第7話 灰色の魔導士
僕とゼメウスは、
ゼメウスが魔法で作った空間で魔法の修業を始めた。
どうやら僕はゼメウスの魔法を受け継ぐには、
まるで魔力量が足りないようで、
(ゼメウスはそれを器と表現した)
まずは基礎の基礎から鍛錬をすることになった。
驚くべき事にゼメウスの空間には時間の概念が無く、
僕とゼメウスは時計の針に追われることなく修業に没頭することが出来た。
若返った僕は自分の身体と、
鋭くなった感覚に不和を感じ、
ゼメウスの課す厳しい訓練に付いていくのがやっとの状態だった。
だがゼメウスの教えはその一つ一つが非常に洗練されており、
僕はまるで乾いた砂漠の砂の様にその教えを吸収していった。
ゼメウスがどんなに激しく注いでも、
僕の渇きが満たされることはなかった。
人生丸々一生分の魔導士への憧れが、
堰を切ったようにあふれ出したのだ。
僕とゼメウスは毎日朝から晩まで修業を続けた。
それはとても楽しい時間であった。
ゼメウスが僕に課題を与え、
魔力が尽きて倒れるまでそれを続ける。
それを繰り返し、
数えきれないほどの美しい朝日と、
数え切れないほどの星空を眺めた。
ゼメウスとの時間は僕にとっては欠けがえのないものであった。
どれだけの時間が経ったのか。
僕の魔力量が圧倒的に増え、
若い身体にも徐々に感覚が慣れだした頃。
不意にゼメウスが僕に言った。
「そろそろ、お別れの時間が近づいてきたようじゃの」
それはあまりにも唐突で、
けれども朝の挨拶のように自然な言い方だったので、
僕は一瞬、言葉の意味を理解することが出来なかった。
「お別れって・・・どういうことですか、師匠」
いつからか僕はゼメウスの事を、
師と呼ぶようになっていた。
「フム。言葉の通りじゃ。君は初めて会った時からとても成長した。ワシの魔法を引き継いで貰う時が来たのじゃ。当初の約束の通りな」
ゼメウスは優しく言った。
だが僕は師の言葉を首を振って否定した。
「そんな!まだ師匠から学ばせていただきたい事は山ほどあります。それに僕はまだまだ未熟者です」
僕はゼメウスに詰め寄った。
「ホホ。その気持ちがあれば大丈夫じゃよ。知識への渇望。成長への欲求。それがある内は君はまだまだ成長できる。だがそれにはワシから学ぶだけでは不十分だ。ここからは君自身が自分の道を歩かねばならん。実体も持たぬ記憶だけのワシでは君の成長を阻害するだけじゃて」
そう言ってゼメウスは優しく僕を諭した。
「師匠・・・」
ゼメウスは泣きそうになっている僕を見て、
ニコニコと笑う。
「さて、では君にワシから最後の教えじゃ。灰色の魔法の真髄を君に教えようじゃないか」
その言葉に、僕は無理矢理に背筋を正した。
・・・
・・
・
この世界には魔法が満ちている。
それらは大きく分けて二つに分類されている。
相手にダメージを与えたり、能力を低下させたりする黒魔法。
自分や仲間を回復したり、能力を増強させたりする白魔法。
この世界の住人の大多数は生まれた時から、
黒か白かのどちらかに適性を持つ。
これはどんな魔導書にも書かれている、
すべての魔法の基礎となる概念だ。
だがゼメウスの教えにはここから更に続きがあった。
それは現代に伝わる魔法体系を根底から覆すような概念だった。
ゼメウス曰く、
そもそも適性と言うのは、
その者の最も得意とする魔法分野を端的に表すものであり、
生まれながらの不変のものではない。
黒の適性を持つ者も回復魔法を、
白の適性を持つ者でも攻撃魔法を放つことが出来る素養は十分に持っている。
だがそれには正しい努力、知識をもって
適性と言う殻を破らなくてはならない。
