は死ぬの。
落とし穴だけではない。壁や天井が崩れてきたら?
ちょっとしたモノの陰…… たとえばお茶碗の裏に魔石を仕込んでおく。
間抜け者の罠って言うんだけど、もしもお茶碗を取った瞬間に、魔石に仕込んだ魔法が発動したら?
私が妖怪の立場で、相手に何か仕掛けようとするなら、さっき言った事プラスアルファの要素を盛り込むと思う。
だから。
遊んでいるのか、それとも、別の何か目論見があるのか。
短期決戦を構える程度には装備がある。ま、気休め程度だけどね。
唯一の不安定要素は時間…… で良いわね。
タイムリミットはおおむね1週間。手持ちの食料が尽きるまでの日数だ。
そこまでが勝負、というところかしら。
一週間以内に脱出できれば、私の勝ち。
それができなければ、相手の勝ち。
……オッケー、いいでしょ、その思惑に乗りましょう。
緊張の糸がほぐれてきたら、疲れが出てきた……
寝る前に、お風呂に入りたかったなぁ……
だめ、意識が切れそう。
……もうだめぽ。




