6事件
日が暮れて、ぼくがポチの散歩をし終えた頃、事件は唐突に起きた。
「開けろ夜和斗! いるんだろ!」
村のみんながぼくの家に押しかけて来て、
「うちの畑を荒らしたな!」「家畜の豚を殺しただろ!」
「ええ、身に覚えないんですけど」
「嘘をつくな!」「お前しかやる奴いないだろ!」
えぇ、冤罪は困るなぁ。というかどうしてやる奴がぼくしかいないって分かるんだ? ぼくって村のヒトにそんなに嫌われているのか?
「そうよ! わたし見てたんだから、夜和斗が田畑を荒らしてるところをね」
これはチャンスとばかりに知渡子は言い切った。
「――そんな! あり得ないよ、ぼくがそんな酷い事するはずないだろ! 今日は犬のポチと朝から晩まで散歩していたんだ!」
嘘ではない。一週間ポチを散歩出来ない代わりに今日一日ずっと散歩に付き合うことにしたんだ。
「信じられるか!」「そんな体力チート持っているなら見せてみろ!」
「そうよ! チートを見せてみなさいよ! どうせわたしたちのチートをバカにしているんでしょ」
「チートをバカにしているわけじゃないよ」
少しバカにしているけど……あ、ぼくはチートをバカにしているのか。
「じゃあ見せなさいよ!」
「そこまで言うなら分かったよ。ぼくが真犯人を見つける、それで事件は解決だ」
無実の証明をしてみせる。
「はっやってみなさい夜和斗、でもできなかったら冒険者になるのよ」
「分かった、冒険者にでもなんにでもなるよ」
「じゃあ決まりね、一週間で犯人を見つけなさい」
「いいだろう」