だが現代魔導学からは、
いつしか殻の破り方と言う概念が失われ、
黒か白かの完全な別体系に分かれてしまっているのだろうとゼメウスは言った。
そこまで聞いて、僕はゼメウスに質問する。
「師匠。ではその殻と言うのはどのような方法で破ればいいのですか」
ゼメウスは答える。
「フム。それを口で言うのは簡単じゃが、君にはまだ早いだろう。それにそんなに焦らずとも、灰色の適性を持つ者はもとより黒と白の両方の魔法を操ることが出来る。まずはその力を十分に使いこなしてみなさい」
ゼメウスはそう言った。
彼の言う通り、僕はゼメウスとの修業の末に黒と白の両方を扱うことが出来るようになった。
だが殻の破り方と言うものにも興味がないわけではない。
僕はもう少し食い下がろうかと思ったが、
ニコニコ笑うゼメウスを見て、その気持ちは失せていった。
この長い修行生活で、
僕はゼメウスの性格を理解し始めていた。
彼は確かに強情で、
彼が教えないと決め口に出したのであれば、
天地がひっくり返っても僕に教えることはないだろう。
僕は続けて尋ねる。
「では、僕に授けたい魔法と言うのはなんですか。灰色の魔法の真髄と言うのは。まさか黒と白の魔法を扱うことと言うのがその真髄とやらなのですか」
ゼメウスは大笑いした。
「ハッハッハ!馬鹿な!この大魔導ゼメウスを甘く見るでない。ワシが生涯を掛けた灰色の魔法の真髄と比べればそんなものは基礎中の基礎じゃ。それは殻の話とはまったく別次元の話なのじゃ」
僕はゼメウスに少し苛ついたように言う。
「勿体ぶらずに教えてください!」
そしてゼメウスは笑いをこらえると、
今度は真剣な表情で僕に向き合った。
「他者や外部に変化を起こす黒魔法。自己や内部に影響を与える白魔法。そして灰色の適性はその両方の特性を備える。この魔法はそんな概念の更に先にあるのじゃ。他者でも自己でもなく、内側でも外側でもない。すなわち灰色の適性の真髄とは目に見えぬ自然の摂理に干渉する力じゃ」
自然の摂理に干渉。
僕はゼメウスの言葉を反芻する。
そこでふと気が付いた。
それってつまり―――――――
「フム。君の想像は正しい。今回は簡単じゃったかな。なにせすでに君自身、灰色の真髄の力をその身に受けているからのう」
僕は自らの両手を眺める。
そこには若々しく輝く肌があった。
僕自身に夢を取り戻させてくれた、
最高の力だ。
僕はゼメウスに向き直り、
自分の考えを口にする。
「・・・灰色の魔法の真髄。それが時間、ですね」
ゼメウスは優しく微笑んだ。
「正解じゃ。灰色の魔法の真髄、それこそがワシの生み出した時間魔法じゃ。使い方は今さら説明せんでもいいかの。実は箱を開けた時からすでにそれは君の中に仕込んでおる」
ゼメウスはイタズラっぽく笑った。
時間魔法。
そんな魔法はどのような文献にも出てこない。
まさにゼメウス秘伝の魔法だ。
一体どんな魔法なのか。
僕の胸は期待と緊張で鼓動を早めていた。
「さて、分かっておるとは思うがもう一度言うぞ。君が受け継いだその力は誠に強大なものじゃ。時計の針を動かす際には十分に注意するのじゃ。下手をすれば君と世界を亡ぼす力に成り得る。また時間魔法を使うのにも、受けるのにもその動かした針の大きさにより代償を支払うことになる。そのことを忘れる出ないぞ」
僕はゼメウスに力強く頷いた。
当然だ。
僕は師との約束は違えない。
ゼメウスはそんな僕を見て、
安心したように笑う。
「ホホ、これで君に教えるべきことは本当に全部教えてしまったの。まもなく別れの時じゃが、弟子として師匠の最後の頼みを聞いてはくれないかね」
「頼み、ですか?師匠が僕に頼み事なんて珍しいですね」
