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魔法少女が死んだ  作者: 蟻
魔法少女が死んだ【録音テープの記録】
9/11

録音テープ【 0 】

再生されなかった録音テープがあるようだ。

随分と汚く、ボロボロのビデオテープ。

一体どんな内容のものが再生されるのか.....。

覚悟を決め、再生した音声は

明るく楽しそうな少女たちの声だった。



《古びた録音テープの記録》


「あー、あー、

これってとれてるかな?」


『ランプが点滅してるから、大丈夫やろ!』


《せっかく寝ていたのに...

まさかこんな夜中に叩き起されるなんて

思いもしなかったわ》


『おー、怖怖!

そんな睨まんといてよぉ』


「ほら、二人とも喧嘩しないで!

これから私たちの魔法少女伝説が始まるんだよ

その大切な記録なんだから、

真面目にやってもらわないと!」


《魔法少女伝説って何よ...

そもそもあんな戦い方、美しくないわ》


『えー?

ウチは結構いいと思うけどなぁ

でも、あの痛みってどうにかならんのかなー?』


「......…」


《.......》


『え、あ、ご、ごめん.....』


「んーん!いいの!

きっと私たちの絆が強くなればなるほど、

痛くなくなるし世界も平和になるよ!」


《考え方が幼稚ね》


「ちょっとカレン!

私は真剣にそう思っているのに!」


『まー!まー!

ってことは、

ウチらはまだまだ仲良くなれるってことよな!?』


「そういうこと!」


《アホらし.....

もう寝ていいかしら?》


「だーめー!」


『ここで魔法少女宣誓をやるって言うたやん!』


《何の宣誓よ》


「私がお手本を見せるから、

ちゃーんと見ててね!」


『おう!』


「えーっと、

宣誓ー!私は魔法少女として

家族と友達と好きな人、あとは...

その他の色んな人たちを守ります!絶対に!」


『おぉー!ええやん!』


《その他の人に対して雑じゃない?》


「うーるーさーいー!

はい、次はカレン!」


《私はさっさと魔法少女としての責務を果たし、

家に帰りたいと思います》


「かーれーんーーー!!」


《なによ》


『あっはっはっは!

じゃあ、ラストはウチがしめるで!!』


「任せたよ、カエデ!」


『宣誓!ウチは.....、

.......えっと...この3人で.....

早く平和な世界を取り戻して

日常生活を送りたいです.....

こんな、施設じゃなくて.......学校とか、

オシャレなカフェとか

.......ウチ、ここじゃない場所で

二人に会いたかった.......』


「カエデ.......」


《.........》


『...なぁ、ウチら帰れるんかな?』


「.......それは...」


《帰れるわよ》


「え?」


《仕方ないから

私が二人を守ってあげる

一応、最年長だし》


『カレン.....』


「.....じゃあ、私も二人を守るね!」


『えっ!?

じゃ、じゃあウチも!!』


《その前に自分のことを守りなさいよ》


「もうー!馬鹿にしてー!!」


『あっははは!!』


《.......ふふ、》


「うぅ.....、よし!

とりあえず今日はここまでにしようか!」


『そうやなー』


《やっと眠れるわ》


「はーい!

ってことで、魔法少女戦士たちは

次の戦いに備えて眠ります!

次の放送をお楽しみにー!」


『なんの放送やねん!』


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