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毒に襲われた村④

「お願いだ、娘を……娘を助けてくれ……!」



農家の男が駆け寄ってくる。診療所の中には、10歳くらいの少女が苦しそうに寝ていた。体には汗がにじみ、唇は青い。



「刺されたのは……昨日の朝だ。俺のために畑に薬草を取りに……」



「なるほど、ドレッドワスプの麻痺毒の症状ですね。ギルドで教えてもらった解毒薬を調合すればなんとか……」



カイは即座に手持ちの素材と薬品を確認する。



(出発前に採取したツクモカズラと白殻のキノコ、そして精製しておいた中和液――)



即席の小瓶で解毒薬を混ぜる。比率は通常よりもやや濃いめ。少女に飲ませると、しばらくして呼吸が落ち着き、苦しみも和らいだようだった。



「すごい……あんた、本当にただの冒険者か?」



「うーん、ただの毒が大好きな変人って感じかな?」



カイは肩をすくめて笑った。だが心の中では確信していた。この村を救うのは、毒を愛し、毒と共に歩んできた自分しかいない――と。


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