目の前に居るのは大魔導ゼメウス。
彼が解決出来ないような問題はほとんどないのだ。
「む、そうでもないぞ。ワシにも出来んことは山ほどある。実はな、ワシの箱同士は魔力でリンクしており、いつでもお互いの様子が分かるのじゃ。・・・しかし最近とある箱の調子が悪いようでの。所在がつかめなくなってしまった」
ゼメウスは困ったような表情をした。
彼が隠した『ゼメウスの箱』。
それが行方不明だと言うのか。
「あれは大事な箱じゃ。今すぐにでも探しに行きたいが、実体を失ったワシにはそんなことは出来ん。君が箱を探して様子を確かめてくれるなら非常に心強いのじゃ。お願いできんかの」
僕は頷く。
「ここまでしていただいた師匠の頼みを断るほど、僕は恩知らずではありませんよ。箱が探せれば、の話ですけど」
ゼメウスは笑いながら言う。
「ホホ。心配しなくても大丈夫じゃ。一度箱を開けて魔法を受け継いだものは、ワシと同じように他の箱を感じる事が出来るのじゃ」
そういうものなのかと僕は思う。
「分かりました。それで探すのはどの箱ですか?」
「ホホ、本当にありがたい。探してほしいのは白の箱じゃ。あれは東の大陸に隠しておった。感じることが出来ん以上、今もそこにある保障は出来んが、まずはそこを目指してみるがよい」
僕は頷いた。
「さて、心残りも頼めたし。君と話すべきことはすべて話してしまったのう。これで本当にお別れじゃ」
いつも通りの優しい笑顔。
変わらぬ優しいゼメウスだ。
だが不意に、僕はその表情の裏からとてつもない感情が漏れ出していることに気が付いてしまった。
僕はゼメウスの言葉を思い出す。
―――――ここは先ほどまで居た空間とは勝手が違う。ワシの様によっぽど上手くプロテクトせんと、頭で思った事がそのまま相手に伝わるぞ
なんだ、師匠だって結局うまく隠せていないじゃないか。
僕はそんな事を思い、思わず笑ってしまう。
ゼメウスはそんな僕を見て怒ったように言った。
「む、なんじゃ笑いおって。師を笑うとは修業が足りなかったかの。次に会うときそこのところを厳しく指導するから覚悟しておくのじゃぞ」
そんな事を言うゼメウス。
だが彼の心から漏れ出している感情は深い悲しみ。
その感情の強さから、
僕がゼメウスが共に時間を過ごせるのはこれが最期なのだと悟る。
だから僕は努めて明るく答えた。
「はい、わかりました。引き続きご指導お願いいたします。・・・師匠、本当にありがとうございました。」
僕は頭を下げる。
ゼメウスには感謝してもしきれない。
次に顔を上げた時にはそこはすでに草原ではなく、
地底湖のジメジメとした洞窟の中であった。
「戻って、きたのか・・・」
僕はそう呟く。
周囲の環境は、あの時僕が流れ着いてたあの場所に酷似していた。
まるで先程までの事が泡沫の夢のように思えた。
あんなにも長い時間をあの場所で過ごしたのに、
今は繁った草原の草の感触も思い出せない。
僕は突然恐ろしくなり、
片手を正面にかざす。
そして祈るように、
すがるように、
僕が手に入れたハズの魔法を発動する。
<ファイア>
僕の手のひらに、
小さな火の玉が生まれた。
「夢じゃなかった・・・」
僕は一安心して、その場に座り込む。
よく見れば身体もきちんと若いままだ。
「あれ?」
ふと僕は違和感を感じた。
はじめは小さな疑問。
その答えを自分の中に探すが、
普通ならすぐに見つかるはずの正解が中々見つからない。
「え、いや、そんな・・・」
やがて探し物は本格化し、
記憶の箱と言う箱をすべてをひっくり返して探るが、
それが見つかることは無かった。
―――――僕の名前は?
