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魔法少女が死んだ  作者: 蟻
魔法少女が死んだ【録音テープの記録】
1/11

録音テープ【 1 】

鬱・グロ・残酷描写を含みます。

魔法少女のイメージを崩したくない方は

閲覧をおすすめしません。


魔法少女が死んだ。

国から選ばれた高純度のMAマジックアビリティ を持つ少女3人のことを私たちは魔法少女と呼んでいる。


その魔法少女3人が、死んだ。



これから私が話すことは全て本当のこと。

だから.....、それを聞いて.....。

あなたがどう思うか考え直して欲しい。



━━━━━━━━━━━━━━━

《録音テープの記録1》


始まりは国から報じられた魔法少女たちの死だった。

テレビでしか見たことのない、画面内の少女たち。

彼女たちはいつも輝いていて美しかった。


実際に戦っているところは見たことがない。

突如現れた怪物たちから身を守るため、人類はあらゆる手段を尽くした。

その成果が都市シェルター化。

怪物の発生を検知すると、町からいくつかの大型シェルター施設が現れる。

そこに私たち民間人は避難し、魔法少女たちが解決してくれるまで待つのだ。


だから、魔法少女たちの姿を実際に見たことがなかった。


「魔法少女がお亡くなりになられました。

彼女たちの栄光と勇敢さは忘れません。

次の魔法少女候補を決めるため、16〜18歳までの少女は魔法少女適性検査を受けてください。」


政府は次の魔法少女を決めるため、検査対象の少女たちに検査薬を配布して提出するように言った。


提出を拒否した場合は罰せられる。

そのため、少女たちは検査をせざるを得なかった。


私ももちろん検査したよ。

...そして、選ばれた。

新しい魔法少女に。


━━━━━━━━━━━━━━━


録音テープはここで途切れている。

俺は次の録音テープを取り出し、再生した。

ブツブツと途切れながらも同じ声が聞こえる。


━━━━━━━━━━━━━━━


書類が家に届いて、知らない大人たちに

大きな知らない施設に連れていかれた。


今日から学校に通えなくなって、普通の生活が送れなくなったということだけは理解できた。


私の他にも2人の女の子がいた。

一人は、カレン。

髪が長くてお人形さんみたいな顔の女の子。

キッチリした洋服を着てて、ずっと黙ってた。


もう一人は、カエデ。

ポニーテールをしていて、髪の色が明るい子だった。

ちょっと不良っぽくて怖かった。

でも、私に「あんたも魔法少女なん?」って聞いてきて、すぐに打ち解けられた。

カエデは仕切りにカレンに話しかけていたけれど、ずっと無視されていたなぁ。


...........懐かしい。


私たちは3人とも魔法少女に選ばれた。

だから、国の管理下で生活しなければならなかった。

でも、最初は分からなかった。

また絶対帰れるって思ってた。


━━━━━━━━━━━━━━━


しばらく砂嵐のようなザーザー音が鳴り、

カチリと音がして少女の声が戻ってきた。


━━━━━━━━━━━━━━━


ちょっと不安定かな。

...とれてるよね、これ。

ごめんなさい。

じゃあ、続けるね。



.....初めて戦った敵のことはよく覚えてる。

芋虫みたいな気持ち悪い見た目をしていた。

テレビで見た、キャラクターみたいな怪物とは

全然違っていて私は悲鳴をあげた。


カエデは関西弁で文句を言っていて、

カレンは嫌そうな顔をしていた。


ワイヤレスイヤホンみたいな機械から

私たちは武器を使って怪物を倒すよう命令された。


魔法少女だから、魔法のステッキを使って

可愛く綺麗に倒せるんだとずっと思っていたのに。


テレビで見たものは偽物の魔法少女の姿だったことを、

私はそこで初めて知った。


渡された武器は銃みたいなみたこともないものだった。

腕や背中に変な吸盤を付けられて、

それが武器に繋がっていた。


射撃の合図をされて、軽く引き金をひいたら.....。


身体の奥が搾り取られるみたいにめちゃくちゃに痛かった。


カエデとカレンも悲鳴をあげてたのかな。

私は自分の痛みが壮絶すぎて、もう分からなかった。


芋虫はバラバラになって死んだみたいで。

痛みで暴れる私を、特殊部隊の格好の人たちが

担架に乗せて運んで行った。


そこから先は覚えてない。

痛みに気絶したのか、目を覚ますとベッドに寝かされていた。

腕には点滴がされていて、カエデもカレンもいなかった。

私、さっきまであったことが怖くなっちゃって。

.......夢だと信じたかった。


━━━━━━━━━━━━━━━



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