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特攻装警グラウザー設定資料集  作者: 美風慶伍
2章各特攻装警一覧
10/13

【2-8-1:第8号機クラウディア・第9号機クリスタ】

特攻装警第8号機『クラウディア』、第9号機『クリスタ』


第8号機


機体名 :クラウディア

形式№ :APO-ZXJβ-C002

機体構造:“高強度単純化内骨格+柔構造外骨格”

基本素材:“6元アルミ合金(Γ128チタン複合)”

     “超高張力ナノマテリアル合成レザー”

     “超微細ナノセル人造スキン”

     “発泡性ダイヤモンドセラミックス”


主動力源:プラズマハートユニットVer3

     (出力変動制御型パルス駆動マイクロ核融合炉心+MHD発電ユニット+超大容量超電導バッテリー×2)

     

駆動源 :“電動性人工筋肉(電圧動力線+制御信号線分離駆動型)+(有機内燃バースト機構)”

中枢部 :“クレア頭脳”

     “マインドOS”

     “マルチパーパス超高速データベースエンジン〔エンジェルレイヤー〕”

     “大規模高速ネットワーク対応情報管制システム”

     “人工脊椎システム”


身長高 :156cm

重量  :92kg


所属  :警視庁交通部交通執行課(実働上は、第1方面交通機動隊にて運用)

基本任務:交通取り締まり全般、交通災害対応、暴走族、及び、武装暴走族取り締まり、対機械非常戦闘

責任者 :身柄引受:交通執行課課長・松比良 礼二

     指導監督:第1方面交通機動隊隊長・矢継 哲馬

     開発責任者:第2科警研・大久保 克巳、布平しのぶ


所有銃 :キンバー 1911 イクリプスカスタムⅡ 10ミリオート


(クラウディアは前線に立ち、攻撃対象の制圧任務を行うことがあるため、攻撃能力の高いこのモデルを採用することとなった。その優秀な性能が評価され、後にセンチュリーにも与えられることとなる)


1)オールレンジアイ → 既存特攻装警と同じ


2)マルチパーパスレーダーブロック → フィールと同じ


・フィールに内蔵されているものとほぼ同等で腕部と両肩のショルダープロテクター部、及び、下腿部に内蔵されている。


3)マイクロアンカー(左腕部) → アトラスと同じ

 

・右前腕部に内蔵されておりアトラスの物の改良品、ワイヤー径が細くなっているにもかかわらず、強度とワイヤーの射出速度、巻き上げ速度は向上している。


4)有機内燃バースト機構 → センチュリーの応用


 センチュリーと同じようにクラウディアは食物としての有機物を摂取することが出来る。

 センチュリーの有機物反応タイプの人工筋肉のメカニズムを組み込み、この摂取有機物を電動性人工筋肉内において反応させることで、瞬間的に人工筋肉の出力を倍増させる事が可能である。

 


5)エアジェットスタビライザー → グラウザーと同等

 

・エアダクト形状の一種のジェット推進装置、グラウザーの物とほぼ同等。加速移動などの用途が主になる。


6)完全同期型マンマシンインターフェースシステム


・クラウディア専用に作られた人型のパワーローダーロボットに搭乗する際、有線/無線を併用しパワーローダーロボットの中枢とクラウディアの中枢を完全リンクさせることで、自分自身の肉体のようにパワーローダーロボットを制御することが可能。ただし、この機能を用いる際には第9号機のクリスタのバックアップが必須である。


7)タランチュラⅡ → グラウザーの物と同等




第9号機


機体名 :クリスタ

形式№ :APO-ZXJβ-C003

機体構造:“高強度単純化内骨格+柔構造外骨格”

基本素材:“6元アルミ合金(Γ128チタン複合)”

     “超高張力ナノマテリアル合成レザー”

     “超微細ナノセル人造スキン”

     “発泡性ダイヤモンドセラミックス”


