表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特攻装警グラウザー設定資料集  作者: 美風慶伍
3章:その他解説
12/13

【3-1:採用テクノロジー解説】

本編⇒【http://ncode.syosetu.com/n4530bf/】


【テクノロジー解説】


■特殊素材


〔Γ128チタン:鉄系の特殊鋼などと比較して耐摩耗性などで劣るチタン系素材に対して、様々なレアメタルを添加し、なおかつ分子間強度を特別に高める特殊加工を施すことで、硬度と強靭性と耐摩耗性を両立させた特殊合金。非常に硬度が高く頑丈であるが、加工が非常に難しく高コストであるため、現時点ではアトラスにしか採用されていない〕


〔帯電膨張合金:コイル状の金属高分子から成っており、通常は分子のもつ弾性復元力でコンパクトにまとまっている。そして、通電し電気を帯びると電磁斥力で膨張、指定された形態に復元する。通電されている間、分子が高周波振動をする欠点があるが、本合金を刃物の素材として用いた場合、振動する事で切断力を増強する事が可能となる〕


〔5元アルミニウム合金:アルミニウムをベースに5種の元素を配合した特殊合金で、高い軽量性と張力性・弾力性、優れた加工性を兼ね備え、フレーム素材として最適なもの。第2科警研で開発された。元素配合比は極秘〕


〔6元アルミニウム合金:センチュリー・ディアリオに採用されていた5元アルミ合金に、アトラスのΓ128チタンを複合させたものでエリオットの外部装甲の一部に採用されている。加工が困難なΓ128を内部素材とし、微細な加工が比較的容易な5元アルミを外面素材とする事で、Γ128の加工における難易度を下げることに成功した。

 添加素材の数としては6種類を超えるが5元アルミ合金の1段階上の素材という意味で6元アルミ合金の名が記されている。Γ128チタンより微細な加工が容易であり、5元アルミ合金よりも高い強度と耐久性を持つ。コスト面では5元アルミ以上、Γ128以下と言ったところである〕


〔高発泡ダイヤモンドセラミックスブロック:非常に微細な内部気泡をもつ炭素分子系素材の高機能セラミックス。発泡構造であるため非常に軽量であり、対衝撃性にも優れる。対熱性に難があるが耐火素材でコーティングする事により回避している〕


〔高張力複合強化レザー布:高精度のアラミド繊維と5元アルミニウム合金ワイヤーからなる織布を、高衝撃性の強化ゲル材で被覆/加圧し、極めて強靱な人工レザーとしたもの〕


〔ナノセル人造スキン:フィールの顔面や手部などに採用されている人造皮膚素材で、ナノマシンテクノロジーの超微細素材を応用した人造擬似細胞を集積させて作られている。本来の用途は医療用の人工皮膚で、発汗や産毛の再現などが行われており、フィールの外観をより人間らしくすることに成功している。ただし強度の面で若干の不備が見られるため、改良が継続されている〕


〔超高張力ナノマテリアル合成レザー:すでに採用されている高張力複合強化レザー布をさらに改良し、ナノセル人造スキンに採用されている人造擬似細胞素材の技術を導入したもの。皮膚の再現よりも、耐久性の向上と、製作精度の向上にウェイトが置かれており、高張力複合強化レザー布よりも数倍の耐久力をもちながら厚みは五分の一以下に改善されている〕




■構造概念


〔ハイブリッド構造:アトラスの外骨格・センチュリーの内骨格、それぞれを簡略化し強度的に補いあう事でメカニズム面でのスペース効率と、柔軟な運動性能を両立させた物。アトラスの外骨格を基本とし関節部や頭部を内骨格とする事で生産性や機能性を向上させる事に成功している〕


〔防爆型ハイブリッド構造:ディアリオのハイブリッド構造を発展させて造られた防爆型の機体構造。ディアリオのハイブリッド構造は内/外の骨格がそれぞれの強度を補いあう構造だが、エリオットの場合は、単純で高強度の内骨格と、高耐久性の外部装甲としての外骨格を同時に持つ構造となっている。重量やコストの面で不利だが、銃撃戦や爆発物のダメージなどに対して優れた防御能力を持ちエリオットの任務の傾向に見合った性能を発揮することが可能である〕


〔柔構造外骨格:フィールは生身の成人女性に限りなく近いフォルムを獲得するために、適度な柔軟性を持った特殊複合構造の強化プラスチックを外骨格フレームに用いている。

 5元アルミニウム合金製の弾性メッシュで強度を確保し、これをキチン質をベースとしたバイオプラスチック素材でコーティングしてパネル材にする。さらにその表面を耐久コーティング加工して外骨格のベース素材した。

