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初めての挫折と再会②

森の奥の洞窟。



湿気のこもった岩場の空気。足元に広がる不気味なぬめり。カイは毒ナイフを手に、洞窟の奥を進んでいた。



「出たな……岩甲トカゲ」



現れたのは、全身を岩のような鱗に覆われた巨大なトカゲ。瞳は爛々と輝き、牙をむき出しにして威嚇してくる。



「まずは、毒だ!」



カイは素早く麻痺毒を塗ったナイフを投げる。しかし――



カキィンッ!



ナイフは岩甲に弾かれ、毒が効いた様子はまるでない。



「うそだろ……効かねえ!?」


 

剣を抜き、岩甲トカゲに斬りかかるが剣術を磨いておらず、身体を鍛えている訳でもないカイには傷1つ付けることが出来ない。



次の瞬間、岩甲トカゲの尾が大きく振り抜かれ、カイは吹き飛ばされた。



「ぐっ……!?」



腕に裂傷を負い、ポーションを取り出しながら後退する。



「やばいやばいやばい!全然効かないし硬すぎるだろ!撤退撤退っ!」



カイは必死で逃げ出し、森を抜けてギルドに戻った。


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