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第一話
1月26日――。
この日は週末が間近に迫った平日で、天気は晴れ渡っていたが、やけに空気が冷たい日だった。
まさか、俺の人生にとって最悪の日になる事など誰もわからなかっただろう。
え? どんな風に最悪かって? まぁ、焦らずに聞いてくれ。
これはまだ俺という人生を語る上では”本当の意味”で始まってなど居ないのだから。
さて、いきなり話が変わるが、風邪やインフルエンザっていう病気は知ってるか?
ああ、そうさ――――。
多分、君が頭の中で想像してくれたものだ。
高熱が出たり、頭痛が激しく襲ったり……時には吐き気などが症状として出るアレだ。
まぁ、誰しもが一回は罹った事がある病気だと思う。普通なら病院に行って薬を飲んで安静にしてれば……あら、不思議治っちゃった!ってなる病気で珍しくも無い病気だ。
だけど、そんな病気は、俺に……いや、ウチの家族に大きな影響を与えた。
さて、記憶を遡ることにしよう――――。