主動力源:プラズマハートユニットVer3

     (出力変動制御型パルス駆動マイクロ核融合炉心+MHD発電ユニット+超大容量超電導バッテリー×2)

     

駆動源 :“電動性人工筋肉(電圧動力線+制御信号線分離駆動型)”

中枢部 :“クレア頭脳”

     “マインドOS”

     “マルチパーパス超高速データベースエンジン〔エンジェルレイヤー〕”

     “大規模高速ネットワーク対応情報管制システム”

     “多重化人格制御バランサーシステム”

     “非接触型・電子回路遠隔制御システム”

     “人工脊椎システム”


身長高 :152cm

重量  :78kg


所属  :警視庁交通部交通執行課(実働上は、第1方面交通機動隊にて運用)

基本任務:交通取り締まり全般、交通災害対応、暴走族、及び、武装暴走族取り締まり、対機械非常戦闘

責任者 :身柄引受:交通執行課課長・松比良 礼二

     指導監督:第1方面交通機動隊隊長・矢継 哲馬

     開発責任者:第2科警研・大久保 克巳、布平しのぶ


所有銃 :FN ファイブセブン (5.7ミリ口径、装弾数20発)


(クリスタは交通管制制御やネットワーク対応が主任務であるため、銃種としてはバックアップとして有効な銃種を選択することとなった。その運用実績が評価され、これものちにセンチュリーへと与えられることとなった)


1)オールレンジアイ → 既存特攻装警と同じ


2)マルチパーパスレーダーブロック → フィールと同じ


3)マイクロアンカー(左右腕部) → アトラスの物の改良品

 

・クラウディアの物と異なり、射出速度よりアンカー先端部の制御能力が高くなっており、アンカー先端部の飛行軌跡をクリスタが意図したとおりに完璧に制御することが可能。


4)有機内燃バースト機構 → クラウディアと同等


 ただし、最大出力値はクラウディアの物の70%程度。


5)エアジェットスタビライザー → グラウザーと同等

 

・エアダクト形状の一種のジェット推進装置、グラウザーの物とほぼ同等。加速移動などの用途が主になる。


6)多重化人格制御バランサーシステム


・ディアリオのサブ頭脳システムの簡易的な再現を狙ったもので、メイン頭脳部の容量を1.2倍ほどに増強、さらにエンジェルレイヤーの補助制御を加える事で、メイン頭脳の人格を時分割して複数の自我を同時起動を可能としたもの。最大で7つの人格を同時に実行可能。これによりバイク操作をしながら銃撃したり、戦闘行動を行いながら、他の特攻装警の遠隔支援を行ったりなど、ディアリオのサブ頭脳システムに匹敵する多様性をクリスタに与えることに成功した。ただし、実際に複数の頭脳を内蔵しているわけではないので、メイン頭脳がダウンしてしまうと全ての時分割自我が停止してしまう欠点がある。


7)サイバータランチュラ → グラウザーの物をさらに改良


 両手の十指の根本に内蔵されており、単分子ワイヤーシステムとしてはグラウザーの物と同等である。しかし、クリスタのタランチュラはこれに加えて、非接触型の電子回路遠隔制御システムが組み込まれており、単分子ワイヤーに付加されたナノマシン体が目標の電子回路システムに遠隔干渉する事でコンピューターシステムへのハッキングから、電子機器の乗っ取り、内部データの抽出。さらには電子制御システムを乗っ取ることで、車両や建設重機、あるいは様々な機械機器を遠隔コントロールする事が可能である。



専用車両:ギガンテス〔クラウディア用:アキレス クリスタ用:ダイダロス〕


 クラウディアとクリスタに与えられた可変型電動バイク。高速性能を重視した2輪ロードスポーツモデルのアキレスと、多機能性を重視した3輪多機能モデルのダイダロスがある。クラウディアが搭乗するのがアキレスで、クリスタが搭乗するのがダイダロスである。

