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冒険者への道

高校を卒業して同級生達は、それぞれの道へと旅立っていく。

同級生と言っても全てを知っている訳ではない。

どんな性格なのか?何が好きなのか?趣味は?

それに今まで1度も同じクラスになった事のない人の方が多いのではないだろうか?

僕の性格上、付き合うのが苦手で同じクラスになったとしても、仲が良くなった人は、ほんの僅かだろう。


大手企業に就職が決まった奴、貧乏は嫌だからセレブな暮らしをするんだと意気込む奴、家の家業を継ぐ奴、働きたくはないから国からの支給だけで生きて行こうとする奴、僕みたい一攫千金を狙い命知らずな冒険者になる奴、人それぞれ違う道を歩いていく。


「じゃあ、また何処かで会おうな」


と言って別れていくが、将来また会うことはあるだろうか?

これから一生、会う事はないかも知れない。

たまたま偶然、会ったとしても気付かず通り過ぎてしまうかも知れない。

仲間と呼べる者は沢山出来ただろうか?

嫌な奴も居ただろう。

その中で本当の親友と呼べる者は何人いるだろうか?

何でも対等に話せる、そしてどんな悩みもうちあけ話せる親友は居ただろうか?

僕は高校生活をふと振り返り思った。


社会人となり、また知らない人ばかりの中に入っていくが、上手くコミュニケーション取れるだろうか?

引きこもり気味な僕にとっては最大の難関と言って良いだろう。

僕はこれから冒険者になるけど、これから信頼出来る人達に出会う事が出来るだろうか?

確かにソロで活躍している人は何人も居るけど、僕は最初から独りでモンスターを倒せると自信過剰な意識はない。

ベテランの冒険者からいろんな事を教わり、少しずつ学びながら強くなれれば良いと思っている。


でも初めて冒険者になるのだから、何でも相談出来る親友というか相棒が欲しいと思っていた。

今の相棒は、携帯型パソコンのみ、話かけてもちゃんと応対はしてくれるけど、いくら人口知能で学習していくといっても、人間のようなコミュニケーションは流石にとることは出来ない。

今はサイボーグと言われる人工知能型ロボットが売り出されているが、裕福な家で無い限り、そんな高価な物は買うことが出来なかった。

なので出来れば、共に成長して背中を預けられるような信頼出来る相棒が欲しい。


社会に出て知らない人ばかりの世界に飛び込むには流石に勇気がいるし、悩みや緊張のあまり身体が身震いしそうだ。

気が会う人もいれば、嫌いな人も出てくるだろう。

もしかしたらパワハラとか受けるかもしれない。

考えたらきりがない。

だからこそ、信頼出来る相棒が1人居れば、何でも相談出来るし同じ苦しみを分かち合えるのではないのかと考えている。

これからどうなるのか分からないけど、僕は冒険者になり頑張っていこうと心に決め実家を後にした。



僕は今、大阪に向かっていた。

何の為にかだって?

