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24.刺客襲来そのいち

前半、使者達について。

後半、リアンカちゃん視点で。


 前回の予告通り、勇者様が吊されます☆


 魔境の道を知るサルファを加え、勇者の元へと急ぐ使者一行の歩む速度は上がった。


 サルファという厄介な性格をした男が彼らを振り回す。

 何度となく、使者の間ではサルファを置いていこうという意見が上がった。

 それでも道を違えようという結論に至らなかった。

 それは、サルファがハテノ村までの道行きに詳しかったからに他ならない。

 何しろ、サルファが案内を買って出てから移動効率が格段に上がったのだから。

 更に使者達には納得のいかないことが一つ。

 サルファは軽薄でいい加減な振る舞いをする癖に………普通に強かったのだ。

 少なくとも、ネレイアを圧倒してしまうくらいに。

 そのことが殊更、真面目に自己研鑽を積んできた彼らには納得がいかない。


「俺? いやいや俺なんてまだまだだってー」

 悔しいながらも強さの秘密を問うと、サルファは慌てて首を振る。

「魔境は化け物ばっかりだよん? 大概はこんくらいじゃね? 割と普通だって! 魔境限定で♪」

 言い切ったサルファの笑顔に、使者達は絶望した。

 こんな、シャボン玉のような軽~い男の癖に…!と。

 嫉妬と逆恨みで闇討ち計画を立てそうになったのは彼女達の秘密である。


「ホント、俺じゃまだまだな~んだけどなぁ?