 そのため、フィールの外皮は人間の皮膚のように柔らかでありながらも、骨格として十分に全体を支えられる様になっているのである〕


〔高強度単純化内骨格+柔構造外骨格:

 エリオットで採用されている単純化された内骨格と、フィールで採用された柔構造外骨格を組み合わせたものでフィールの柔構造外骨格で問題となった強度と防御能力の不足を補う方策として考えられたものである。単純化内骨格を構造体の“芯”として設けることで、強いパワーを与えても骨格がそれを支えきることが可能となる。これにフィールで確立された柔構造を加える事で適度なボディ強度を維持しつつ人間としてナチュラルな外見を備えることに成功している〕



■人工頭脳・各種AIユニット・プロセッサー


〔マインドOS/クレア頭脳:

 マインドOSは人間の多層構造の精神構造を再現することに成功した極めて優れた人工人格形成情報システムで適切な育成期間を必要とするもののいかなる状況にも対応可能なアンドロイド用の人工頭脳を構築することが可能。

 一方、クレア頭脳は特殊な非金属高分子を用いた自己成長型ニューロネット型分子コンピュータで、人間の頭脳が母体内で単純な管形状から発達成長する過程を模して、単純な群塊状態から生脳に酷似した複雑な構造を自己形成可能な人工頭脳ユニットである。

 一般的にクレア頭脳とマインドOSはワンセットで運用されている〕


〔ブレインシリンダー:スピントランジスタと呼ばれる非半導体型の超高速チップのシリコンウェハースを1枚丸ごと巨大なLSIチップとして用い、なおかつ、それを多数積み重ね光素子による縦方向のバイパス回路で3次元の回路構造を構築、高機能な論理推論ユニットに仕上げたもの。その形状が円筒形になる事から一般に「ブレインシリンダー」と呼ばれる。〕


〔サブ頭脳ユニット:ディアリオの中枢頭脳の他に胴体内に備わった5基のサブプロセッサーユニットで、本来は、対情報犯罪用の情報処理システムの一つとして、複数の回線を同時に処理するために設けられたもの。だがそれを、複数の人工人格が機能するまで機能強化する事により、ディアリオの潜在能力を限界までひきだせるようにしたもの。高度な推論能力を持つが自我は持たない。ブレインシリンダーと呼ばれる論理推論ユニットが採用されている〕


〔シンクキューブ:ナノマシン技術により作り上げられた金属系高分子による3次元神経回路構造のAIユニットの一種。人間の脳神経細胞のもつ「ハイパーコラム」構造を模して作られており、その物理回路そのものが推論や判断を高速で行える仕組みになっている。特に映像イメージや論理推論作業を処理するのに非常に適している。その立方体状の形状から「シンクキューブ」と呼ばれる。

 エリオットには、戦闘活動の際に補助戦闘マニュアルとして機能し、エリオット本来の人格とはまったく独立して戦術/戦略を組み立てる役割を持っている〕


〔高度戦略推論エンジン〔シンクキューブ〕:高度なマイクロマシン技術により作り上げられた3次元神経回路構造のAIユニットの一種。人間の脳神経細胞のもつ「ハイパーコラム」構造を模して作られており、その物理回路そのものが推論や判断を高速で行える仕組みになっている。特に映像やイメージを処理するのに非常に適している。その立方体状の形状から「シンクキューブ」と呼ばれる。これはエリオット本来の人格とはまったく独立して戦術/戦略を組み立て情報収集/情報処理を行う。言わば無言の軍師とでも言うような存在である。〕


〔エンジェルレイヤー:フィールに装備されているサブ頭脳システムで、ディアリオ・エリオットの物よりもより効率的に改良されている。超小型の限定型AIユニット多数とメイン頭脳とで網状のネットワークを形成しながら、メイン頭脳との高度な協調連動を行うもの。AIユニット体を複数のサブ頭脳として扱うことも可能だが、メイン頭脳の機能と容量を増強する事も可能。多機能性が特徴でありフィールの各種能力の強化に寄与している〕


〔人工脊椎ユニット:アトラスの単純型の神経モデルとは異なり、センチュリーには通常の人間の物に限りなく近い人工脊椎装置が使われている。小型のニューロネット型コンピュータを高速のネット網で直列に繋いだものであり、中枢頭脳を介さずとも『生物の反射』に相当する処理ができる。また、メインの中枢頭脳とは別に、運動機能の制御だけに働く高速のニューロネット型コンピュータが設けられている。(これは人間の小脳にあたる)これによりセンチュリーは非常にすぐれた運動能力を獲得している〕