僕は自分の名前を思い出せなくなっていた。
―――――動かした針の大きさにより代償を支払うことになる。
僕はゼメウスの言葉を思い出す。
これが彼の言う代償と言うことなのだろうか。
僕は背中にじっとりと冷や汗をかくのを感じた。
地底湖の風は痛いほどに冷たかった。
・・・
・・
・
洞窟を歩き出した僕は、
ひとまずダンジョンからの脱出を目指した。
とにかくここから出なくては始まらない。
<紅の風>がしていたように、
僕は手に炎魔法を掲げ松明代わりにする。
どうやら僕が流れ着いた湖岸とは別の場所のようで、
奥に向けて通路が伸びていた。
僕はそのうちの一本を選び歩き始める。
細く、長い通路を進み続けると、
やがて僕は見覚えのある広い空間へとたどり着く。
「ここは・・・」
徐々に記憶がよみがえってくる。
ここは<紅の風>と共にたどり着いたあの部屋だ。
僕が部屋に足を踏み入れると、
広がる地底湖から強力な魔力の接近を感じる。
「グギャアアアアアアアアオオオン!!!!!!」
そこに姿を現したのは、
かつて僕たちを蹂躙したあの水竜であった。
「現れたか・・・」
僕は出口の方に目をやった。
そこまではかなりの距離がある。
一対一のこの状況では、
逃げ切ることは到底不可能だろう。
だから僕は水竜に背を向ける選択はせずに、
正面から向き合い戦闘態勢に入った。
全身に魔力を纏う。
水竜も僕の変化を感じたのか、
グルルルと喉を鳴らし警戒心を高めた。
最強種と名高い竜との対峙。
だが、僕の心は自分でも驚くほどに穏やかであった。
「・・・来い!」
「グギャアアアアアアアアオオオン!!!!!!」
水竜は地底湖から身をせり出すと、
倒れこむように僕に向け身体を叩きつけた。
僕はそれを左方に飛ぶことで回避する。
僕の立っていた地面が割れ、地面が揺れる。
巨大な竜種は、その重量だけでも強力な武器となる。
<サンダーボルト>
僕は水竜に雷属性の魔法を放った。
<紅の風>との戦闘を見ていたので、
水竜に雷が効くことは分かっていた。
僕が放った雷撃は、水竜の身体に直撃し
水竜は苦しそうな声を上げる。
やはり雷撃は効果的のようだ。
しかし水竜はすぐに何事もなかったのように
身体を動かすと再び僕に対して体当たりを繰り出した。
僕はそれを再び回避する。
水竜は続けて僕を捕えようと、
牙や爪を振るい襲い続ける。
ゼメウスとの修業の成果か、
僕はその攻撃をすんでのところで見切ることが出来た。
それだけで僕は自分の成長に驚く。
以前の僕であれば、最初の体当たりでぺしゃんこになっていただろう。
ゼメウスに感謝をしつつも、
僕はこのままだとジリ貧だと言うことに気が付く。
未熟な僕ではこの連続攻撃の合間に強力な魔法を放つことは出来ない。
いずれ回避を続けられなくなるのが関の山だ。
僕は一瞬の躊躇を感じるが、すぐに思い直す。
この状況を打破できる魔法は、元よりただ一つ。
ここで使わねば、死ぬだけだ。
たとえ代償を払うことになろうと。
意を決して、水竜に向き合う。
「来いっ!!」
僕が吠えると同時に、水竜はついに魔力を集束し始めた。
莫大な魔力が水竜の口元に集まり、魔法を形成する。
この魔力には見覚えがある。
僕は半身がズキリと痛んだ気がした。
次の瞬間、水竜はその口から水のレーザーを放った。
全てを貫く、凄まじい勢いの水流が僕に迫る。
あの時は成すすべもなくこの魔法に半身を貫かれた。
だが今の僕ならば――――
僕はゼメウスと同じように自らの片手を前面に掲げ、
魔力を一気に集束する。
そして、魔力が溜まったのを感じると詠唱と共に魔法を発動する。
<<時よ>>
僕が呟いたのは、それだけ。