 主動力は特攻装警の主導力にも採用されているプラズマハートで、安全性を高めた小型化モデルを複数機搭載することで総合出力を向上させることに成功している。それから得られた電力で大出力の超伝導インホイールモーターを駆動させている。


 アキレスは非常に軽量かつ、高速性能の優れた未来型シルエットのハイウェイモデルで、高速道路での超高速の取り締まり任務に対応可能。追跡と斥候が主任務となる。アッパーハンドル仕様であり搭乗するクラウディアは仰向けに近い形で操縦することになる。

 ダイダロスは、3輪バイク形状であると共に、フロントフォーク~ホイール部周辺に設けられたマニピュレーターを用いて交通災害時の救助任務をこなすことができ、1.5トン積みトラック程度なら運搬可能なハイパワーモデルである。また簡易的な消火活動システムも搭載している。

 

 実はこの2台は合体可能である。合体した後に変形しヒューマノイドモードに移行し、2足歩行型のパワーローダーロボットのギガンテスへと合体変形を可能としている。

 ダイダロスが脚部と下部胴体、及び腕部となり、アキレスが頭部と上部胴体を構成する。合体した後にクラウディアがギガンテスの中枢システムと接続され、クリスタがそのバックアップ制御を行い、動作を開始する。合体時の全高は3m程度で格闘戦闘を行えるほどに機敏であり俊敏である。そもそもがマリオネット・ディンキー以後、頻出することとなる機械化テロリズムでの強力なテロロボット・テロアンドロイドへの対抗策として、より効率的な敵制圧を行うために開発されたものである。


 また、その開発は第2科警研ではなく、第2科警研の外部協力企業である岸川島重工により開発されたものである。それまで第2科警研のバックアップ的な基礎開発や技術提供などの面で協力関係にあったのだが、岸川島側からの提案という形で、開発がスタート・承認されており、クラウディアとクリスタの開発と平行して造られている。これによりクラウディアのクリスタの現場配備への期間がより短縮されることとなったのである。

 

能力傾向:


 2人の基本構造はフィールとグラウザーをベースとしている。またその内部メカニズムはそれまでの特攻装警の開発にて生み出された既存技術や、それらの改良型のみを用いており、全くの新規の技術開発は行われていない。そのため、開発期間が非常に短い上に、より安定した初期性能を発揮させることに成功することとなったのである。その一方で、量産型の開発技術体系の確立と言う命題をクリアするために、2人の基本構造はほとんど同じであり、グラウザー型の単純化内骨格と柔構造外骨格を併用する形が取られている。2人が双子型アンドロイドと呼ばれる理由はここにある。


 また、その人格形成の手法にもさらなる改良が加えられている。

 全くのゼロから人格をつくり上げるのではなく、アトラスから始まりグラウザーで完成をみた特攻装警全6体の人格データや性格形成データを雛形として、それらをある程度コピーしたものを人格形成の初期データとして与える試みが行われた。

 クラウディアはセンチュリーとグラウザーの人格データが元になっており、クリスタはディアリオとエリオットとフィールの人格データが元になっている。さらにはセンチュリーの格闘戦闘技能や、フィールの対人インタフェース性能、ディアリオの電脳処理能力など、特技能力に関する体内データや記憶情報を人格形成開始時に必要情報として与えることで、個々の専門能力を、より速やかに確実に習得させる事に成功している。

 

 クラウディアとクリスタは常に2人で行動しており、クラウディアが追跡と戦闘行動、クリスタが交通管制と対ネットワーク戦闘を得意としている。二人が綿密に連携しあうことで、より優れた性能が発揮できるように構成されている。通常は交通課の一般任務に従事しているが、必要に応じて対テロ制圧任務や、武装暴走族対策任務、機械化武装凶悪犯の制圧任務になどに従事する形が取られている。


 性格傾向としては、クラウディアがセンチュリー似の激情型の性格であり危険な現場に自ら飛び込んでいく積極性を持ち合わせている。クリスタはその逆でありディアリオの器用さとフィールの明るい性格が継承されている。ただしクリスタはやや内向的な性格であり口数はあまり多くない。


