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初仕事はキノコ狩り?②
「へぇ、あなたがこの依頼を?」
ギルドの受付カウンターに依頼書を持っていくと、対応した女性職員が目を丸くした。
「珍しいわね。最近この依頼、ぜーんぜん受け手がいないのよ。毒胞子で服が溶けるとか、吐き気がひどいとかで、嫌われまくり」
「じゃあ今が狙い目ってわけですね。報酬も悪くないし」
「……まあ、止めはしないけど、気をつけてね。新米が死んだら寝覚めが悪いし」
「大丈夫ですよ。俺、毒大好きなんです」
そう言って微笑むと、職員の女性は「変な新人来たなあ……」と呟きながら、依頼書に判を押した。
それから最低限の装備を整え、地図を確認し、俺は再び森へと足を運んだ。
……もう、道に迷わないようにな。