それは勿論クランに入る為さ。

この日の為に僕はネットでクランの情報を調べていた。

日本国内には大小様々なクランがあるが、いきなり上位のクランに入れるとは流石に僕でも思っていない。

まずは実績が必要だと思う。

クランにさえ入れば、ソロでダンジョンを攻略するのではなく複数、団体で行なう為、危険のリスクは少なく、レベルなど直ぐに上がるだろう。

もし自分に会わないクランなら、別の所に移籍しても良いし。


まだ社会人になったばかりの僕は、そんな甘い考えの中、大阪に向かっていた。

車で一時間の距離だし、日本の大都市なので、クランの数も多い。

僕の入れそうなクランなら直ぐに見つかると考えていた。


僕は携帯でレンタルカーを呼び、それに乗り込み移動する。

今の時代、タクシーというものが無くなり、代わりに人工知能が付いたレンタルカーが走り回っていた。

発電地のお陰で燃料の心配はなくなり、完全な電気自動車となっていた。

それに人工知能が付いた為、運転手は要らなくなり、目的地を言えば格安で現地まで勝手に運んでくれる。

これなら運転手が話かけてくる事はないので、話の苦手な僕にとっては好都合だ。


そして着いたのは大阪駅。

この辺りも大災害で一度は壊滅的なダメージを受けたが、今は新しい大都市として生まれ変わっていた。

前の大阪など来た事がないので、どのように変わったかと聞かれると困るのだが、大都市と言うこともあって行き交う人々の数が僕の田舎と違ってかなり多い。

早く用事を済ませないと慣れない人混みの中で酔いそうだった。

ダンジョンも近くにあるという事もあって冒険者の数も多い。

行き交うサラリーマン風な人々に紛れ、防具を身に纏い大きな荷物と武器を抱え冒険者達が通り過ぎていく。

こんなモンスターの出没する世の中ではなかったら、不審者かコスプレをやっている人にしか見えなかっただろう。

普通、危険なダンジョンが近くにあると過疎化して行きそうだけど、この大阪はそうはならなかった。

元々住んでいた人が地元を離れなかった事もあるが、ダンジョンに挑む冒険者が増え、それを目当てで商売しようとする者が増え、日本中、安全な場所はない、それなら冒険者の多い大阪に住むといった住人達が増え、大災害で減少した人口は増大していた。


僕は携帯PCで地図を確認しながら繁華街の方へと歩き出した。

まずは大阪にあるギルド支部を目指す為だ。


ギルドとはクランを統括する組織で、依頼を出したりダンジョンで手に入れた物を買い取ってくれたり、武器や防具、魔法やスキルの販売、お金の出し入れが世界組織の為、全世界どこででも出来る。


勿論、ギルドの他にも商売を取り扱っている所はあるが、クランや冒険者はギルドと契約していれば優先権がある。

買い取り価格は高いし、売っている商品は安い。

だが、その為には一定数の魔石の納品や依頼をこなさなければならなかった。

ギルドとは別に武器や商品を売買している所も、それなりに特典をつけている。

クランに入っていない冒険者は一定数の魔石の納品など大変な部分があるので、ギルドが良いとは一概には言えないが...。


そしてギルドにはクランの紹介所があった。

そこに行けば、僕みたいな初心者でも入れるクランを紹介してくれるはずだ。

僕は早く一流と呼べる冒険者になって、有名になりたかった。

それは誰もが思っている事だと思う。

僕がずっとゲームばかりやっていた所為かも知れないが物語の主人公、いわば英雄という存在に憧れていた。

お金持ちになりたい、ちやほやされたい、ハーレムを作りたいなど僕の欲望は有りすぎて際限なく続く。


まずはその一歩、クランに入らなければ...。

繁華街の一角にある大きなビルの前で僕は足を止めた

ここがギルド大阪支部か。

周りのビルと比べてもあまり代わり映えのない普通のビル。

本当にここがギルド支部なのかと疑ってしまうが、地図で確認するが間違いないし、良く見ると入り口の自動ドアの横の看板にはギルド大阪支部の文字が。


どうやら間違い無さそうだ。

僕は勇気を振り絞り、ギルド大阪支部の中に入ることにした。


自動ドアが開き中に入ると、そこは冒険者達で溢れかえっていた。

一階部分は大きなホールになっていて、最初、ホールに入って目に付いたのは大きな掲示板がだった。

掲示板を見てみると、どうやらクエストの依頼の紙が貼ってあった。

一階はクランや冒険者がクエストを受ける場所のようだ。


周りを見渡すと恐い人、ゴツい人ばかりで、目を合わせないように俯きになりながら間をすり抜けていく。

そしてなるべく絡まれないように気付かれないようにこそこそと奥にある案内所へと向かった。


「あの~、すいません」


「は、はい?」


受付にいた制服を着た女性は、僕の声は聞こえるが姿が見えず、キョロキョロと周りを見渡していた。


「ここです、ここです」


「ひぃ~~」


僕が受付のカウンターを挟んで下から『にゅ~~』っと突然現れたので受付嬢は顔をひきつって強ばっていた。

驚かしてしまったか?

