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66最弱チートのぼくと最強チートの君
「知渡子!」
ぼくの叫びだ。何度も呼んだ名前だ。
「さぁ世輪背川夜和斗! 魔王を復活させてみろ!」
ザコは言う。そこには目的以外何も見えていないようだ。
「領域虚無――悪鬼ノ型、禍天災地」
ぼくの中の魔王は知渡子に移る。
知渡子の左胸の傷はふさがった。もう新たな人格が彼女の中で芽生えている。
『領域虚無――万象ノ型、森羅転生』
ぼくと魔王は声を揃えた。
世界は永遠の夜に支配された。
こうして世界は滅んだ。
また新たな世界がはじまる。
めでたしめでたし