 外見的特徴としては――

 クラウディアは赤いショートヘアが特徴的であり、その近接格闘能力を支えるために人工筋肉が多めに内蔵されているためややガッチリした体型である。目つきが鋭く瞳が大きいため、どことなくセンチュリーに似ている印象を与えると言われることがある。そのため、交通部内ではクラウディアをセンチュリーの妹と呼んでいるそうである。

 クリスタは深い青色のロングヘアで肩のあたりまでの長さ。やや細身のシルエットでクラウディアよりも小柄である。

 両名とも頭部に専用のヘルメットを装着しており必要に応じて脱着可能。また、センチュリーと異なり体表部がそのままライダースーツ仕様になっているのではなく、フィールのような素体仕様であり、専用のライダースーツ仕様のコスチュームを着用し、そこに“肩”“肘”“胸”“腰”“膝”に特殊機能を内蔵したプロテクターを取り付ける形式となる(プロテクターは内部メカニズムと直接接続され固定される)、それに専用のメカニカル式のグローブを着用する形式である。

 

 クラウディアとクリスタは特攻装警量産化のテストケースであるため、新規開発技術が盛り込まれていない。にも関わらず、それまでの特攻装警たちの能力と比較しても決して見劣りする物ではない。二人が連携することでより強大な力を発揮することが可能なのである。二人の完成はのちに特攻装警の運用を更なる新たな段階へと進ませる一助となったのである。

 

 なお、ふたりとも胸部の乳房部が成人女性のEカップクラスのサイズがある。これは体内メカニズムのレイアウト上、有機物の消化システムが組み込まれているため、その兼ね合いから大容量の超電導バッテリーを収めるスペースが得られないことから、超電導バッテリーを2つに分け胸部の乳房部にレイアウトして対応した結果である。(この手法は後にフィールの改良プランにも盛り込まれる事となる)

 二人の胸部をフィールが初めて見た時、少なからぬ抗議があったと言われている。


開発経緯:


 某日、警視庁内で話し合われた特攻装警6号機フィールの不適切運用問題の席上で交通部総務課の仁科課長より、交通部への特攻装警後継機の配備に関する意見が具申された。

 特攻装警運営委員会と国家公安委員会、そして開発元である第2科警研では、この意見について議論し、第7号機の次の開発対象となる特攻装警について、交通部の意見を採択し、交通部配備のための次号機の特攻装警開発を承認するに至った。

 これには、以下の事情が絡んでいる。

 そもそも特攻装警第3号機センチュリーは、少年犯罪課において、武装暴走族や悪質な青少年犯罪者の取り締まりを目的として配備、運用された経緯がある。しかしながら、専用のオートバイを用いて常時、都内を巡回しての勤務形態であるため、警ら任務や交通取り締まりなどの業務に立ち会う事が多く、現在では交通課との連携が大変多い状況にある。また、交通課においても武装暴走族への対応が求められている事もあり、この点においても交通課より特攻装警への応援要請が頻繁に行われており、昨今の現場情勢から鑑みるに、特攻装警センチュリーへこれ以上の依存をする事はセンチュリー本人や少年犯罪課への負担などから考えても不適切であると思わざるをえない。

 また、第2科警研側からは、今後の量産型特攻装警の開発のためのケーススタディとして、既に開発されている技術を用いて複数同時に新規機体を開発するプランが提案された。これは新規開発の技術を用いないことでコストダウンを図るとともに、短期間で効率的な大量生産技術システムを構築することがその目的であるとされている。

 特攻装警運営委員会と国家公安委員会はこのプランを了承するとともに、交通課への配備を想定した第8号機・第9号機の建造を承認するに至った。そして、2ヶ月と言う短期間で基本機体が完成し、2ヶ月と言う期間で育成が完了する事となる。そして、第8号機と第9号機は同時に東京都下の交通部に正式配備されることとなるのである。


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