録音テープ【 1 】
鬱・グロ・残酷描写を含みます。
魔法少女のイメージを崩したくない方は
閲覧をおすすめしません。
魔法少女が死んだ。
国から選ばれた高純度のMAを持つ少女3人のことを私たちは魔法少女と呼んでいる。
その魔法少女3人が、死んだ。
これから私が話すことは全て本当のこと。
だから.....、それを聞いて.....。
あなたがどう思うか考え直して欲しい。
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《録音テープの記録1》
始まりは国から報じられた魔法少女たちの死だった。
テレビでしか見たことのない、画面内の少女たち。
彼女たちはいつも輝いていて美しかった。
実際に戦っているところは見たことがない。
突如現れた怪物たちから身を守るため、人類はあらゆる手段を尽くした。
その成果が都市シェルター化。
怪物の発生を検知すると、町からいくつかの大型シェルター施設が現れる。
そこに私たち民間人は避難し、魔法少女たちが解決してくれるまで待つのだ。
だから、魔法少女たちの姿を実際に見たことがなかった。
「魔法少女がお亡くなりになられました。
彼女たちの栄光と勇敢さは忘れません。
次の魔法少女候補を決めるため、16〜18歳までの少女は魔法少女適性検査を受けてください。」
政府は次の魔法少女を決めるため、検査対象の少女たちに検査薬を配布して提出するように言った。
提出を拒否した場合は罰せられる。
そのため、少女たちは検査をせざるを得なかった。
私ももちろん検査したよ。
...そして、選ばれた。
新しい魔法少女に。
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録音テープはここで途切れている。
俺は次の録音テープを取り出し、再生した。
ブツブツと途切れながらも同じ声が聞こえる。
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書類が家に届いて、知らない大人たちに
大きな知らない施設に連れていかれた。
今日から学校に通えなくなって、普通の生活が送れなくなったということだけは理解できた。
私の他にも2人の女の子がいた。
一人は、カレン。
髪が長くてお人形さんみたいな顔の女の子。
キッチリした洋服を着てて、ずっと黙ってた。
もう一人は、カエデ。
ポニーテールをしていて、髪の色が明るい子だった。
ちょっと不良っぽくて怖かった。
でも、私に「あんたも魔法少女なん?」って聞いてきて、すぐに打ち解けられた。
カエデは仕切りにカレンに話しかけていたけれど、ずっと無視されていたなぁ。
...........懐かしい。
私たちは3人とも魔法少女に選ばれた。
だから、国の管理下で生活しなければならなかった。
でも、最初は分からなかった。
また絶対帰れるって思ってた。
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しばらく砂嵐のようなザーザー音が鳴り、
カチリと音がして少女の声が戻ってきた。
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ちょっと不安定かな。
...とれてるよね、これ。
ごめんなさい。
じゃあ、続けるね。
.....初めて戦った敵のことはよく覚えてる。
芋虫みたいな気持ち悪い見た目をしていた。
テレビで見た、キャラクターみたいな怪物とは
全然違っていて私は悲鳴をあげた。
カエデは関西弁で文句を言っていて、
カレンは嫌そうな顔をしていた。
ワイヤレスイヤホンみたいな機械から
私たちは武器を使って怪物を倒すよう命令された。
魔法少女だから、魔法のステッキを使って
可愛く綺麗に倒せるんだとずっと思っていたのに。
テレビで見たものは偽物の魔法少女の姿だったことを、
私はそこで初めて知った。
渡された武器は銃みたいなみたこともないものだった。
腕や背中に変な吸盤を付けられて、
それが武器に繋がっていた。
射撃の合図をされて、軽く引き金をひいたら.....。
身体の奥が搾り取られるみたいにめちゃくちゃに痛かった。
カエデとカレンも悲鳴をあげてたのかな。
私は自分の痛みが壮絶すぎて、もう分からなかった。
芋虫はバラバラになって死んだみたいで。
痛みで暴れる私を、特殊部隊の格好の人たちが
担架に乗せて運んで行った。
そこから先は覚えてない。
痛みに気絶したのか、目を覚ますとベッドに寝かされていた。
腕には点滴がされていて、カエデもカレンもいなかった。
私、さっきまであったことが怖くなっちゃって。
.......夢だと信じたかった。
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