ばあちゃんはまだしも、ハテノ村の副団長さんとか相手にしたって足下にも及ばねーし」


 魔境が育んだ化け物を複数知るサルファは、強さの基準がちょっとおかしかった。

 加えてサルファ自身、マルエル婆に鍛えられる内に強くなっていたことに気付いていなかった。

 サルファの母から根性叩き直しを請け負った、マルエル婆。

 精神面での効果は全く出ていないが、皮肉にも肉体の方は健全に効果が出ていた。

 人間の国育ちでも、所詮は魔境に縁のある男。

 ところどころ標準から狂うのは致し方ないことだった。



 ぎりぎりとハンカチを咬みたいくらいに少女達を悔しがらせつつ。

 サルファの的確な案内は、確実に使者の一行をハテノ村に近づける。

 そしてとうとう、彼らは黒い城のそびえる景色を見た。


「っっって、近っ!!」


 そしてまた、ハテノ村を訪れた一見さん定番の驚きで叫びを上げたのだった。

 近くの畑から目を丸くする一行を見付けて、サムソンが腰を伸ばした。

「おー、また初めましてのお客さんかぁ。最近多いなぁ」

 硬直する一見さんは、村では特に珍しい光景ではなかった。

 ある種の風物詩めいた人間地蔵を、じっくりと眺め回す。

 一緒に野良仕事をしていた、隣接する畑の持ち主達もワラワラと集まってくる。

「サムソン、村長さんとこに知らせ行ってやれ」

「おお、そうだ。ほら、村長さんとこの勇者さんが通達お願いしますっつってただろ」

「ああ、そういやぁ。あの人達がそうか」

「勇者さんが言ってたよりちょいと人数多めだがなぁ…」

「まあ、どちらにしろ初めて来た余所者は村長さんに挨拶する決まりだろ」

「あっちの彼奴、マルエル婆んとこの最近転がり込んだお孫さんじゃねーか」

「ついでにマルエル婆にも知らせ送っとくか?」

「面倒だなー。わざわざ知らせなくても自力で帰るだろ」

 呑気に平和な村人さん達は、慣れた動作でさっさと村長さんに知らせを送った。


 相手が行商であれ、武者修行であれ、勇者であれ。

 この村にて村長さんの顔は立てるべしと言う不文律がある。

 その掟の元、お客様は村長さんの家に誘導される決まりになっていた。

 それは変な人間が入り込まないようにする為の予防措置でもある。

 見極めは村長さんの立派なお仕事であった。

 誰よりも変であり厄介なのが当の村民達であることは、素敵に棚上げして仕舞い込まれている。




「どーも。ご案内を仰せつかったムルグセストです」


 呆然とする六名を前に、淡々と告げるのは薬師の少年。

 丁度村長の家で世間話をしていたところを捕まり、案内役を押しつけられた。

 やる気のない顔で片手を上げて、おざなりなご挨拶。

「あ、えーと…むぅちゃんだっけ♪」

「そういう貴方はサルファさん。マルエル婆からつけあがらせるなって通達来てますよ」

「……………」

 友好的に片手を上げて見せたサルファは、口を開いて三秒で黙らせられた。

 今度は違う意味でサルファの軽口に閉口していた一同が、唖然。

 再度軽く頭を下げると、薬師の少年はやる気なく告げた。

「これから村長さんの家にご案内します」

「あのっ」

 声を上げたのは、ミリエラだった。

 切羽詰まったような顔で、珍しく身を乗り出している。

 焦りと哀切の湛えられた顔に、薬師の少年も歩みを止める。

「何かありましたか?」

「あのっ……その、殿下…ライオット・ベルツ殿下(さま)は」

「勇者さんにご用なんですね。聞いてます」

「え…?」

「勇者さんも村長さんの家にいますから」

 勇者様に会う為に長い道程を旅してきた六人に、否やはなかった。

 胸は弾み、ようやっと勇者様に会えるのだと。

 特にミリエラとネレイアは、期待と不安と喜びで頬を紅潮させていて。

 向かう先に待っているだろう憧れの思い人。

 その姿を、言動を想像(妄想)しながら、疲弊した体も足取り軽く進む。


 だが、向かった先で想定外の光景が待っていようとは…

 この時、誰一人として予想していなかった。


 村長さんの家からやって来て、既に目にしていた薬師以外。



 

 村の奥へ奥へと、彼らは進む。

 思ったよりも広い敷地を有する村に、平和そうなその暮らしに驚きながら進む。

 やがてより奥まった一角に足を踏み入れようとした頃…

 彼らは、声を聞いた。

 切実な悲鳴と共に、年頃の若い男女の励ます声を。


 その光景に、意図せず度肝を抜かれて全員が立ちつくした。


「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だろ。前を向くんだ、勇者!」

「勇者様がんばって! 物凄く逃げ腰だけど、頑張って!」

「もっとよく、相手の動きを見るんだ…! 勇気を出して相手の瞳をよく観察しろ!」

「そうですよ、勇者様…もう逃げ場はないんです! もう、立ち向かうしか!」


「そうやって軽く言うのは簡単だよなーっ!?」


「………まだ余裕そうだな」

「もう一段階、難易度上げる?」

「そーだなぁ…二段階、上げるか」


「!!? ま、まぁ殿…何を………はっ! しまっ…!」


「ほら、勇者! 何度も言うが、相手をよく見ろ! 相手の目に映る自分の姿ってものを感じ取れ!」

「負けないで、勇者様…! 今夜の御夕飯はミートローフですよ!」

「……………駄目だな。完全に萎縮してる」

「勇者様、もうちょっと、もうちょっとなんですよ…!?」

「そろそろ救助するべきか…?」

「まぁちゃん…もう少し、勇者様の頑張りに任せてみ…」


「ぎっ ………ぎゃあああぁぁぁぁあああああああああっっ!!」


「……………」

「………まぁちゃん、助けてあげようか」

「…そだな」



 今までで、最大の衝撃。

 驚愕も唖然も呆然も超えた。

 信じがたくも動かしがたい現実。

 それを前に、使者達は『体を動かす自由』を見失っていた。

 呼吸さえも、忘れて。

 ただ、視線を逸らすことができずに見入ってしまう。

 目の前の、信じがたい光景に。


 目の前に広がった光景。

 魔王城よりも人類最前線よりも衝撃的な光景。


 少し離れた位置で見守る、若い男女。

 その目の前で葉擦れを立てて梢を揺らす大樹。

 そこからぶらぶら簀巻きにされて、吊り下げられた…やはり若い男女。

 向かい合ってくっつくように、簀巻きの二人は固定されていて。

 少し間はある物の、二人が積極的に接近してしまえば顔もくっつきそうだ。

 …まあ、ハラハラはするが。

 よく見れば、男女の片方がどう見ても逃げようと体を反らしている。

 なので、実際にくっつくことはないだろうが。

 まるでラブラブな恋人同士のような距離。

 その片方が、どう見ても。

 

