1 大姉弟
十二月三日
ピピピッピピピッ
朝のタイマーが鳴る。
「う~」
隣のベットで寝ていた子が伸びをする。
「おはよ~かなくん」
「おはよおかなぁ」
私の名前は清水華奈。
六歳で、幼稚園の年長さん。
かなくんと呼ばれた男の子は清水華奈空くん。双子の弟だよ。
そしてここは私たちの寝室。私たちは姉弟が多いから三人で一部屋。私とかなたくん。それに、ふうまくんという、弟が同じ部屋。それにまだ六歳だからね。
「ふうま起こすね。」
かなたくんがいった「ふうま」というのは私たちの弟で年中さんのふうまくんの事だ。
「うん。私はふうとくんと、きくとくんを起こしてくる。」
ふうとくん、きくとくんとはさらに弟で三歳と二歳の男の子。
「きくま起こさないようにね」
きくまくんはさらに弟で一歳の男の子。
お母さんの手が埋まっちゃうからできるだけ起こさないようにするのがミッションなのだ。
「うん。」
そう。私たちは六人兄弟。これから二人増えるけどね!
よし。ふうとくんときくとくん起こしてこないと。
私は、着替えてから部屋に向かった。
+*+
(相変わらずひどい寝相だ。)
ここはまだ小さい子がいるので床に布団を敷いて寝ている。
おねしょをすると大変だし。
ふうとくんは変わってないけど、きくとくんは、父さんを越して床で寝てるし…ってあれ?
ふうとくん、おねしょしてる。
父さんはいびきが止まない。よく寝られるよねって思いながら、前はこんなところでぐっすり寝ていた私がいる。
「ほら~きくとくん?おはよ~床で寝てたら風邪ひくよぉ」
肩を揺らしてきくとくんを起こす
「う〰〰〰〰?おうああ?」
とても軽い眠りだったのかすぐ起きてくれた。
「そうだよ~朝だから起きる時間だよ~ふうとくんがおねしょしてるから手伝ってくれる人~」
「あ~い!…おーいい、こあいうええおいあ?」
「ヴ~ン…」
うなされている。
きくとくんの考えは合っているかも。
「そうかも。ふうとくんを起こしてくれる人~」
「あ~い!」
そういい返事をするとふうとくんの前にしゃがんで、
ペシペシ
とほっぺを叩いて、
「おいろ~」
と言った。
だが起きないふうとくんにもっと叩くきくとくん。
ベシベシ
「おいえ~」
まだまだ起きないふうとくんにもっと強く叩く。
ベチンベチン
「おいえお~」
「いくと、いたいあらやめて。」
「おいた~」
起きたけど、まだたたき続けるきくとくん。
「きくとくん、もうたたかないよ。」
楽しくなっちゃったのか叩くのをやめない。
「お兄ちゃんいたいあらやめて。」
「そういうふうとくんが起きたらいいよ?」
「ぼくあおいればいいのんでしょ」
「そう。」
そう言うとゆっくりと起き上がった。
「とーにい早う着あえうお?」
「わあったよでもそのあわり」
「こちょこちょだめ~」
きくとくんをこちょこちょする気満々だったふうとくんの前で両手でばつを作る。
「…わあった。一緒にいあえよう。」
「あ~い」
きくまくんおきてなし。
あ~布団までビショビショ。天気はいいみたいだから、干さないと。
「と~さん。起きて。布団干すよ。」
今度はとーさんを起こす。
私の力だと布団は持ち上げられない。
「も~ちょっと寝かせろよぉ」
今日も仕事があるのにのんびりするとーさん
「や~。」
着替えながら断るきくとくん。
「そんな意地悪するなら…コチョコチョだ~!」
「お~さん!あえて!」
「まま?まま、ままぁ」
その声に反応して起きてしまったきくまくん
「あ~きくとくん起きちゃったよぉ?遊んでないでとーさんシーツ、布団頼んだからね。」
「はーい」
「きくとくんおはよう。ままのとこ行く?」
寝転んでいるきくまくんに向かって話しかける。
「ままぁ」
「わかった」
私は抱っこしてお母さんの所へ連れて行く。
翆 「あ~なんでカッコで名前書いてたの?へたくそ~」
小 「めんどくさくなってるな。」
翆 「ちなみにかな、かなた、ふうまは発音完璧、ふうとはカ行が苦手、きくとは大体カ行以外、きくまはまだそんなしゃべれないって感じです。ちょっと喋れるのを増やしていこうかなって感じです。」
小 「下にそれぞれの情報載せるから必要に応じで見てな。」
長女 華奈 六歳 七月九日生まれ
長男 華奈空六歳 七月九日生まれ
次男 楓真 五歳 四月三日生まれ
三男 楓斗 三歳 十月二十日生まれ
四男 菊斗 二歳 十一月二十五日生まれ
五男 菊真 一歳 九月三十日生まれ
六男 ?? 胎児 ?月?日生まれ
七男 ?? 胎児 ?月?日生まれ