それとも変な人だと勘違いされてしまったか。

どうして下から出てきたかだって?

それは途中まではちゃんと歩いて来ていたさ。

下を向いていたけど...。

だけど奥に行くほど冒険者が多くて、すり抜けるのも一苦労。

皆、鎧や武器、盾などを身に付けているから通りにくいというか、挟まれるし...、そして下を向いていて気付いた。

動き易くする為なのか足に重い防具をつける人は少なく、ほとんどがブーツなどの革製品、普通に通って行ったら通れないけど這って行ったら通れるのではと思って、這って行ったら無事に受付までたどり着く事が出来た。

で、そのまま受付に行って顔を出したら驚かれてしまった。

折角の美人受付嬢の顔が台無しになっていた。


「すいません突然。

クランに入りたいのですが、ギルドに紹介所があると聞いて来ました。

何処に行けば良いのかと聞きたいのですが」


最初、口をパクパクさせていた受付嬢だが、やっと落ち着いたのか、


「あ、はい、失礼しました。

それならあちらにエレベーターがありますので、それで3階で降りて頂ければ分かると思います」


「ありがとうございます」


そう言って、また這ってエレベーターまで向かった。

エレベーター付近まで来ると人々の密集は無くなり、ようやく普通に歩けるようになった。


『やれやれ』


こんな大勢の人々の中を通り抜けるだけで一気に疲れが出てしまう。

あまり外に出たがらない僕にとっては、この人混みの多さで気分が悪くなり、もうそのまま帰りたい気持ちで一杯だったが、ここまで来たからにはクランを紹介して貰わなければ帰るに帰れない。


エレベーターに乗り込み3階を目指す。

エレベーターで上に行く人はそんなに居ないのか、乗り合わせたのは僕を含め4人だけ、上には用事がない限り行く必要はないのだろうか?


エレベーターの案内板には

1階 依頼受付

2階 売買所

3階 クラン受付

4階 宿泊施設

5階 宿泊施設

6階 ギルド業務管理

と書かれていた。

このギルド会館に宿泊施設があるという事は泊まれるという事だろうか?

後で聞いてみよう。


3階で降りると反対側まで続く廊下、幅は広く横に10人並んでも十分通れる広さ、真ん中には待っている間に座れる椅子が置かれていた。

そして左右にいろいろな部署が並んでいる。

廊下の上部には各部署の名前が案内されていたので、まず迷う事はないはず。

この階に来る人は居ないのか、廊下にいる人は疎ら10人程しか居ない。

その為なのか、この階は一面見通せるようになっているが、ギルド員ものんびりと仕事をしている感じだった。


順番に書いてある部署を見ていき、奥まで見たがクラン紹介所と書かれた部署が見当たらない。

降りる階を間違えたのか、それとも受付嬢に騙されたのか?


もう一度、奥が順番に確認していくと、


『あった』


左側の一番手前にあった。

ただ単に見落としただけだった。

クラン案内所と書かれた案内板の所へ行き、受付に僕は声をかけた。

ここの受付は少し年配のおばちゃんだった。

まあ、そうだろう。

普通、顔のいい人は一番目立つ場所に座り、その会社に良い印象を与えようとするが、会社の内部的な事務職まで顔のいい人を使う必要はない。

そう思っていたけど、やっぱり話をするなら若くて美人な人と話をしたいと思うのは僕だけだろうか?


「あの~、すいません」


「こんにちは、今日はどう言ったご用件でしょうか?」


「あの~、クランに入りたいので、僕でも入れるクランを紹介してもらえたらと思って」


「畏まりました。

それでは確認致しますので、ここにPC携帯をかざしてもらって良いでしょうか」


机の上に置かれていたのは、何処にでもあるPC携帯読み取り機。

これで僕の個人情報を読み取るのだろう。

いつもの事だから慣れているとはいえ、自分の個人情報を簡単に教えて良いのだろうか?

中に変な写真や動画が無いだろうか?

またはその履歴を見られて捕まったりしないだろうか?