 確かめるように、確認するように、認めたくない物を探すように。

 だけど、どう見ても。

 どう見ても、大樹から吊られた男女の片方は…


 どっからどう見ても、使者達が追い求めた勇者様。

 大国の王子、ライオット・ベルツその人だった。


「ゆっ勇者の兄さん☆ な、なにやってんの(爆笑)」


 ケラケラと腹を抱えて笑い転げるサルファだけが動じていない。

 しかしあまりにも笑う彼が腹立たしくて。

 ベルガはそっと、笑い転げるサルファの腹を踏んづけた。

「ふぎゅっ」

 気の抜けた悲鳴。

 それで我に返ったのか、怒りで目を吊り上げた少女が叫ぶ。


「な、なにをやっているんですかぁ!!」

「で、殿下から離れなさい! 無礼な…!」


 先程とは意味を変えた頬の紅潮が、潤んだ目が。

 女の憎悪を宿して嫉妬に狂っていた。


 待て。あの光景を見てそっちに行くのかと。

 どう考えても酷い目に遭っているようにしか見えないのに。

 なのに、一番に気にするのは男女間の(物理的)距離の近さなのかと。

 エルティナはむしろそっちに驚き、呆気にとられていた。


 同じことを思ったのだろうか。

 無言でこちらに視線を殺到させた、見知らぬ男女。

 そのぱちくりとした目が、なんだかとても痛かった。




 そして更に吃驚することが一つ。


「………勇者様のこの状態なら、本人も合意の元ですよ?」

「マジで!?」

 

 事情を知らない来訪者達。

 その疑惑の視線が、勇者様にぐさぐさと突き刺さった。



 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆



 今日も朝からこんにちは、リアンカです。 

 昨日から、我が村では雄鶏よりもけたたましい朝の時報が始まりました。

 朝から、村の中に勇者様の悲鳴が響き渡ります。


「だぁかーらー、逃げたら駄目だって言ってるだろ!?」

「だ、だけどな、まぁ殿…! 俺の生命の根源が、生存本能が逃げろと!」

「本能ねじ伏せろ。お前の鉄壁の理性ならそんくらいできるだろ」

「あっさりと無茶ぶりか!」

「勇者様の危機管理能力、凄まじいですからねー。でも、今は眠らせてください」

他人事(ひとごと)でいいな、リアンカ達は!」

「応援くらいはしますから、観念してください」

「う……っ」


 勇者様は超逃げ腰です。

 ですが、それも無理はありません。

 勇者様を捕まえようとやってくる、使者の女性達。

 彼女達に対する粗方の方針が決まった一昨日。

 その時から、早速まぁちゃんによる修業…指導? が始まったよ。

 なにがって? あれですよ。


 勇者様の、状態異常付与:魅了の制御訓練が、です。


 瞳に由来する魔族の状態異常付与。

 それとは系統というか、根本が違うらしいので指導は困難を極めるそうですが。

 それでも勇者様の為に一肌脱いだ、まぁちゃん。

 魔王なりの知識と勘で、勇者様の指導に当たります。

 諦めつつも、有難く受け入れた勇者様。

 彼には、今までの人生で最も過酷な修行となることでしょう。


 しかし傍目には勇者様が拷問にあっているようにしか見えません。


 それも精神的にどぎつい感じですね。

 まず勇者様の魅了効果がどんな症状をもたらすのか、どの辺が作用して状態異常に至るのか。

 それを指導するまぁちゃん曰く、

 制御法を模索する勇者様の両名が把握する必要があると…

 ………特に、勇者様が把握しなきゃいけないと。

 まぁちゃんがもっともらしく言いまして。

 

