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【配信デスゲーム】モンスターに弱いオワコン侍、探索者同士の殺し合いでは最強でした~古流剣術は人を斬るための技だった~  作者: 緋村 獏


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偏重編成


「どしたー?」


リンが覗き込んできた。


「コメントで、右警戒しろって」


トラップか……?


いきなり斬りかかってくるとか。

いや、むしろこの状況で視聴者を利用しない手はない。

他の配信を見てる奴なら、俺たちの位置も敵の位置も分かる。


善意で教えてくれてる可能性はある。

けど——アンチが嘘を流してる可能性も、ある。


「ちょっと慎重に進もうぜ」


全員が頷いた。

通路を進む。壁を確認する。


……何もなさそうだな。罠らしいものは見えない。

やっぱ出口付近か?


「ねぇ、やっぱり罠っぽくない? アンチの可能性あるよ」


リンが小声で言った。

そうだよな。さっきの炎上の直後だ。

殺された配信者のファンが、俺を嵌めようとしてても不思議じゃない。


でも、本当だった場合に無視するのはもっとまずい。


「よし、俺とガロが先行する。それなら右と左、どっちから斬りかかられても返せる」

 

「ナイスアイデア!」

「了解でござる」


ミオとアオイも頷いた。


通路の先に、部屋への出口が見えてきた。

光が漏れている。広そうだ。


「んじゃ、せーので部屋に出るぞ」


ガロが頷いた。

柄を握り直す。汗で滑る。


「せーのっ——」


二人一斉に飛び出した。


右を見た。左を見た。


……何もない?


広い岩場のエリアだった。天井が高い。

岩の塊がいくつも転がっていて、隠れる場所は何ヶ所かある。


部屋を出る通路は——左。


「釣りでござるか……?」


ガロが盾を構えたまま呟いた。


「どういうことだ……」


右の岩場に隠れてるってことか?

それとも、本当にただのアンチの嘘か?


……いや、後ろからの追撃が一番まずい。確認しとくべきだ。


「ちょっと、みんな固まろうぜ」


五人が集まった。なるべく一塊になって行動する。

ガロが前、俺が横、リンとアオイとミオが中。


「炙り出しちゃう?」


リンが手のひらに赤い光を灯した。


「だな」

「赤魔法——それっ!」


火球が岩場に着弾した。炎が岩肌を舐めて広がる。

熱風が顔を叩いた。


——誰も出てこない。


やっぱり空か?


「……ガロ!」


アオイの声。

振り返った。


後ろだ。

二つの火球が迫っていた。


「ぐぬっ……!」


ガロが反転して盾を構えた。ギリギリ間に合った。

火球が盾に直撃して、爆炎が散る。


左だ。左の岩場に隠れてやがった。

くっそ、やっぱ罠かよ!!


ドォン! ドォン!


「重いでござる……!」


ガロが盾を押し込まれて後退する。膝が石畳を削った。

てか——


「魔法多くない!? 反撃のスキがないよ!」


リンが叫んだ。

そう、この火球の連弾。一人の手数じゃない。


キャスター二人編成か?

磔にされたらヤバい。ガロが盾で耐えてる間にジリジリ押されて、逃げ場がなくなる。


「俺が行く!」


ざけんな。クソッ。


ガロの背後から抜け出した。

石畳を蹴って、全力で駆け出す。


——速い。

足が、軽い。


さっきまでと全然違う。地面を蹴る力が、そのまま速度に変わる。

レベルアップ、してんのか俺。


右から大きく回り込む、火球の発射元。

見えた。


奥に四人。キャスター二人が杖を構えている。その後ろにタンクとヒーラー。

キャスターの杖がこっちを向いた。魔力が集まる。


来い。


火球が放たれた。二発同時。


体が沈んだ。足が勝手に動いて、横に跳ねた。

避けた——いや、避けれた。見えてる。さっきより見えてる。


距離を詰める。


「退避!!」


タンクが叫んだ。低い声。判断が速い。

後退しながら盾を構えて、キャスター二人を背後に庇う。

三人が次の通路へ向かって走り始めた。


こいつがリーダーか。撤退の判断が早い。

逃がさない。間に合う。


刀を振り上げた。

全体重を乗せて、叩きつける。


「ヤァッ!!」


ガンッ!!


盾に直撃。衝撃が腕を伝って、タンクの体が大きく後退した。


「うおっ——!」


もう一撃。


ガンッ!!


すっげぇ押せてる。力が全然違う。

けど——硬い。ガチタンクだこいつ。盾の受け方が上手い。衝撃を流してる。


タンクが更に後退していく。仲間を逃がすために耐えてる。

通路の角を曲がられた。


……ダメだ。逃げられた。


「追いかける!?」


リンが後ろから駆けてきた。


「待て待て!」


通路の奥を睨んだ。狭い。暗い。


「キャスター二人いた。この通路じゃ厳しい」


狭い通路で炎を撃たれたら逃げ場がない。

酸素を吸われたら窒息もありえる。分かんねぇけど、リスクがデカすぎる。


「一旦待ちだ」


はぁ……はぁ……。


この部屋に入る前の通路内で磔にされたら終わってた。

広い部屋に出てたから、俺が横から突っ込めた。

運が良かっただけだ。


「ガロさん、大丈夫?」


ミオが駆け寄っていた。


「……ヒール」


アオイとミオの手が光る。ガロの肩を包んだ。

火傷していた。盾の縁から炎が回り込んだんだろう。

皮膚が赤く爛れていた。


「かたじけないでござる……」


ガロが歯を食いしばりながら頷いた。


アンチの野郎……ふざけんなよ、クソッ。


あのコメント、完全にこっちの裏をかくための偽情報だった。

右を警戒させて、左から撃つ。


配信って、こういうことかよ。

見てる奴ら全員が、敵になりうる。



 

――――


 

『うわ生きてんのかよ』

『さすがに硬いな』

『ガロ火傷してね?』

『右警戒しろニキ嘘だったんか』

『特定はよ』

『スパイいて草』

『てか足速くなってね?カナエ』

『レベル上がってんだろ』

『次はうまくやれ』


 

――――


 

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