〔大規模高速ネットワーク対応情報管制システム:警察関連はもとより民間系や政府系の様々な通信回線と複数同時に高速アクセスを行い極めて高度な情報管制を行うためのシステム。特に、フィールが2次武装を装着した時にフルに機能を発揮し、他の特攻装警や警察関係者の通信システムと協調連携する事が可能〕


〔戦闘プログラム独立起動システム(別名:BOシステム):

 特攻装警のなかで、エリオットはその体内に各種の重火器を内蔵し、フィール/グラウザーは装着式の2次装甲/武装を、それぞれ戦闘装備として持っている。

 その彼らの戦闘装備の制御プログラムは、通常の彼らの意識や自我とはまったく切り離されて存在している。これは危険な武装を通常は容易に使用できないようにするためと、攻撃的な要素が非常に強い戦闘制御プログラムがデリケートなマインドOSに悪影響を及ぼさないようにするためである。そのため、戦闘武装をハードウェアと制御プログラムを状況や必要に応じて起動/接続して戦闘装備を使用するのがこのシステムである。

 エリオットの場合、戦闘制御プログラムは人格システムと完全に切り離されて存在しているため、戦闘制御プログラムが稼働すると性格傾向の変化が顕著に現れる欠点がある。

 フィールやグラウザーではこの問題を解決するために、戦闘制御プログラムと人格システムとの結合を緩くしておいたり、人格システム内に戦闘制御プログラムをあらかじめ内包させて必要に応じて闘争本能の発露と言う形で戦闘制御プログラムを起動するなどして、性格傾向の変動を可能な限り少なくする努力がなされている〕

 なお、BOとはBoosted Offenseの略称である。


■動力源・動力機関


〔有機物内燃反応ユニット:人間が食物を消化するのと同じ様に有機物を食し消化し燃焼反応させてエネルギーを引き出すシステム。脂肪物による有酸素反応と、ブドウ糖による無酸素反応からなり、エネルギー補給の途絶えがちな状況でも人間と同じ食物をとる事により、活動を続ける事ができる。極端な話、食物でなくとも燃焼可能な有機物であるなら何でもOKと言う代物。しかし、センチュリー=悪食の大食いと言うレッテルを貼られる原因にもなった〕


〔マイクロ核融合ユニット:タンデムミラー型の核融合炉心を超小型化させることで成立した核融合発電ユニット。センチュリーにおいて有機物内燃反応ユニットと連動してエネルギー取り出しを行っている〕


〔プラズマハートユニット:ディアリオは内部に大規模な情報処理装置を内蔵しているため消費電力が大きい。そのため彼は高容量の超電導バッテリーの他に核融合発電ユニット『プラズマハート』を持つ。これは超小型の強化型タンデムミラー核融合炉から供給されるパルス状プラズマを、付随するMHD発電ジェネレーターで電気に変換するもので、大電力を安定して供給でき、また出力の一時的な増強も可能である。出力が心臓の拍動の様に脈動することからこの名がついてる〕


〔高スピンエネルギードライバー:金属原子などの重イオンを超々小型の線型加速器で衝突させ、その励起反応により発生する高エネルギーを電磁気に変換し、半永続的に動力をとりだすもの。永続的に安定して動作するが爆発的な出力アップがしにくい〕



■駆動源


〔電動性金属人工筋肉(単純動作タイプ):電気で伸縮する繊維型マイクロマシンを連続配置し、筋肉としての体裁をとったもの。 1本の動力線が神経信号線としての機能を兼ねており、構造がシンプルで効率が良い。しかし―― 1)動力電気の電圧が動作信号により大きく変動するため安定性の面でやや不利。 2)信号線の電圧が極めて高いため、安全性に難がある。――などの欠点がある〕


〔電動性人工筋肉(単純電圧駆動+有機物ATP基複合反応タイプ):アトラスに採用された単純作動タイプに加え、脂肪物やブドウ糖ATP基による生体反応によるエネルギー取出し機構を加えたタイプの金属人工筋肉。基本は電気信号による動作だが、有機物を反応させる事により電気を得る『マイクロジェネレーター』が組み込まれている。エネルギー効率が良く出力も高いため高性能だが、コスト面で不利であり構造が複雑で量産しにくい〕


〔電動性人工筋肉(電圧動力線+制御信号線分離駆動型):アトラスに使用した金属人工筋肉を改良したもので、動力を供給する動力線と作動信号を供給する信号線がそれぞれ独立している。人工筋肉の組織内に変換アンプを内蔵しなければならず構造は複雑だが安定性/安全性の面で優れる。技術的ブレイクスルーを果たし生産コストの削減に成功。大規模採用が可能となった〕



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