 現在、勇者様は魔境に来て以来、(かつ)てない苦境に立たされておいでです。


 具体的に勇者様が何をされているのかと言いますと。

「ほら、折角ルーミィちゃんが協力してくれてるんだぞ!? 男を見せろ!」

「まぁ殿! この状況で男を見せろなんて言われたら違う意味にならないか!?」

「細かいことは気にすんな」

「俺が気にする! せめて、もう少し距離を取らせてくれ…!」

「離れてどーする! 意味が無くなるだろ!?」

「ううぅ……!」

 放っておくと精神的に耐えられないのか逃亡を図ろうとするので。

 勇者様は逃亡防止として、簀巻きです。

 金剛石の鎖でぐるぐる巻にされた上、木から吊られています。

 わざわざ勇者様が逃げられないような、特殊な鎖を宝物殿から探してきてくれたんですよ。

 勿論、まぁちゃんが。

 何でも(かつ)て、まぁちゃんの八代前のご先祖様が夫婦喧嘩で使われた一品だとか。

 当時の魔王は俺様な偉丈夫だったとか。

 ですが夫婦喧嘩の際には、よく嫁さんに縛り上げられてシバかれていたそうです。

 まぁちゃんの持ってる、黒い逸話集に書いてありました。


 魔王も戒める鎖を前に、勇者様は逃げ場無し。

 足が地面に付いていないので、踏ん張ることもできません。

 縛り方も、ヨシュアンさんにやって貰いましたからね…

 絶対に緩みませんよ、あれ。

 太鼓判を押したヨシュアンさんに、とても微妙な気持ちになりました。


 さて、固定された勇者様の前には、一人の若い女性。

 勇者様の魅了効果を確認するのに、協力を買って出てくれた奇特なお嬢さんです。

 ルーミィちゃん、自分は大事にしなきゃ駄目だよ…。

 別に私でも良かったんですが、私には魅了も効きませんからね。

 外部で協力者を募った時、まぁちゃんが言いました。

「草食小動物系の、獣人にしよう」

 まぁちゃん、なんて(勇者様に)酷な選択を…!

 一人分かっていない勇者様を残して、私は口を手で押さえてしまいました。

 勇者様、可哀想に…。

 絶対に分かっていないまま、勇者様は承諾してしまいました。


 草食小動物系の獣人は、好奇心旺盛な為でしょうか…

 その、獣人って、往々にして魔力も低いんですよね。

 そのせいもあるのかも知れませんけれど…

 なんというか………魅了系の状態異常に対する耐性が、極端に低いんです。

 普段はそれを補う為、自分達で気をつけているんだけど。

 今回は修業のお付き合いと言うことで、率先して魅了効果にかかってくれるらしい。

 一度、思いっきり激しくメロメロに恋に落ちる体験がしてみたかったんだって……

 これ、疑似体験だけど。

 勿論、私やまぁちゃんも魅了効果を無効にする為の準備はしています。

 何か変な後遺症が出なければ良いけれど…。


 結果の見えた先に、私は勇者様の健闘を祈って瞑目しました。


 そして、今に至る。



「◇×●○●×☆▼△▼♪**◇■*◇*★●★…!!」


 只今、ルーミィちゃんは正気を失ってますね! 見事に!

 人の言葉も忘れたのか、何を言っているのか意味不明!

