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57キノコの日

知渡子視点

 おはよう、こんにちは、こんばんは知渡子です。

 今凄い楽しい状況が現実で起こっています。


「行くわよ夜和斗、ほら取ってこーい!」

「あんっあんっワオーン!」

 と、わたしは何をやっているか?

 わたしはペットの夜和斗を躾けているのだ。


 なぜ躾けるのか? これといって深い意味はない。ただ暇だったから投げたボールを取ってきてもらっていた。

「よしよし良い子良い子、御褒美に今日の夜食は猫まんまにしてあげますからねぇ」

「わん!」

 ん? 嬉しい? 楽しい? 滅茶苦茶つまらないよ。


「もう一回、ほら取ってこーい」

「あの、いい加減にぼくで遊ぶのやめてくれない?」

「いいじゃん別に減るもんじゃないでしょ」


「いや、ぼくの男としてのプライド滅茶苦茶にされているんだけど」

「あはははっ」

「あはははじゃない」

 こんな状況になったのはいろいろあったからだ。




 そう、この物語は夜和斗に変なキノコを食べさせたことから始まる…………


「今夜の夕食はキノコのキノコ漬けよ!」

「何? その菌類と菌類を合わせたようなブラックな漬物」


「ほら夜和斗、わたし頑張って作ったんだから食べてみて」

「いらないよ」

「酷い! わたし頑張って作ったのに、もう料理嫌いになったわ」

「いや、嫌いになることないだろ」

「でも夜和斗が食べてくれないんだもの」

「分かった分かった、食べるよ! だからそんな下手くそな芝居やめろ」


「じゃあほら、アーン!」

「あーん」

 夜和斗は瞬時に腹を抱えた。

「あ、あ、あ」


「あんっあんっワン!」

 夜和斗は犬のように鳴きだしたのだ。

「知渡子! もしかして夜和斗に犬キノコ食べさせた?」

「へ? わたしわかんない」


「マヒトも食べてみる?」

「いらないよ」

「じゃあほら夜和斗! 全部食べていいわよ!」

「あんっあんっあん!」

 なんか喘いでるようにしか聞こえなくなったんだけど。まあいいか夜和斗だもん。



 そんなことがあった。


「夜和斗ずっとこのままなのかな?」

「いいえ、少しずつ自我を取り戻している。まずいわね、このままじゃ夜和斗はわたしのペットじゃなくなる」

「ヘイヘイキノコののこのこキノコの子」


「ワッショイワッショイキノコだよ!」

「キノコだよ! キノコ!」



めでたしめでたし


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