一瞬、躊躇ちゅうちょしてしまうがPC携帯を翳さないと始まらない。


『ピッ』


「はい、ありがとうございます。

え~っと...」


ギルド員のおばちゃんは、読み取った情報をパソコンで確認していた。


「すいません、冒険者の登録はお済みでしょうか?」


「冒険者の登録?

冒険者になる為には冒険者の登録をしないといけないのですか?」


「はい、それは勿論。当たり前です。

向かい側に冒険者登録所がありますので、まずはそちらで冒険者の登録をお願いします」


「分かりました」


知らなかった。

冒険者になる為には冒険者の登録が必要だなんて、確かに僕が調べていたのはクランばかりで、格好良い人達ばかりのクラン、最強クラン、女性ばかりのクランなどを見ていて、冒険者なんて勝手になれるものとばかり思っていた。

それならばまずは冒険者の登録だ。


向かい側の受付に向かい声をかける。

こちらの受付は年配の男性、なかなかダンディーな方だ。


「あの~、すいません。

冒険者の登録をしたいのですが」


「冒険者の登録だね、それじゃちょっと審査するから、この部屋に入ってもらっていいかな」


「えっ審査があるのですか?」


「まあ、簡単な審査だから直ぐに終わるから」


何だって、冒険者になる為に審査があるなんて聞いてないよ~。

僕の情報不足なんだろうけど、まさか、ここまで来て落とされるとかないよね。

冒険者になると言って家を出て来たのに、審査で落とされたので冒険者になれませんでした。

と言って帰るのは情けない。

地元に帰って同級生にあった時、なんて言うんだ?


「あれ~、お前、冒険者になったんじゃないのか?」


「ああ、それが審査で落とされて」


「バカじゃない?それなら普通に働くか、引きこもりで良いだろう。ワハハハハ...」


「アハハハハ...」


絶対にバカにされる。

それだけは阻止したい。

でも審査に落とされたら、今から職探しなんて直ぐには見つからないだろうし、誰にも会わないように家に引きこもりが確定だろう。


「あの~すいません。

審査で落とされる人っているのですか?」


「99パーセントはまずいないよ。

ただ単にスキルを覚えられるかどうかを確認するだけだから」


「スキルを覚えられないと冒険者には成れないのですか?」


「まず無理だと思うよ。

スキルを覚える事によって、自分を強化してモンスターと戦う訳だから、スキルが使えないと素手でモンスターと戦う事と同じだからね。

君は素手でモンスターと戦う事が出来ると思うかい?」


「絶対無理です」


「だろう~」


審査を受けるしかないが残りの1パーセントにならない事を祈るだけだった。


僕は直ぐ隣にある部屋に案内された。

6帖程の部屋にテーブルとゆったりとした椅子、そして訳の分からない機械が置いてあった。

まず、椅子に座らせられた。


「これで君の身体能力を調べていくから」


そう言うとまず僕にヘルメットを被せ、センサーを身体に付けていく。

首、人差し指、手首、足首にそれぞれセンサーを止めていく。

その後コードは全て訳の分からない機械に繋がっていた。


「それじゃ、測定するからリラックスした状態で、10分程そのままで待っていてくれ」


そう言うとダンディーな男性は部屋から出ていってしまった。

窓もない狭い空間に薄暗い電気の明かりだけがついていた。

静かな空間、外の音は一切聞こえてこなかった。

時折、機械が発している音だけが部屋に響き渡る。


『ピコン...、ピコン...、ピコン...」


ああ、眠くなってくる。

早く終わらないかな。

それだけを考え、先程の不安も何もかも忘れていた。


そして突然ドアが開かれた。


『ガチャ』


「はい、お疲れ様でした。

審査終わりましたよ」


もう終わり?

10分って言っていたけど、あっという間だったな。

そしてまた、元の受付へ戻される。

どうだったんだろう?

頼む、僕を冒険者にしてくれ!

そう祈るばかり。


「それではPC携帯を翳してください」


ん?で、どっちだったんだろう?

いつまで僕を不安にさせるつもりなんだろうか?

わざとか?