魔法名ではなく、命令。
だがその瞬間、水竜も水竜が放った水のレーザーも、
地底湖の湖の水の流れ、滴る露にいたるまで、
全てが動きを止めた。
その動きを止めた時の流れの中で、
僕だけは自由に動き、思考し、感じることが出来た。
僕は自分が発動した魔法に驚愕する。
これこそが大魔導ゼメウスが生み出した大魔法。
不可侵の自然の摂理に干渉する、時間魔法だ。
僕は水竜の水のレーザーを回避出来る場所へと移動すると、
そのまま水竜に向け魔法を放つ。
<サンダーボルト>
止まった時の流れの中では、
魔法は発動しない。
僕は続けて魔法を唱え続けた。
<サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト><サンダーボルト>・・・・・
僕は水竜の目の前に大量の魔力をつぎ込み、
魔法を設置した。
――――――パキ。
不意に耳元で、ガラスに日々が入ったような大きな音が聞こえる。
――――――パキパキパキ
ひび割れの音はどんどん大きくなった。
そしてバキンというすべてが弾けるような破壊の音が聞こえたあと、
僕以外のすべてのものが動き出した。
水竜の水のレーザーは僕が居た場所を正確に打ち抜き、
地面を抉る。
だが僕はすでに水竜の死角となる位置に移動していた。
時間の止まった世界で生み出された魔法は、
僅かなきっかけによって一気に放出される。
そして僕は水竜に向け、指を鳴らした。
――――――パチン。
轟音と共に無数の稲妻が水竜の身体を包む。
ありったけの魔力をつぎ込み多重展開した<サンダーボルト>。
水竜は咆哮を上げ倒れた。
倒れこんだ地面が割れ、水竜の身体が何度か痙攣する。
僕は警戒を説かずに見守っていたが、水竜が立ち上がることはなかった。
僕は水竜を倒したのだった。
やがて地底湖は、また静けさを取り戻した。
僕は水竜の亡骸を前に、自分のしたことに衝撃を受けていた。
最強の生物と表現される竜種。
遭遇した時にはあれだけ恐ろしく感じた竜を、
僕はあっけなく倒すことが出来た。
ゼメウスの言う通り、
僕はとてつもない力を手にしたのだと改めて理解し身震いする。
こんなこと、以前の僕であれば絶対に出来なかった。
僕は自分で自分のことが分からなくなった。
だがその瞬間、僕の中でカチリと何かがはまる様な感覚があった。
すべてがかみ合うような、奇妙な納得感。
若い身体と、老人の精神。
これまで違和感を感じていた僕の内面の二つの歯車が、
今この瞬間にしっかりと嚙み合った気がした。
誰に言われたわけでもない。
だが僕は自分が生まれ変わったのだと理解した。
灰色である事に絶望し、
自分と周囲のすべてから逃げていた僕は死んだ。
あの時、水竜の魔法に貫かれ人生を終えたのだ。
そして大魔導ゼメウスと、
灰色の僕の人生の中で唯一、捨てることの無かった夢。
それが僕を救い、僕自身を甦らせた。
ならば僕はどうするのか。
答えは決まっている。
僕は。
いや俺は今日から新しい人生を歩む。
かつての名前などもはや不要。
名前は灰色でいい。
俺は今日から灰色の魔導士グレイ。
家名は持たない、ただのグレイだ。
俺はダンジョンへの出口へと足を向ける。
そこにはかつての俺が生涯憧れ続けた、
魔導士としての人生が待っているのだ。
その日、世界で唯一の灰色の魔導士は誕生した。
彼は特別な力を持った魔導士であった。
ありがとうございます。
こちらにて第一章が完結となります。
この後まだまだ続きますので、
感想やブックマークなどいただければと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。