 目が、いっちゃってました。

 勇者様もドン引きです。

 彼曰く生存本能が素敵なことになっているらしく、逃げようと必死に藻掻いています。

 ルーミィちゃんは逃げようとする勇者様を、ただただ必死に追いかけて…

 あれ、私の気のせいじゃないなら、なんか食いつこうとしてないかな。

 目の錯覚かなー…(遠い目)。


 常軌を逸した行動に出られては面倒ですし、後々ルーミィちゃんの為にもなりませんから。

 ルーミィちゃんが形振り構わなくなったあたりで、ルーミィちゃんも縛り上げられました。

 胸は痛みますが、これもルーミィちゃんの為です。

 事前にそういうこともするかもしれないって、一応許可は取ってました。

 今も体を気遣って、鎖じゃなくて布団で簀巻きにしています。

 そろそろ布団巻きは厳しい季節ですが…

 まぁちゃんが氷を召喚して、周囲の気温は涼しく保たれています。

 今、二人は仲良く簀巻きです。

 おそろいだね☆と言ってみたら嬉しそうに微笑まれました。

 勇者様は悪くないんですが……魅了強すぎて、超怖い。


「勇者、だから逃げるなって。腹括って潔くルーミィちゃんの目を覗き込んでみ?

そんでルーミィちゃんに自分がどう見えているのか確認してみろ」

「まぁ殿…っ 貴方は鬼だ……!」

「おいおい、自分の体質を克服したいってお願いしてきたのはお前だろー?

俺はお願いされた立場、了解?」

「俺がどんなに苦しんでいるのか、分からないのか!?」

「見てりゃ大体わかるぞ。お前、分かりやすいし」

「だったら……!」

「何にしろ、魅了に当てられてるお嬢さんに自分がどう見えるのか、どこが作用してるのか、確認して自覚できるようになるまで地獄は続くぞ? 自分で認識しねーと意味ねぇんだから」

「そんな余裕が俺にあると思うのか…!?」

「なくっても、やれ。早く開放されたきゃ、自分のどこがやべぇのかとっとと目で認識しろ」

「そんな簡単に認識なんてできるか…!」

「お前が怯えて、相手の目をまともに見られねぇから分かんねーんだよ。

自分を見ている相手の目ってのが、一番分かりやすいんだぞ」

「まぁ殿、貴方は今、俺の十九年を否定した…!

逃げ回って生き延びた俺に、相手の目を見るなんて怖すぎることは無理だ!」

「本人のお前が自覚しねーと制御できねぇだろ。諦めろ」

「く…っ」


 こんな感じのことを、昨日からずっとやっています。

 勿論、夜になったらルーミィちゃんは魅了効果を解除した上で、お家に帰るけど。

 ご飯の時以外、お昼はずっと拷問☆タイムです。

 勇者様の苦しみ、嘆きは凄いことになっていました。


 いや、まぁちゃんには今のところ苦しめようなんて他意はないんですけどね。

 大丈夫です、わかってます。

 あれは拷問じゃない。

 うん、きっと、多分、拷問じゃない…はず。

 ………はず、だよね? まぁちゃん?



 そんな感じで、レッツ☆拷問な時間を過ごしていた私達。

 とっても他人事な感じで応援する私。

 予想よりも一日早く到着した使者さん達が目撃したのは、丁度こんな場面でした。


 何故かその中に混じっていたサルファが、近くによって来て叫びます。

 それはもう、悔しそうに握り拳を振り上げて。


「勇者の兄さん、ずるい! こんな可愛いバニーちゃんと密着って、何その美味しい状況!」

「縛られ逃げようとしている俺のこの状況を見て、言うことはそれだけかぁぁあああああっ!!」


 半泣きの勇者様の叫びが、悲しく村にこだました。





兎の獣人ルーミィちゃん(16)

 獣人は総じて成長が早く、発育も良し。

 成人も早ければ結婚適齢期も早い。

 十歳前後で成人して、結婚もできるようになります。


 ルーミィちゃんは旦那さんと四人のお子さんがいます。

 穏やかな恋を育んで結婚に至った、幼馴染みの旦那さん。

 愛はあるけれど、一度激しい恋を疑似体験してみたかったそうな。



次回予告

 リアンカちゃんがうっかりアレをやります。


→(例)

「あ~れ~、お殿様堪忍してぇ~」

「ふはははははっ良いではないか、良いではないか!」


…の、アレ。


 真偽の程は、次回をお楽しみに☆


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