態とだろう...、僕の不安を煽り楽しんでいるんじゃないのか?


「あの~すいません。

審査はどうだったのですか?」


「あ、はい。

問題ありませんでしたよ。

今、PC携帯にインストールしてますので、少々お待ち下さいね」


それを早く言って欲しかった。

不安を煽るだけ煽っておいて、危うく泣きながら地元に帰る所だったじゃないか。


「はい、ありがとうございました。

これであなた様も冒険者となりました。

これからのご活躍を応援しております」


「それで、僕にはどんな才能があったのですか?」


「それは分かりません」


「は?」


「ただスキルを覚えられるかどうかですので、何の才能があるなど分かりません。

それはあなた様のこれからのご活躍次第でございます。

それに最初からスキルをお持ちの方は滅多にいませんよ。

そんな方は冒険者になる前にモンスターと戦った人に限られてきます」


ダンジョンから離れた安全な場所で暮らして来た僕にモンスターと戦う機会なんてある訳ないし、もし戦う機会があったとしても僕は真っ先に逃げ出していただろう。

それほどモンスターと戦うのは怖い。


それじゃ、これからどうやってモンスターを倒していくかだって?

それは勿論、人任せ。

その為にクランに入るのさ。

最初からモンスターを倒す事など出来ないだろう。

モンスターを目の前に見ただけで、あの狂暴さ、厳つい身体、震えがきて動けないだろう。

まずは、モンスターと戦う為の慣れが必要だと思う。

それは自分でも自覚している。

だから、クランのメンバーと共にモンスターを倒しながら、経験を積んでいき1人で戦う力がつけば良いなと思う。


「それでは説明します。

まずPC携帯に冒険者というアプリがインストールされていると思います。

まずはご確認下さい」


僕はPC携帯を開き、冒険者というアプリがインストールされているのを確認した。


「それを開いて頂くと、現在のレベル、ステータス、所属クラン、スキル、魔法などが表示されます。

スキルや魔法は、自然と覚える事も出来ますが、冒険者アプリのショップから直接買うことも出来ます。

現物を見たい場合は、2階に販売所が有りますので武器や防具、スキル、魔法は確認してください。

分からない事が有れば冒険者アプリのヘルプを、それと冒険者の規約も一度、目を通していて下さい。」


規約とか言われても難し過ぎて、読む気にもなれない。

ゲームの時もほとんど見ないでOK、OKとチェックを入れるだけ、それで今まで問題にはならなかった。

詳しい説明を受けずに、目を通してと言われるくらいなので、そんな大した事は書いてないだろう。

まあ、暇な時でも見ればいいか。

そして僕は冒険者のアプリを開き、自分のステータスを確認する。


ステータス欄


水無月 陽翔


クラン無所属


レベル   1

HP    10

MP    5

SP    5


振り分けステータスポイント 0


STR   3

MAT   3

DEF   3

MDA   2

DEX   3

AGl   2

lNT   3

CRl   2

LUK   6


スキル

無し


魔法

無し


固有スキル

無し


固有魔法

無し



思ってはいたけど、最初からスキルなど無かった。

でもちょっとは期待していた。

もしかしたら、異世界転生したら...みたいな、チートなスキルがあるのではないのかと。

やっぱり特別な存在などになれるわけがなかった。

しかし、この数値が高いのか低いのか、いまいち分からなかったので聞いてみたら、


「う~ん、運は人並みに有るようですが、その他は低いようですね。

まだ若いからかも知れませんが、これから頑張って成長してください」


低いのかよ!と突っ込みたくなるが、確かに高校まで運動も勉強も苦手で何1つ取り柄がなかった。

人間、何か1つは取り柄があるはずだと言われ続けたけど、いまだに僕は自分の取り柄を見付けきれずにいた。

本当に僕には取り柄など有るのだろうか?

自分自身を疑ってしまう。


本当に僕のステータスは、ちゃんと成長してくれるのだろうか?

まずはクランに入ってレベルを上げないと始まらない。

冒険者登録をした僕は、クラン紹介所に戻っていた。


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